小室圭さん、眞子さま

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 婚約内定者・小室圭さんの金銭トラブル発覚が引き金となった眞子さまの結婚問題。遅々として進展が見えない中、お二人の今後を婚活のプロはどう見るのか。『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)などの著作があるライターの仁科友里さんが分析する。

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眞子さまは小室氏の
「自由な感じ」にひかれた?

 奇しき縁で男女が結ばれる。結婚というものは誰にとってもおめでたいもので、ましてや皇族方のご結婚ともなれば国民あげて祝福したいところです。が、秋篠宮家のご長女、眞子さまのご結婚に一抹の不安を覚えるのは、私だけではないはずです。

 ワイドショーの論客たちも完全に祝福ムード、とは言い難いようです。そんな中、『グッとラック!』(TBS系)に出演した弁護士の橋下徹氏は「いろいろな考え方を国民は持っていいんですけど、ここまで眞子さまが言われて、反対だとかダメだとかいう人ってどういう気持ちなんですかね」とコメントしました。橋下氏自身も夫人の両親から結婚を反対された経験があるそうですが、2011年12月15日号『女性セブン』(小学館)によると、橋下氏が司法試験に合格したことで結婚を認めてもらったそうです。

 現在アメリカに留学中の小室圭氏も、橋下氏と同じように奮起してほしいものですが、一般論で言えば、結婚はある程度仕事で一人前になり、貯金もできた段階で踏み切るもの。なぜ小室氏はこのタイミングでアメリカに行ってしまったのかという疑問が残らないでもありません。

 しかし、もしかしたら、小室氏のこういう型にはまらない「自由な感じ」が、眞子さまの心をとらえたのかもしれないと思うのです。プリンセスとしてお生まれになった眞子さまは、制約の多い環境でお育ちになったはず。「自由な感じ」のする男性に憧れを持ったとしても、おかしくはないと思うのです。

「自由な感じ」といえば、上皇さまのご長女で、秋篠宮さまの妹君、黒田清子さんも「自由な結婚」をされたと言えるのかもしれません。お相手の黒田慶樹さんは皇族・華族出身ではないことが話題となりましたが、黒田さんは秋篠宮さまと紀子さまのご友人にあたり、ご夫妻が紹介されたそうです。庶民ふうに言うと「お兄ちゃんの友達」と結婚されたわけで、身近な人、共通点の多い人と結婚したということでしょう。

 しかし、眞子さまと小室氏の場合、大学以外に「同じもの」がほとんど見たらないのです。インターナショナルスクール出身の小室氏は、皇室をはじめとして、恥や体面を重視する日本文化に疎いところがあるかもれません。幼いころに父親を亡くした小室氏は、奨学金をもらって大学を卒業したとも言われていますが、母親と肩寄せ合い苦学するイケメンは、眞子さまがこれまで出会ったことのない「可哀想」なタイプだったのではないでしょうか。

 夏目漱石センセイの『三四郎』に「可哀想だた惚れたって事よ」とありますが、「可哀想」が恋愛を盛り上げることは間違いないでしょう。

小室氏を叩けば叩くほど
眞子さまは頑なに

 渡辺みどり著『美智子皇后の「いのちの旅」』(文春文庫)には、こんなエピソードが記されています。幼いころの上皇さまは帝王教育を受けるため、生後3年3か月でご両親の元を離されて、ご両親に会えるのは週に1度、日曜日の午前10時から午後3時までだったそうです。そんなさみしい少年時代を振り返り、上皇さまは美智子さまに「家庭を持つまでは絶対に死んではいけないと思った」とお話しになったそうです。

 美智子さまは新聞記者への手紙に「ご家庭なしで今まであそばしていらした東宮さまのいろいろなお話、そして、そんなにも家庭が欲しかったということを伺いますと、本当に伺ったときだけでなく、一人で思い出すときもいつも涙が出て仕方がございません」とお書きになったそうですが、「可哀想」できゅんきゅんしているお姿がうかがえます。

 眞子さまが小室氏の「可哀想」な境遇にひかれたとしたら、小室氏を叩けば叩くほど、さらに「可哀想」のお気持ちが募り、眞子さまは頑なになられてしまうのではないでしょうか。

