友達に見られるなんて


▶▶この作品を最初から読む

近年、SNSなどで「きょうだい児」という言葉を耳する機会が増えてきました。これは障害のある兄弟姉妹がいる人を指す言葉であり、ともに育つ中でケアを期待されたり、家族関係や社会生活においてもさまざまな影響を受けたりすると言われています。

社会福祉士の国家資格を持ち、福祉の現場を知る漫画家・うみこさんが手がけたセミフィクション『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』は、実際の「きょうだい児」当事者への取材をもとに構成されています。

障害のある妹や家族のために自分を後回しにしてきた女性・透子の人生を通して、「きょうだい児」の知られざる現実に迫ります。

※この記事は、障害のある方々への差別や偏見を助長することを意図するものではありません。全ての人の人権が尊重される社会の実現を願い、そのなかで見えにくくなりがちな「きょうだい児」に光を当てることを目的として制作しています。

※本記事はうみこ、Sibkoto |シブコト 障害者のきょうだいのためのサイト監修の書籍『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』から一部抜粋・編集しました。

登場人物紹介


■妹から離れたい

透子は吹奏楽に強い高校に行きたい気持ちがありましたが、母親からは障害を持つ妹の支援学校の近くの高校を勧められます。そこには「自分が行けないときは妹のお迎えを透子にやってほしい」という母親の希望がありました。釈然としない透子でしたが、それでも母親の負担を減らしたくて、母の希望の高校に進みます。

ごめんママから連絡


残業で遅くなりそうなの


妹とバスで帰らなくちゃいけなくて


高校からの友達にはなんとなく妹の障害のことを話せないでいた


優しいお姉ちゃんね


これからも仲良くね


初めてバスに乗る?


あれ?透子


さくらの家で遊ぶことになってさ


でささっきの話だけど


最後に乗ろうね


パニック起きなかった


うああああ


お願い静かにして


うるさくしてすみません


よかった落ち着いてきた


■著者プロフィール

著者:うみこ

漫画家・イラストレーター。愛媛県出身。社会福祉士の国家資格を持ち、病院、介護施設、児童養護施設など、さまざまな福祉の現場での勤務経験を持つ。そこで出会った人々との関わりや、自らの視点をもとに、「家族」や「こころ」といったテーマを、やさしい筆致で描く作品づくりに取り組んでいる。現在は二児の母として子育てと創作に日々向き合っている。

監修:Sibkoto|シブコト 障害者のきょうだいのためのサイト

障害のある兄弟姉妹がいる「きょうだい児」が共同運営する情報・投稿型ウェブサイト。体験談や本音、専門家による記事、イベント情報などが掲載・投稿され、情報の取得や交流の場となっている。インターネットでの情報発信を通して、きょうだい児の認知と社会的理解を目指している。

著=うみこ、監修=Sibkoto |シブコト 障害者のきょうだいのためのサイト/『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』