【Z世代】会社に「大切にされたい」はわずか4.1% ― 3世代比較調査で判明したキャリア観|求人ボックス研究所
「今の若者は、仕事に何を求めているのか」。
求人ボックスが実施したアンケート調査「仕事と暮らしの実態白書2025」から、Z世代が抱く独自のキャリア観を深掘り(※)。結果から見えてきたのは、 AIとの共生が進む未来を見据え、会社に身を委ねるのではなく、自律的な成長を最優先する新たなキャリアの防衛策だった。
(※)世代について、Z世代(20~24歳、25~29歳)、Y世代(30~34歳、35~44歳)ミドルシニア世代(45~54歳、55~64歳)に分けて集計。
キャリアで重視するのは「居心地」より「自分の武器」
キャリアにおいて最も重視することを聞いたところ、全世代で「ワークライフバランス」が首位となった。一方で、2位以下の項目では、世代間に差が現れた。
ミドルシニア世代が「 居心地の良さ 」(38.4%)を重視するのに対し、Z世代はその数値を10ポイント以上下回った。代わりに「 スキルアップ 」(14.1%) が、他世代より高い数値を示した。
「会社というコミュニティに安住する」ことよりも、「 どこでも通用する自分を作る 」こと。不確実な経済状況下で、個の力を磨くことに合理的な価値を感じていると捉えられる。
3年後の理想は「場所からの解放」
働き方の希望についても、場所や時間に縛られないZ世代のこだわりが見られた。
ミドルシニア世代の約5人に1人が「定年を意識せず長く緩やかに働きたい」(19.9%)と願う一方、Z世代は「 フルリモート 」や「 柔軟な環境 」を強く求めている。「今と変わらない働き方を続けたい」(9.2%)という現状維持を望む割合が全世代で最も低く、自分に最適な環境を求めて変化し続けたいという、前向きな「 適応意欲 」が見て取れる。
仕事選びは「給与」と同等に「内容」をジャッジ
「今の仕事・会社を選んだ理由」と「次の仕事・会社に求めるもの」を比較したところ、世代ごとに価値観の変化が見られた。
全世代を通じて「給与」は最重視されるが、Z世代において特徴的なのは「 やりたい仕事内容・専門分野 」へのこだわり。入社時も、そして次のキャリアにおいても、やりたい仕事内容にこだわっている(今の仕事:9.2% → 次の仕事:10.5%)。また、「成長・キャリアアップの機会」(今の仕事:6.7%→次の仕事6.3%)もミドルシニア世代の2倍以上の数値となっており、「 その仕事を通じて何が得られるか 」という投資対効果を重視していることがわかる。
Z世代が“自分”を最優先せざるを得ない「スキル不安」
Z世代が「自分」を優先する背景には、他世代が想像する以上の「焦燥感」がある。スキルの将来性と会社の期待に関するアンケート結果から、「スキル不安」と「会社とのドライな距離感」が浮き彫りとなった。
「 自分のスキルが将来通用すると思うか 」という問いに対し、 Z世代の21.0%が「いいえ」 と回答。 これはミドルシニア世代(12.6%)の約1.7倍という高い数字である。AIの社会実装が加速する現在、Z世代は「今の環境に留まることへのリスク」を敏感に察知している。
この危機感は、会社に対する「期待」の項目に如実に表れている。ミドルシニア世代が8.8%も期待している「 社員を大切にする企業文化 」を、Z世代はわずか4.1%しか求めていなかった。
Z世代が描く生存戦略
終身雇用が過去の遺物となり、AIによるスキルの再定義が加速する現在。調査結果から浮かび上がったのは、組織に運命を委ねずに、自律的に変化を続ける「個のアップデート」という選択だった。
「居心地」より「スキル習得」を優先 「社名」より「実利(経験・報酬)」の徹底 「忠誠」より「自律(柔軟な働き方)」の確保これらは決して組織に対する反抗ではなく、変化の激しい時代を生き抜くための、合理的な判断である。
企業側に対しては、「管理」ではなく、相互にとって有益な関係が求められている。Z世代の描く生存戦略を理解し、その成長を支援できる組織こそが、これからの労働市場で選ばれるための条件と言える。
