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 10月から始まった消費増税は、同時にキャッシュレス決済のポイント還元事業を開始するきっかけにもなった。国は既に最大5%還元のキャンペーンを行っているが、それに並行して「マイナポイント」と名付けられた企画を準備している(2020年度実施予定)。
 その内容はまだ検討段階ではあるが、2万円をキャッシュレス決済にチャージすれば最大25%、すなわち5000円分のポイントが付与されるものになるという。

 ただし、これには条件がある。キャッシュレス決済のアカウントとマイナンバーカードを紐付けするというのが、その条件だ。

◆マイナンバーカードと「公的個人認証サービス」

 マイナンバーカードは各自治体が発行を呼びかけているが、その実態は決して芳しいとは言えない。総務省によると、今年7月1日の時点でマイナンバーカード交付率は全国平均13%台。それを持っていない人のほうが圧倒的に多いというのが現状だ。

 マイナンバーカードを持っていれば、公的個人認証サービスを利用することができる。もっとも、「公的個人認証サービス」と言ってしまえばピンと来ない人も多いかもしれない。だが「確定申告を自宅で実施できるサービス」と言い換えれば、やや正確さに欠けるがより分かりやすいのではないか。

 非接触型ICカードでもあるマイナンバーカードを保有していれば、自宅にいながら確定申告をすることが可能だ。ところが、非接触型ICカードゆえの「ある問題」がマイナンバーカード普及にブレーキをかけているようだ。

◆ICカードリーダーを普及させる狙いも

 NFCやFelica対応のカードは、それを読み取る端末がなければ機能しない。

 マイナンバーカードを使って自宅で確定申告をする場合も、PCにICカードリーダーがなければ実行不可能。PCにそれが内蔵されていればいいが、そうでなければ外付けのカードリーダーを別に揃える必要がある。

 ICカードリーダーなど、あまり頻繁に使うことのないという人が大半ではないか。にもかかわらず、年1回しかない確定申告のためにそれを購入しなければならない。また、自宅では税務署員にデジタル入力についての質問をすることができない。「確定申告会場に直接足を運んだ方が早い」と考える人が出てくるのは、無理もない話だろう。

 此度計画されているマイナポイントは、自ずとICカードリーダーを普及させる役割も担っていると言えよう。

 こちらも確定申告と同じように、PCにICカードリーダーを接続してマイナンバーカードを読み込む仕組みだ。より具体的にはマイナンバーカードを取得したら、プラットフォーム上で「マイキーID」を作成するという手順。この最中にICカードリーダーを使用する。

 そのマイキーIDをキャッシュレス決済のアカウントに紐付けしたのち、ポイント還元が発生するという企画の構想である。

◆ポイント上限や有効期限は?

 ただ、この記事を執筆している10月上旬の時点では仕組みについて未確定な部分が多い。冒頭で「2万円をキャッシュレス決済にチャージすれば最大25%、即ち5000円分のポイントが付与される」と書いてしまったが、これはあくまでもひとつの想定として出た話。

 マイナポイントの公式サイトにあるQ&Aを見てみると、「ポイントの購入条件、購入対象者、プレミアム率、ポイントの利用環境や使途、有効期限等、具体的な内容は現在検討中です」とあった。

 付与されるポイントの上限や有効期限等もまだ決まっていない。総務省は来年の実施を目指しているが、今の段階ではマイナポイントは「検討段階」と判断するべきだろう。

◆「マイキーID窓口」を設置する自治体も

 ちなみに上記のマイキーID作成についてだが、これは自治体によっては特設窓口を設置している。ひとつ例を挙げれば、神奈川県平塚市。今年9月2日から来年3月31日まで、マイキーID設定のための臨時窓口を平塚市役所内に設ける。このような措置を実行する自治体は、今後増えていくだろう。

 また、マイキーID設定に必要なICカードリーダーであるが、これはNFC機能のあるAndroid OSのスマートフォンで代用することも可能。この場合はGoogle Playから専用アプリをダウンロードする必要がある。iPhone向けのアプリは準備中とのこと。<文/澤田真一>

【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』