57年ぶりに復活したベルトーネ「ランナバウト」

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伝説の名作を現代に蘇らせた新生ランナバウト

 イタリアの名門ベルトーネ(Bertone)は2026年1月25日、1969年に発表された象徴的なコンセプトカーを現代的に再解釈した新型「ランナバウト(Runabout)」を発表しました。

 過去へのオマージュにとどまらず、ブランドの遺産と現代のパフォーマンスを融合させた意欲作です。

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 ベルトーネがこれまでに手がけてきた名車には、ランボルギーニ「ミウラ」やランチア「ストラトス」、アルファロメオ「モントリオール」など、自動車史に名を刻むモデルが並びます。

 そんな同社が新たに立ち上げた「ベルトーネ・クラシック・ライン」の第1弾として選んだのは、1969年に発表された「アウトビアンキ A112 ランナバウト」でした。

 このモデルは、のちにフィアット「X1/9」へと発展していくミッドシップスポーツの原点ともいえる存在です。

 新型ランナバウトは、当時ヌッチョ・ベルトーネが提示した、常識にとらわれない自由な造形思想を現代に落とし込んだ1台といえるでしょう。

 スタイリングは、前衛的なウェッジシェイプと、切り落とされたリアエンドが特徴の「コーダ・トロンカ」を組み合わせた構成。フロントには冷却効率を高めるSダクトを備え、クリーンな面構成の中に、往年のポップアップヘッドライトを現代的に再解釈したデザインが組み込まれています。

 ボディタイプは、完全オープンの「バルケッタ」と、着脱式カーボンルーフを備える「タルガ」の2種類を設定。いずれもコンパクトながら力強いプロポーションを持ち、視覚的な存在感を放ちます。

 パワートレインには、最高出力475馬力・最大トルク490Nmを発生する3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャー付きエンジンをミッドシップに横置きで搭載。トヨタ製V6をベースに、ベルトーネ独自のチューニングが施されています。

 Vバンク内にはEaton/Edelbrock製TVSスーパーチャージャーを配置し、ステンレス製パフォーマンスヘッダーと組み合わせることで、刺激的なサウンドも実現。トランスミッションは6速MTのみが用意され、0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は270km/hに達します。

 軽量化も徹底されており、カーボンファイバー製ボディパネルと押し出しアルミ構造のシャシーを採用することで、乾燥重量はわずか1057kgに抑えられました。

 インテリアはボートの船体を思わせる「ハル・チューブ」形状のコックピットを採用。ダッシュボード中央には羅針盤をモチーフにしたアナログ表示を配置し、ドライバー正面には必要最小限の情報を示すデジタルタコメーターを備えるなど、走ることそのものに集中できる空間が演出されています。

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 新型ランナバウトは、2026年1月29日からパリで開催される「レトロモビル2026」にて、1969年のオリジナルコンセプトカーと並んで展示される予定です。

 生産台数は世界限定25台で、価格は税抜39万ユーロ(約7200万円)から。諸費用込みでは約46万ユーロ(約8500万円)相当になる見込みです。

 オーナーはベルトーネのデザインセンターと相談しながら、素材やカラーを選ぶ特別なカスタマイズ工程を経て、世界に1台の仕様を仕立てることができます。

 新型ランナバウトに対して、SNSでは「これはカッコいい」「シルエットが本当に美しい」といった、まずデザインを高く評価する声が多く寄せられています。

 とくに注目を集めているのが、レトロとモダンを融合させたスタイリングで、「昔のコンセプトカー感がちゃんと残っている」「今の時代にこのデザインを出してくるのが最高」といったコメントも見られました。

 また、「6速MTなのがたまらない」「トヨタ製エンジンなんだ」「V6スーパーチャージャーって響きがいい」と、パワートレインやドライバーズカーとしての成り立ちに反応する声も目立ちます。

 一方で、「速そうだけど扱いも楽しそう」「実車をぜひ見てみたい」と、存在そのものに興味を示す意見も多く、限定25台という希少性も相まって、早くも“特別な1台”として強い印象を残しているようです。

 伝説的コンセプトカーのDNAを現代に昇華させた新型ランナバウトは、登場直後からクルマ好きの心を強く刺激する存在として話題を集めています。