木付琳さんと佐藤佑香さん

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、2月22日に華燭(かしょく)の典を挙げた、実業団ランナーの木付琳(きつきりん)さん(26)と会社員の佐藤佑香さん(30)だ。

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SNSでやりとり

 交際までに時間はかかったが、結婚へは一直線。披露宴の席で多くの人に祝福されたことがこの上なくうれしかったという。

木付琳さんと佐藤佑香さん

 琳さんは元乃木坂46の衛藤美彩さんの実弟。國學院大では2020年から3年連続で箱根駅伝に出場した。

 22年11月3日、福岡で行われた全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の九州予選会「九州実業団毎日駅伝」に実業団混成チームCの1区走者で出場。当時福岡在住だった佑香さんは「元々駅伝好き」で琳さんのファン。当日は琳さんの名前入りのうちわを掲げ、沿道から声援を送っていた。

 レース後、母と共に琳さんを訪ねた彼女。「同じ大学出身で応援してます」と告げるにとどまったが、母が積極的に「一緒に写真を」と娘とのツーショットをお願いした。彼は「同年代ぐらいの人に声をかけられることは多くなかったので新鮮だった」と振り返る。

 翌月の熊本のレースも彼女は応援した。終了後にまた話し、サインももらった。琳さんは同窓の彼女に親近感を覚え、「かわいらしく話しやすい」と好意を抱くように。やがてSNSでやりとりが始まった。

「答えが欲しい」

 23年3月、パスタ店で初デート。だがすぐに交際が始まったわけではない。

「どんな人かを探り探りしている期間が長かった」

 と、彼は理由を明かす。

 その後、食事や遊びに出かけることが多くなる中、彼女は二人の関係に「答えが欲しい」との思いが募り、彼に何度か伝えたことも。だが当時、社会人2年目の琳さんは「結婚も深く考えてなかったし、(佑香さんが年上で)付き合うと責任もあるので慎重になり過ぎていた」そうで、尋ねられるたびに「ちょっと待ってほしい」「少し考えたい」と言うばかりだった。

 彼が心を決めたのが12月29日。食事の帰りに彼女の車の中で「僕も大好きだから付き合ってほしい」。駐車場だったからよかったが、運転席の彼女の瞳は前が見えなくなるほど涙に濡れた。

 当時、九電工所属の琳さんは寮住まい。月に2度、彼女の実家に泊まるようになり、自然に父母とも打ち解け、二人の仲の進展もいきおい加速していった。

オーシャンビューのテラス席で……

 24年9月22日、糸島の海岸沿いのレストラン。オーシャンビューのテラス席で横並びに座り、海を眺めていた二人。「向こうが奇麗だね」と彼が盛んに指さす先を眺めていると、突然佑香さんの目の前に婚約指輪が。一瞬見て目をそらした彼女に「見てほしい」と彼が促すが、「見られない」と彼女。ようやく指輪を直視した佑香さんに「結婚してほしい。これから二人で一緒に頑張っていこう」と琳さん。彼女も「よろしくお願いします」。その日に彼女の実家に泊まる予定だった琳さんはどう報告したものか緊張したが、佑香さんが自宅に着くや否や「見て〜。プロポーズしてもらった〜」。

 両親に祝福され、琳さんの思いは杞憂に終わり、24年の「いい夫婦の日」(11月22日)に入籍した。

アスリート夫のために手料理を

 琳さんは25年2月末で九電工を退社し、東京を本拠地とするMABPマーヴェリックに移籍。教員だった佑香さんは3月末の離任式を終えたその日に東京へ。当日は合宿中で彼は不在だったがようやく同居が始まった。駅伝のオフシーズンに当たる今年2月に念願の披露宴。陸上関係者や旧友ら100人ほどが祝った。

 実家ではあまり料理をしていなかった佑香さんだが、アスリートの夫を気遣い、鉄分の多い小松菜やアサリ、肉の赤身といった具材を使った料理を振る舞う。「出社前に料理をする時間も楽しい」と彼女。「何でも話し合える関係をずっと」と約束し合い、「自宅が二人にとっての温かい居場所になるように」と誓っている。

「週刊新潮」2026年4月16日号 掲載