中国深圳市、「エッジAI」戦略で産業化推進

【新華社深圳5月20日】中国広東省深圳市が「人工知能(AI)エージェント」の産業化に力を入れている。スマートフォンや自動車、機器設備など端末側でAIを動かす「エッジAI」戦略を打ち出し、新たな産業クラスターの形成を目指している。
AI技術が急速に進化する中、今年はオープンソースのAIエージェントプロジェクト「OpenClaw(オープンクロー)」が注目を集め、個人のパソコン上で同システムを動かす試みが世界的なブームとなった。AIの応用は、会話型チャットボットから、実際に作業をこなすAIエージェントへと広がりつつある。

深圳市竜崗区は、オープンクローとOPC(一人会社)の発展を支援する政策10項目を全国に先駆けて打ち出した。オープンクローを技術基盤、OPCを起業の受け皿と位置付け、技術開発から実用化までを後押しすることで、AIを「実験室」から「産業の現場」へと向かわせ、単なる技術概念にとどめず、質の高い経済発展を促す「新たな質の生産力」へと育てる狙いがある。
広東省人工知能応用マッチング大会では、深圳に本社を置くIT大手の騰訊控股(テンセント)がAIエージェント関連の製品群を展示した。ソフトウエア開発支援ツール「CodeBuddy」や個人向けオフィス支援サービス「WorkBuddy」など、業務支援型AIの活用例を紹介した。

深圳がAIエージェント分野で強みを持つ背景には、世界有数のスマート端末ハードウエア設計・製造拠点として培ってきた産業基盤がある。深圳市科技創新局の張林(ちょう・りん)局長は、AIの能力をクラウドからスマートフォンや自動車、機器設備などの端末側に移し、スマートハードウエア上で十分に機能を発揮させることが重要だと説明。同市は「エッジAI」の発展を都市戦略に組み入れているという。
今年2月には、深圳領先辺端智能開放研究院が設立された。エッジAI分野の基礎研究や先端研究の中核拠点として位置付けられている。同研究院の責任者、劉洋(りゅう・よう)氏は「閉鎖的な研究ではなく、産業やエコシステムに向けた開かれた協力を進め、深圳だけでなく全国のエッジAI産業の発展を後押ししていく」と語った。

張氏は「深圳市として2030年までにエッジAIエージェント分野で自主制御可能なコア技術を形成し、代表的な製品や産業プロジェクトを実用化させることで、世界の産業チェーンにおける競争力を高め、世界的な影響力を持つ産業クラスターを形成したい」と意欲を示した。(記者/陳宇軒)
