左は岡山が現在使っているツノ型でショートスラントネックの『ホワイトホットOG #7S』、右は全米女子オープンで使っていたセンターシャフト(撮影:佐々木啓、GettyImages)

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<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 2日目◇10日◇花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース(兵庫県)◇6390ヤード・パー72>
パット・イズ・マネー。古くからゴルフ界で言われる言葉だ。どれだけいいショットを打とうが、最後のパッティングを決めなければ勝利、巨額の賞金をつかむことはできない。そんな“最後の仕上げ”を任せるクラブに注目してみよう。今週は岡山絵里が3年ぶりに優勝した「アクサレディス」で握っていたオデッセイの『ホワイトホットOG #7S』。
岡山は昨年11月からプロコーチの南秀樹氏に習っている。南氏は女王・鈴木愛を小学生時代から指導し、パットの名手に育て上げた人物である。17年にはツアー初のパッティングコーチとして成田美寿々と契約、話題を集めた。
「昨年、岡山プロはヘッドが大きいマレット型のパターを使っていました。それだとタッチが合わなくて、強く打ちすぎてオーバーすることもあったんです。昨年12月の全米女子オープン前に、それよりも小さいマレット型のセンターシャフトのパターで練習させたんです」と南氏は話す。
センターシャフトでの練習はどんな意図があったのか? 「本人は『先生、なんでセンターなんですか?』というから、『ショートパットが楽になるから』と言いました。でも実は打点のバラつきを抑える狙いがあったんです」と南氏は説明する。
一般的なパターはヘッドのヒール側からシャフトが入っている。それだと「ヘッドの真ん中で打っているのか、端で打っているのか、感じ方が鈍ってしまう」。それに対しセンターシャフトは、真ん中から真っすぐシャフトが伸びている。真ん中で打てれば真っすぐ転がるが、ヒール側に外せばフェースが閉じ、トゥ側に外せばフェースが開こうとするので、ミスヒットに対し、より敏感になれるのだ。プロにとってパッティングはとても繊細なもの。南氏は「考えすぎないように」と、あえてセンターシャフトにした理由を岡山には説明しなかった。
岡山はセンターシャフトのパターで好感触を得て、「先生、このパターで行ってきます」と昨年12月の全米女子オープンでは13位タイに入った。日本に戻ると、また岡山のパター探しが始まることになる。「今年のオフにメーカーさんから何本もパターを送ってもらいました。それであのパターに決まったんです」と南氏。岡山が選んだのは、ツノ型のショートスラントネック、『ホワイトホットOG #7S』だった。
「岡山プロはピン型があまり好きではない。大きいマレット型は真っすぐ打つイメージが強くて反応してしまう。だから自分でちょっと操作できるツノ型が良かったんです」と南氏はいう。ヘッドが小さいピン型は操作性が高いが、その分ミスヒットには弱い。大きいマレット型はミスヒットに強いが、操作性は低くロングパットのタッチは合わせづらい。その2つの中間の大きさであるツノ型がはまったというわけだ。
さらにネックの形にも意味がある。「一般的なベントネックだとヘッドが遅れるから、反応して引っかけるイメージが出てしまう。それにストロークでは“箱”が動くイメージでフェース面を感じにくいんです。岡山プロがショートスラントネックにしたのは、フェース面を感じやすくするためです」。第一段階として、センターシャフトで練習したことで打点のバラつきが少なくなった。今度は第二段階として、ネックの短いパターで“点”ではなく“面”でとらえる感覚を養い、3年ぶりのツアー優勝につなげた。
もともとショットには定評があった岡山が、不安のあったパッティングに自信をつけた。「今後はグリーンの速さにどう対応するのかが課題。まだまだこれからです」と南氏。岡山が次にパターを替えたときは、さらなる上達ステップに進んだときかもしれない。
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