学生の窓口編集部

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誰もが一度は経験があるはずの、買い物の「キャンセル」。サイズや数量を間違えたり二重に注文してしまい、慌ててキャンセル!なんてパターンが一般的だが、あくまでお店の好意であり、本来はキャンセルできないのはご存じだろうか?
レストランや居酒屋など飲食店なら「注文します」「承りました」的な会話で契約が成立するので、料理がまだテーブルに届いていなくても自分の都合だけではキャンセルできない。ネット通販なら「ご注文ありがとうございました」メールが契約完了の合図なので、それ以降はキャンセルできなくても文句はいえないのだ。

■「やっぱり要りません」は通用しない

住宅ローンなどの高額な買い物は契約書が一般的で、書類を交わせばキャンセルできないことは誰もが理解しているだろう。対して日常生活では口頭で伝えるパターンが多く、やっぱりヤメた的なキャンセルが起きやすい。レストランで、予想以上におなかいっぱいになり、まだ料理ができあがっていないからと「キャンセルしてください」的な話はよく聞くがこれはNG。

「この料理を注文します」「承りました」と言葉を交わした時点で契約が成立しているので、一方的なキャンセルはできないのだ。

注文した料理をキャンセルできるのは、提供する側にも落ち度がある場合で、

・材料不足などで料理が作れない … 民法・415条(債務不履行)

・生焼け/生煮えなど、料理が不完全 … 民法・543条(履行不能による解除権)

・料理が提供されるのに長時間かかった … 民法・412条(履行期と履行遅延)

がおもなパターンだ。412条(履行期と履行遅延)は程度が重要で、一方的に「遅い!」と主張しても水掛け論になりやすいので、「何分ぐらいでできますか?」と聞いておくと良いだろう。「料理がまだ提供されていないから」大丈夫と思われがちだが、これは正当な理由にならない。

キャンセルを了承してくれる場合もあるが、それは「お店の好意」なので、どこでも通用すると思わないほうが良いだろう。
■ネット通販は「メール」が決め手

通販の場合、どのタイミングで「契約成立」になるのか? これも会話と同様に、売り手が「ご注文ありがとうございました」と伝えれば成立したことになり、それ以降は勝手にキャンセルできない。

これは民法・526条(隔地者間の契約の成立時期)で「受諾(じゅだく)の通知を発した時」に成立すると定められているからで、口頭での注文と同様に売る側が「注文を承りました」と「発信」すれば成立する。そのあとで「品物を間違えた!」と気づいてもキャンセルできないので、ご利用は計画的に。

ただしネット通販などの「電子契約」では、民法・526条は適用されない。これは通称・電子契約法と呼ばれ、その4条に、

・民法・526条は適用しない

・代わりに、購入者に「承りましたメール」が届いた時点で契約完了

とさだめられ、売る側の意思を「発信」するだけでは不十分で、購入希望者に「到達」しないと成立しないことを意味している。

もしメールアドレスを間違えて入力し、「注文ありがとうメール」が来なければ契約は成立していないので、いつまで待っても商品が届くはずもない。逆に、注文してわずか数秒でメールが届くサイトは「待ったなし」なので、品物/数量を間違っていないか確認してから「注文」をクリックしよう。

とはいえ、多くの通販サイトでキャンセル可能なのは一種のサービスであり、本来はできない、と覚えておこう。

■まとめ

・飲食店では「注文します」「承りました」の会話で契約が成立する

・通販では「ご利用有り難うございました」と発信すればOK

・電子契約は例外。「注文ありがとう」メールが到達しなければ成立しない

(関口 寿/ガリレオワークス)