地下の給油タンクを指し「供給ペースは半分ほどになる」と話す木下専務(9日、石川県七尾市で)

写真拡大

 中東情勢の悪化で、石川県内にも影響が広がっている。

 日本銀行金沢支店の調査では、北陸3県の企業107社(製造業76社、非製造業31社)のうち「すでに悪影響が出ている」と回答したのは22社、「今後悪影響が出ると懸念する」のは78社に及んだ。米国とイランが2週間の停戦に合意したが、情勢は不透明で、県内の経済への影響は今後更に顕在化する見通しだ。(荒牧尚志)

 七尾市のバス会社「丸一観光」では、1か月ほど前から、敷地内に設置する専用給油所に燃料が届かなくなった。価格高騰の懸念から、ガソリンスタンドなどに優先的に供給されている影響という。現在は一般車と同様にガソリンスタンドで給油しながら営業を続けている。

 10日頃には燃料の供給が再開される予定だが、ペースは半減する見通しで、木下恒喜専務(35)は「ドライバーの負担は依然として大きい。海外からの旅行者の減少も懸念され、経営面でも不安はぬぐえない」と話した。

 津幡町の温泉施設「ウェルピア倉見」は今月初旬、二つの業者から「重油の供給ができなくなる」と伝えられた。15日からの臨時休館を決めたが、7日午前に供給のめどがたったと伝えられ、なんとか営業を続けられる見通しとなったという。吉田二郎所長(63)は「情勢は不透明なままなので、また燃料不足にならないことを祈るばかりだ」と話した。

 小松市の間仕切りメーカー「コマニー」は2日、原油由来の「ナフサ」を原料とする石油化学製品の調達環境が不安定になっていると発表した。購入量を制限する仕入れ先もあり、ナフサ以外の原料へ切り替えられるか調査を進めているという。液晶モニターの製造、販売を手がける白山市の「EIZO」はサウジアラビア子会社からホルムズ海峡を通る輸送ルートを使用しており、ルートの見直しを検討中だ。

 日銀金沢支店の調査は3月12〜26日に行われ、繊維、電気機械、卸売、建設、電気・ガスなど幅広い業種が回答した。経営への影響は1〜3か月後に顕在化すると考える企業が大半という。

 中東情勢の悪化を受け、北国銀行(金沢市)は3月23日に相談窓口を設置。7日までに7件の問い合わせがあり、返済期限を延ばすなど事例に応じて柔軟に対応するという。