世界遺産薬師寺に、日本国内外から高いレベルの約70台が集結!『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2026』は見応えあり
世界有数のコンクール・デレガンスへ
世界遺産、法相宗大本山・薬師寺(奈良県奈良市)において、日本で唯一のコンクールデレガンスである『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2026』が4月11日から12日にかけて開催された。ベストオブショーは、『ロールス・ロイス・ファントムIエクスペリメンタルトルペードbyジャービス』が受賞している。
【画像】世界遺産薬師寺に約70台の名車が集結!『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2026』 全26枚
『コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ』(イタリア)、『ペブルビーチ・コンクール・デレガンス』(アメリカ)のふたつは、世界最高峰のコンクール・デレガンスといわれている。その格式あるコンクール・デレガンスを日本でもと挑戦しているのが、コンコルソ・デレガンツァ・ジャパンだ。当然エントリーにおいても厳密な審査が行われ、高いレベルの出展車両が今回も薬師寺に70台ほど集った。

今回も薬師寺に70台ほどが集った『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2026』。 内田千鶴子
特に今年は創業100周年を迎えた『カロッツェリア・トゥーリング』と、1927年に初開催された『ミッレ・ミリア』が来年100周年を迎えることから、このふたつをフィーチャー。どちらも見応えのあるクルマたちが集まった。
カロッツェリア・トゥーリングでは、1937年にその手法を確立したスーパーレッジェーラ工法により、イタリアだけでなく、イギリスのアストン マーティンやジェンセンといったメーカーからのオーダーも受けたこともあり、国をまたいだ様々なメーカーのクルマたちを見ることができた。どちらかというと大型GTが多い傾向にあるカロッツェリア・トゥーリングなので、いずれの国のクルマであってもエレガントさや上質さを醸し出していた。
このスーパーレッジェーラ工法とは、軽量アルミニウムで鋼管フレームを覆うことで剛性を補強する手法で、軽量化に大いに貢献。一方で、手間暇がかかることから高額になる傾向となり、そこも大型GTカーに選ばれる傾向にあったようだ。
バルケッタをはじめとした可愛い『虫』たち
一方のミッレ・ミリアのクルマたちに目を向けると、バルケッタをはじめとした可愛い『虫』たちが多く目についた。
特にイタリアから『ザヌッシー・フィアット500スポルト』という珍しいクルマが来日。日本からも『フィアット1100S MM Gobbone』や、『O.S.C.A MT4 1100』、女性初のF1レーサー、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスが実際に駆った『ジャウル750S』などが登場し、観客の目を楽しませていた。

審査中の風景。左からふたり目はカロッツェリア・ザガートの原田則彦氏。 内田俊一
そのほかのクラスでも、戦前では『ベントレー4 4/1リッターハイビジョンサルーンbyH.J.マリナー』や、『S.S.ジャガー3 1/2リッター』などをはじめとした、見ごたえのあるクルマたちが並んだ。
また、近年のクルマたちでいえば、まさに日本を代表する『レクサスLFA』や、『ホンダNSXタイプSゼロ』、そしてまさに日本だからこその『フェラーリJ50』なども出展。多岐にわたるクルマたちに、来場者は好みのクルマの前に移動し、じっくりと見学する姿が多く見られた。
ベストオブショーはロールス・ロイス
このコンクールの大きなポイントは、薬師寺閉館後にガラディナーやランウェイが行われることと、翌朝のマジックアワーとともに薬師寺の五重塔とクラシックカーやヒストリックカーたちの共演を見られることだ。
実は昨年も同様の企画だったのだが、冷たい雨にたたられ、楽しむどころか凍えてしまうという残念な状況だった。しかし今年は快晴に恵まれ、気持ちのいい夜風の元でランウェイを楽しみ、翌朝は日の出をじっくりと拝むことができるという、まさに、日本ならではのコンクール・デレガンスとなった。

ベストオブショーに輝いたロールス・ロイス・ファントムIエクスペリメンタルトルペードby ジャービス。 内田俊一
海外からはエントリーだけでなく、審査員もカロッツェリア・ザガートの原田則彦氏をはじめ、FIVA&ASI会長のアルベルト・スクロ氏なども来日し厳正な審査が行われた。顧問&審査委員長は元日産のチーフクリエイティブオフィサー、中村史郎氏が務めている。
その結果、ベストオブショーはロールス・ロイス・ファントムIエクスペリメンタルトルペードbyジャービスが受賞。ファントムIのラダーフレームをベースに車高を下げチューニングエンジンを搭載されたプロトタイプ4台のうちの1台で、17EX(EXはロールス・ロイスではプロトタイプを意味する)という車体番号が与えられている。
このクルマはオーナーが複数回変わっているものの、最初はジャンムー・カシミール大君ハリ・シン・バハドゥールに売却されたことが記録されている。
このように、日本だけでなく海外からもエントリーされるコンクール・デレガンスは国内唯一といっていい。ぜひ今後も継続し、その地位を確立してもらいたい。主催者側も、来年も開催する予定とした。
