『Final Destination Bloodlines(原題)』(写真:Everett Collection/アフロ)

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 『マインクラフト/ザ・ムービー』『Sinners(原題)』に続き、ワーナー・ブラザースが3本連続のスマッシュヒットを決めた。

参考:『サンダーボルツ*』北米V2 MCUでは平均以上の好推移&米ディズニーにとっても成功例に

 5月16日~18日の北米映画週末ランキングは、人気ホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズの最新作『Final Destination Bloodlines(原題)』がNo.1を獲得。14年ぶりの新作ながら、3日間の興行収入は事前の予想を上回る5100万ドルとなった。

 これは『ファイナル・デッドサーキット 3D』(2009年)の2740万ドルを超え、シリーズ最高のオープニング成績。海外74市場でも5100万ドルを記録し、世界興収は早くも1億ドルを突破した。製作費は5000万ドルだから、すでにコスト回収をほとんど終えた形。今後は同じく『ファイナル・デッドサーキット』の世界興収1億8616万ドルを抜き、シリーズ最大のヒット作となる見込みだ。

 『ファイナル・デスティネーション』は、大惨事事前に回避した若者たちが、逃れられない死の運命に追いつめられてゆくホラーシリーズ。2000年の第1作から四半世紀を迎えてなお、新たな客層をつかんだことがヒットの要因だ。

 観客の男女比は男性52%・女性48%。年代別では25歳~34歳が全体の34%で最多、35歳以上が27%を占めた。本作は早くからSNSでの注目度が高く、3月に公開された予告編は24時間で1億8000万回近く再生され、ホラー映画としては『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)に次いで歴代2位の記録となっていた。

 批評家と観客からの支持も大きく、Rotten Tomatoesでは批評家スコア93%(!)、観客スコア89%を記録。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「B+」と、賛否両論になりがちなホラージャンルでは異例の高評価となった。

 監督は新鋭ザック・リポフスキー&アダム・B・スタイン、脚本は『レディ・オア・ノット』(2019年)のガイ・ビューシック&ロリ・エヴァンス・テイラー。原案・製作をトム・ホランド主演『スパイダーマン』シリーズ監督のジョン・ワッツが務め、シリーズに新風を吹き込んだことが強力な後押しとなった。今後の口コミ効果にも期待がかかる。

 残念ながら日本公開は未定。『Sinners』と並んで映画ファンの注目が大きい作品だけに、日本公開の実現をあわせて祈りたい。

 今週も『Sinners』と『マインクラフト/ザ・ムービー』は変わらず健闘しており、公開5週目の『Sinners』は3日間で1542万ドルを記録。前週比マイナス30.2%とホールド力は依然高く、北米興収2億4079万ドル、世界興収3億1459万ドルとなった。また、7週目の『マインクラフト/ザ・ムービー』は世界興収9億ドルを突破。ランキングのトップ5にワーナー作品が3本ランクインする結果となった。

 マーベル・シネマティック・ユニバース映画『サンダーボルツ*』は3週目で首位を譲り、第2位に下落。北米興収1億5542万ドル、世界興収3億2572万ドルという数字は『Sinners』と現時点でほぼ同等だ。もっとも製作費を鑑みると、今後もう少し成績が伸びることを期待したい。

 なお、今週は第6位にザ・ウィークエンドことエイベル・テスファイの主演映画『Hurry Up Tomorrow (原題)』が初登場。ザ・ウィークエンドとして1月にリリースしたアルバムとタイトルを共有する本作は、テスファイが自身の経験に基づき脚本を執筆。精神を病んだトップスターが悪夢に引きずり込まれていくスリラーで、本人役として主演を務めた。

 共演は『ウェンズデー』のジェナ・オルテガ、『Saltburn』(2023年)のバリー・コーガン。ポップカルチャーのファンには早くから話題で、SNSでの注目度も高かったはずだが、週末3日間で330万ドルという厳しいスタートとなった。

 監督は『WAVES/ウェイブス』(2019年)のトレイ・エドワード・シュルツ。Rotten Tomatoesでは批評家14%・観客70%、CinemaScoreでは「C-」と残念ながら評価も低い。日本公開は未定だが、評価にかかわらず観ておきたいファンやジャーナリストはいるはずだろう(筆者もそのひとり)。

 北米市場の年間興行収入は前年比プラス15%。週末には実写版『リロ&スティッチ』と、トム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(日本では先行上映中)が公開され、さらなる盛り上がりが期待される。

北米映画興行ランキング(5月16日~5月18日)1.『Final Destination Bloodlines(原題)』(初登場)5100万ドル/3523館/累計5100万ドル/1週/ワーナー

2.『サンダーボルツ*』(↓前週1位)1653万ドル(-48.9%)/3960館(-370館)/累計1億5542万ドル/3週/ディズニー

3.『Sinners(原題)』(↓前週2位)1542万ドル(-30.2%)/3518館(+16館)/累計2億4079万ドル/5週/ワーナー

4.『マインクラフト/ザ・ムービー』(↓前週3位)587万ドル(-23.3%)/3357館(-111館)/累計4億1663万ドル/7週/ワーナー

5.『The Accountant 2(原題)』(↓前週4位)495万ドル(-26.1%)/3229館(-173館)/累計5907万ドル/4週/Amazon・MGM

6.『Hurry Up Tomorrow(原題)』(初登場)330万ドル/2020館/累計330万ドル/1週/ライオンズゲート

7.『Friendship(原題)』(↑前週13位)140万ドル(+214.8%)/60館(+54館)/累計204万ドル/2週/A24

8.『Clown in a Cornfield(原題)』(↓前週5位)133万ドル(-63.5%)/2277館/累計632万ドル/2週/RLJ Entertainment

9.『Until Dawn(原題)』(↓前週8位)80万ドル(-59%)/1706館(-759館)/累計1962万ドル/4週/Screen Gems

10.『アマチュア』(↓前週9位)71万ドル(-39.2%)/850館(-350館)/累計4014万ドル/6週/20世紀スタジオ

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2025年5月19日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

【参照】https://www.boxofficemojo.com/weekend/2025W020/https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/final-destination-bloodlines-box-office-record-opening-1236220187/https://variety.com/2025/film/box-office/final-destination-box-office-record-hurry-up-tomorrow-bombs-1236402487/https://variety.com/2025/film/box-office/final-destination-box-office-global-100-million-milestone-1236402569/https://deadline.com/2025/05/box-office-final-destination-bloodlines-1236400414/

(文=稲垣貴俊)