境遇が全く違う二人が
うまくやっていくには

 一般論で言うのなら、結婚は自分と同じような家庭環境、経済状況、教育レベルの人とするのがラクではありましょう。しかし、眞子さまと小室氏のように境遇が違う人がうまくやっていく方法もないわけではないと思います。どうすればいいかというと、片方がもう片方に完全に同化するか、夫婦二人でそれぞれが育ってきた家庭と全く違うカルチャーを作り上げるのです。

 具体的に言うと、眞子さまがプリンセスでなくなられても、プリンセスとして培われてきた価値観を小室氏が全面的に尊重して家庭を作る「トラディッショナルな結婚」をするか、皇室も小室家とも全く関係ない、オリジナリティーあふれる家庭を二人で作る「今どき婚」をすればいいと思うのです。

 2018年10月に結婚された高円宮家の三女・絢子さまは、結婚式後の記者の質問に「皇族の一員に生まれるということは、天皇、皇后両陛下をお支えすることだと教わりながら、育ちました。今日をもって私は皇族を離れますが、元皇族として天皇、皇后両陛下をお支えしていくということに変わりはございません」とお答えになりました。天皇、皇后両陛下を常にお支えするというのが皇族方共通のコンセンサスだとしたら、将来の天皇陛下のお姉さまにあたる眞子さまを、小室氏が全面的に支えるのが「トラディッショナル婚」です。

 そのためには、小室氏ひとりで家庭を維持できるような経済力の確保は急務になります。皇室に連なる一族として、小室氏はもちろん、その母上や親族もそれにふさわしい服装や行動をとる必要があるでしょう。

 警察のお世話になるなんてことはもってのほか、不倫など倫理上好ましくないとされることにも気をつける必要があると思います。借金自体は問題ないと思いますが、トラブルになるようなことは避けなくてはならないでしょう。将来の天皇陛下のお姉さまというロイヤルブランドを、政治的・経済的に利用しようとする人が出てこないとは限りませんから、そういう邪な心を持つ人から眞子さまをお守りし、自身もうまい話にのらない自制心が必要になるかもしれません。

 先月、政府内で「皇女制度」の導入が検討されていると報じられました。これは結婚で皇室を離れる女性皇族に「皇女」の称号をおくり、公務を続けてもらうという制度で、もし実現すれば眞子さまは特別職の国家公務員として、安定した収入が得られるそうです。収入の原資は税金でしょうから、この制度を納税者である国民が歓迎するかどうかは、眞子さまがプリンセスとしてこれまで得てきた尊敬や敬愛を、今後も保ち続けられるかどうかにかかっているのではないでしょうか。「トラディッショナルな結婚」であれば国民の理解はスムーズかと思いますし、そのためには小室氏があとひと頑張り、ふた頑張りする必要があるでしょう。

眞子さまが働き、
小室氏が家事育児をしてもいい

 反対に、「今どき婚」をするのなら、法に触れること以外は何をしても自由です。日本国憲法は一家の大黒柱が男性たれと定めていませんから、小室氏が全面的に眞子さまを支えなくてもよいでしょう。極論で言えば、眞子さまが働いて、小室氏が家事育児をしてもいいのです。万が一、異性問題や金銭トラブルが起きても法に基づいて処理すればいいだけで、世間サマに対して「お騒がせして申し訳ありません」と配慮する必要は全くありません。

 ただし、この自由なスタイルで皇室に関わると「都合のいい時だけ、皇室を利用している」「庶民と皇族のいいとこ取り」と思われても仕方のない部分はあるでしょう。社会経験の浅い小室氏にはピンとこないかもしれませんが、皇室の親族という特権を手に入れるためには義務を果たさねばならず、時として義務は自由と対立するものだからです。

 どちらのタイプの結婚を選ぶかはお二人次第ですが、どちらにしてもそれなりに大変なことは言うまでもなく、お二人それぞれに覚悟が必要となるでしょう。

 国民はおめでとうと申し上げたいからこそ、お二人の将来設計が不安になってしまうのだと思うのです。ここは、やはり小室氏に「愛の力」を見せてほしいものです。来年こそは「いいニュース」が聞けることを期待したいと思います。

<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に