パート勤務の40代主婦です。「年収130万円」と「年収160万円」ではどちらの手取りが多いですか?

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子育てが落ち着いて時間に余裕ができたなどの理由で、パート勤務で扶養範囲を超えて働きたいと考えている人もいるかもしれません。扶養を外れて稼ぐか悩むときは、扶養内のときと比較して手取りがどうなるか計算してみるとよいでしょう。 今回は、「年収130万円の壁」を超えるとどうなるかや、年収130万円と160万円の手取りの差などについてご紹介します。

年収130万円を超えるとどうなる?

「年収130万円の壁」と呼ばれるのは、短時間労働者が扶養を外れて自分で社会保険に加入する基準です。令和8年2月時点において、社会保険は以下の条件を満たしていると、パート勤務でも自分での加入が必要になる場合があります。
 

・週20時間以上の勤務
・就業先の規模が従業員数51人以上
・月額給与8万8000円以上(残業代や通勤手当などは除く)
・勤務が2ヶ月超えの予定
・学生ではない(一部除く)

まず、ほかの条件も満たしたうえで月額給与8万8000円、年間換算で約106万円を超えると社会保険に加入することから、「106万円の壁」と呼ばれています。
さらに、106万円の壁に該当しなかった場合でも、年収130万円を超えると厚生年金保険や健康保険の収入要件に該当し、原則として扶養を外れて、自分で社会保険に加入しなければならないのが「130万円の壁」です。
130万円の壁を超えると、社会保険料を自分で支払うため、人によっては手取りが少なくなる可能性があります。

年収130万円と160万円の手取りの差

今回は、企業規模が50人未満の事業所でパート勤務していると仮定し、以下の条件で年収130万円と160万円のときの手取りを比較しましょう。
 

・全国健康保険協会に加入
・東京都在住の40代
・年収を12ヶ月で割ったものを標準報酬月額とする
・賞与は考慮しない
・適用される控除は給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除
・令和7年度分の税制基準を適用
・住民税は「所得割10%+均等割5000円」(森林環境税含む)

条件を基にすると、年収130万円と160万円のときの社会保険料や税額などは表1のようになります。
表1

年収130万円 年収160万円 社会保険料(年間) 0円 24万8392円 所得税課税所得 0円 0円 所得税率、控除額 なし 所得税額 0円 住民税課税所得 22万円 27万1000円 住民税所得割+均等割 10%+5000円 住民税額 2万7000円 3万2100円 手取り 127万3000円 131万9508円

※筆者作成
両年収を比較すると、引かれる総額は年収160万円の方が多いものの、手取り額は年収160万円の方が高い結果です。ただし、ほかの所得控除など条件によっては金額が変わる可能性があります。

夫の扶養に入ったままの方がよいケースとは

扶養から外れて働くかは、手取り金額だけでなくほかのメリットも考慮して決めるようにしましょう。
例えば、扶養に入っていると、自分で保険料を支払わなくても将来の年金を受け取れます。また、配偶者の健康保険の被扶養者になると、保険料を負担することなく健康保険を使える点もメリットです。
また税法上では、扶養内に入ると夫は配偶者控除を受けられるケースがあります。配偶者控除があると、夫の課税所得金額が少なくなるため税金負担が軽くなります。
一方、扶養を外れるとパートナーは配偶者控除を受けられなくなったり控除額が減少したりする点がデメリットです。場合によっては、世帯全体の手取りが少なくなる可能性があります。扶養を外れたいときは、配偶者ともよく話し合い、世帯全体の手取りが減らないかなどを確認しましょう。

年収160万円で働く方が手取りも多い場合がある

パート勤務の場合、年収130万円を超えると自分で社会保険への加入が必要です。今回のように、年収160万円など年収130万円の壁を大きく超える金額であれば、社会保険料や税金を差し引いても、通常は年収130万円時より個人の手取りは増える計算になります。
一方、扶養内だと自分で社会保険料の支払いをしなくてよいほか、税法上もパートナーが配偶者控除により税金負担が軽くなるメリットがあります。扶養から外れることで、こうしたメリットがなくなることは理解しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー