NYダウは調整局面を脱せるか、「10月効果」警戒のなか米決算発表本番 <株探トップ特集>
―インフレ懸念一巡による米利上げ打ち止めに期待、肥満症薬が市場の大きな話題に―
米株式市場は秋相場に突入したものの気迷い局面が続く。足もとでは、米利上げには一巡期待も浮上しているが、中東情勢の緊迫化が警戒要因となっている。米国には「10月の相場は弱含む」というアノマリー(経験則)もある。そんななか、米国は決算発表シーズンに突入した。果たして、NYダウは調整局面を脱することができるのか。
●中東情勢を巡って市場には強弱観が対立
16日のNYダウは前週末に比べ314ドル高の3万3984ドルと大幅続伸した。企業決算への期待感や米利上げ懸念の後退を評価する買いが入っている。市場では、イスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突が激化し、中東情勢が緊迫化することへの警戒感が強い。ただ、今月に入りNYダウは1.4%上昇、ナスダック指数も2.6%上昇している。「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数も16日に17.21と警戒ラインの20を下回るなか、市場の一部には過度な警戒感を指摘する声もある。
中東情勢を巡っては、今後の状況を慎重に確かめる必要があるが、バイデン米大統領が18日にイスラエルを訪問することで状況に変化が出てくるかが注視されている。一部には「イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻が始まれば、相場は上昇に転じるのではないか」(市場関係者)と予想する声もある。ただ、「中東地域全域での情勢変化を引き起こす懸念」(アナリスト)も指摘されるだけに、強弱観は対立した状況にある。
●米市場は高値圏での一進一退が続くか
一方、依然として熱い視線が注がれているのが、米金融政策の行方だ。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2024年の政策金利見通しが引き上げられたことなどが嫌気されたが、足もとでは米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるハト派発言もあり、米利上げ停止観測も浮上。10月31日~11月1日に開催されるFOMCでは政策金利は据え置きが有力視され、12月のFOMCも利上げ見送りの予想が多数派となっている。「特に賃金上昇が収まっていくか」(アナリスト)が注視されるなか、雇用関係指標などに関心が集まる展開が続きそうだ。
米国には、「10月効果(October Effect)」と呼ばれるアノマリーもある。1987年10月にはNYダウが大暴落する「ブラックマンデー」が発生したことは有名だが、10月の株価は弱くなりやすい、と言われている。今年も中東情勢がキナ臭さを増すなど波乱含みの展開となっている。しかし、米長期金利の上昇一服を背景に、秋相場から年末に向けては「米株式市場は高値圏でのもみ合いが続く」との見方が市場には多い。
●金利上昇でJPモルガンなど米銀行株の決算は堅調
そんななか、米企業決算が本格化する。13日に発表されたJPモルガン の7~9月期純利益は前年同期比3割増と堅調だった。金利上昇による金利収入の拡大などが寄与した。また、今晩はバンカメ やゴールドマン の決算が予定されているが、銀行を中心に金利上昇メリットを期待する声は少なくない。
また、明晩は電気自動車(EV)大手のテスラ に加え、ネットフリックス 、それにオランダ半導体大手のASMLホールディング の決算が発表される。テスラは中国でのEV販売の動向や主力車種の値下げの影響などが注目される。ネットフリックスに加えASMLの決算内容はハイテク株に影響を与えることが予想され、その注目度は高い。
巨大テック企業の「GAFAM」では、24日にアルファベット とマイクロソフト 、25日にメタ・プラットフォームズ 、26日にアマゾン 、11月2日にアップル の決算が予定されている。更に、半導体関連では前出のASMLのほか19日に台湾積体電路製造(TSMC) 、24日にテキサス・インスツルメンツ 、26日にインテル 、11月21日頃にエヌビディア などが決算を行う。

