「メーカーが20%上乗せで買い戻し」パチスロ射幸性オーバーで自主回収へ 一方、複雑すぎる台にユーザーは「上位ATに魅力ない」と辟易
パチスロ業界情報サイトの「グリーンべると」が2月に興味深い記事を出していた。「パチスロ機の自主回収で業界8団体が申し合わせ、コンプリート発生率の基準値超えが対象」という記事だ。
内容を詳しく見ると、中古機流通協議会が2月10日の会合で、射幸性が高すぎる遊技機の自主回収に関する「8団体申し合わせ」を承認したという。
コンプリートというのは、昨今のパチスロに設けられている打ち止め制度。1営業日のうちに、差枚数で合計19,000枚出てしまうと、強制的に遊技機が動かなくなる。これをコンプリートと称している。
つまりどうあがいても、今のパチスロでは1日に2万枚、3万枚は出ないというわけだ。何がコンプリートだよ、という話になるわけだが、しかし世間を見渡すと、このコンプリートを目指して射幸性の高いAT機を打つ依存症のユーザーはいるんだよね。
射幸性が高く、荒い性能の遊技機で上位AT突入を目指して、事実上の出玉制限となるコンプ狙い……やってる意味が分からない。
そもそも射幸性が高い機種なんて、上振れしてとんでもなく出る可能性があるから打つ意味があるだろうに……。
まあ悪口はこの辺にしておいて、記事によると、今回の申し合わせは、メーカー団体が定めた自主規制を逸脱・違反している遊技機を市場から回収する際の手続きを明確化したものだという。
目的は、射幸性が過度に高い台を市場に残さないことにある。具体的には、新たに販売されるスマスロ機(ノーマルタイプ、ボーナストリガー機は除く)が対象。導入から45日間のデータを参照して、コンプリート機能の発動率が基準値を超えた場合、「自主規制違反」とみなされて回収対象になる仕組みだ。
つまり、業界が競うようにして開発・販売した射幸性の高い台を、コンプ率について基準を超えている場合は自主的に回収するための制度を作っておこうと、こういうわけなんだろう。(文:松本ミゾレ)
自主的回収は警察に怒られる前によくやる手段。珍しいことではないが……
ではなぜ、業界団体はこういった仕組みを作ろうとするのかという話なんだけども、こういった動き自体は特に珍しいことではない。
パチンコ・パチスロ業界というのは、メーカーとホールとユーザーで成り立つが、このうちやはり一番強いのはメーカーだ。はじめにメーカーあり。
メーカーが競合して、1台でも多く自社が開発する遊技台を全国のホールに販売することが彼らの目的だし、そもそもの話で、パチンコ・パチスロ業界を維持する根幹となる。だからどうしても、いつの間にか「他社に負けない圧倒的な出玉性能を」という形で、ユーザー不在のまま苛烈なマシンを作ってしまいがちだった。
そうなったらどうなるか。お上。つまり警察庁に怒られる形になり、そうなると業界はトーンダウンして、性能を露骨に抑えたマシンを販売するようになる。しかしそれではユーザーが満足しないと考え、徐々にまた射幸性を高める方向で開発を進めていく。そしてまた怒られてトーンダウン。これの繰り返しだ。
パチンコの場合は、割とこれまでも警察庁に撤去指導を受ける前に、特定の機種を自主的に回収したというニュースを見る機会があったが、今回はパチスロの自主回収の動き。これは警察に対しても立ち入り検査の手間もかからないから、心象は良さそうだ。
今回の申し合わせでは、実際に撤去が決定した場合、遊技機メーカーが責任を持って買い戻しを行うことになっている。当然である。自分たちが売り込んだものを自分たちの都合で回収するのだから。
撤去に関しては、メーカーが販売価格に諸経費相当として20%を上乗せした金額で買い戻すという。この制度は2026年4月1日以降に導入される新台から適用される見通しだ。
しかし、射幸性が高い機種となると依存症ユーザーにとってもホールにとっても宝石箱。20%増しでの回収だとしても、ホールはあまり嬉しくはないだろうなぁ。
そもそもコンプリートに魅力を感じているユーザーってそんなに多いのか?仕組みが破綻していないか
僕個人もパチスロはやるが、コンプ機能だの有利区間だの、このところのパチスロの、知識がなければ立ち回りに不具合が出る上に、知識があったとて勝ちにくい台ばかりという状況には辟易している。
辟易しているから、遊技日数はこの3年でどんどん下がっている。正直、上位ATそのものに魅力を感じない。上位突入を意識して打つこと自体がない。でも下位扱いとなる通常AT目当てで打つほどでもない。なので稼働日数は本当に減ってしまった。
通常ATでも十分面白いものが作れるメーカーばかりのはずなのに、上位なんか設けるから下位を意図的につまらなくしている節も見受けられるのも気に入らない。
そしてこれは僕のヒキの問題だが、上位ATって大して出らんのよ。なので今のスマスロになってから、僕は万枚を出したことすらない。せいぜい7,000枚止まりだ。コンプリート機能なんかあってないようなもの。だから意識したことすらない。ってか意識する意味が分からない。2万枚以上出したことあるし(自慢も自慢、大自慢)。
上位にぶち込むために穢れを貯めて解放してチャンスを掴んでみたりだとか。下位ATから有利区間切って上位突入チャレンジの抽選を突破したりだとか。そんなめんどくさいことをしてやっと上位に入れて。その時点で何万も失っていて、時間ももう19時とかで。こういうのを経験しちゃうと、もう本当にごめんなさい、面白くないですとしか言いようがないんだよね。
Xとか見てると、コンプ目指してぶん回す人というのはいるにはいる。でも、こういうのは本当にごく一部なんじゃないかなぁという気がする。大半は僕みたいに呆れてるんじゃないだろうか。
業界団体も、もしかするとそういう、ユーザーの冷めた目に気付いて、さらにこのまま行くとまたお上に怒られるぞってのを経験で知っているから、回収しようという流れになったんじゃないかなぁ。
とにかく、今の射幸性を煽るだけのスベッた台の多さはちょっと引くので、こういう回収への動きを機に、またまったりマイルドに打てるAT機の登場に繋がれば言うことはない。
どうもホールは、ジャグラー、ハナハナ、そしてAT機以外に愛着は薄い様子なので。ボーナストリガー機の扱いとか酷いもんだよ。
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