洪水による被害を減らすための「治水工事」は人びとの生活や生命を守るうえで極めて重要なものだ。治水工事には様々な方法があるが、その1つに河川に人工的に支流を造り、分流させるという方法がある。(イメージ写真提供:123RF)

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 洪水による被害を減らすための「治水工事」は人びとの生活や生命を守るうえで極めて重要なものだ。治水工事には様々な方法があるが、その1つに河川に人工的に支流を造り、分流させるという方法がある。

 中国遼寧省遼陽市の宏偉区に存在する「新開河」と呼ばれる河も、治水工事で人工的に造られた河川として地元住民に知られているが、中国メディアの百家号は25日、遼陽市の新開河は「なんと日本人が造った河川だった」と驚きとともに伝える記事を掲載した。

 記事は、新開河は地域住民を洪水の脅威から守る点において「今も重要な役割を担っている」と指摘。事実、その重要さゆえに1960年、1964年、1971年、1985年の各年に行われた整備を通して、現在の治水能力は「100年に一度の大洪水から地域住民を守ることができる」ほどにまで引き上げられたと紹介。

 しかし、驚くべきことに、この新開河はもともと「なんと日本人が造った河だった」と説明。1935年当時、この地域には日本人居住区が存在したというが、河川の増水期に日本人居住区に非常に深刻な洪水被害が生じたため、1940年に日本人が治水工事として造った人工河川がすなわち新開河であると紹介した。

 そして、現在の地域住民は日本人が過去に造った河川から大きな恩恵を受けていることを強調し、中国人にとって戦争時代の傷跡ともいえる人工河川が、現在の地域住民の生活に欠かせない大切な役割を担っていることに対して複雑な思いをにじませた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)