荒木佐保里(SAO)

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 ある日突然自分のSNSが世界中で“バズったら、人生はどう変わるのだろうか? 今回話を聞いたのは、まさにその渦中にいる日本人OL・SAOこと荒木佐保里さんだ。

(関連:【画像】世界でバズり中の日本人OL「荒木佐保里(SAO)」

 SAOさんは会社員として働きながら、モデル・女優などとしても活動中。そんな彼女に大きな転機が訪れたのは7月25日のこと。Xで海外のユーザーが佐保里さんの写真を引用した投稿をしたところ、大きな反響を呼び、本人のフォロワーも1週間で30万人を超える事態となった。

 いつ誰がバズってもおかしくない時代ではあるものの、本当にその瞬間は前触れなく起こる。今回は佐保里さん本人に話を聞く機会を得たため、突如世界でバズった背景、そして“バズったあと”に見える景色についてインタビューを行なった。(はるまきもえ)

■大バズりした日本人女性・SAOさんとは?

ーー今日(2025年8月7日)でバズってからちょうど2週間が経過したところですが、Xのフォロワーも35万人を突破し、ものすごい反響が続いていますね。

SAO:そうですね、ちょうど2週間前の7月25日に投稿したポストがバズったのですが、最初は1000いいねくらいの反応だったんです。

ーーそれがいまや26万いいね、8000万インプレッションと……。桁違いの伸び方をしています。

SAO:1000いいねくらいだったら「まああるかな」、くらいに感じていたのですが、海外のユーザーにも広がるようになってからは1000いいねどころではなくなってきて……。

ーー最初は国内でバズっていたと思うのですが、どのタイミングで海外にも広がっていったのでしょうか。

SAO:7月28日の深夜4時ごろに海外の方から「あなたの投稿がバズっているよ」というメッセージが来たんです。翌日のお昼ごろには、海外で私の画像をミーム化したポストがちらほら出てきて、そこからどんどんいいねとフォロワーが増えていった、という感じです。

ーーSAOさんから見て、数字はどのように増えていったのでしょうか?

佐保里:投稿した翌日は5~6万いいね、2日後で10万いいね、4日後には20万いいねという感じで、伸びていったと思います。

ーー聞けば聞くほど桁違いの伸び方ですね……(笑)。改めて佐保里さん自身についてもお伺いしたいのですが、現在はどういったお仕事をしているのでしょうか?

SAO:私はいま週5日で会社勤めをしながら、フリーで広告モデルや俳優業をしています。大学を卒業してから会社に勤めていたのですが、アイドルになりたくて一度退職し、今年の2月末までアイドル活動をしていました。そこからまた会社員に戻って、現在に至ります。

ーー会社員と芸能活動を並行している状態なんですね。

SAO:そうですね。あと、アイドル活動は高校生のときからしていました。Xのアカウントはそのころから使っているもので、最初は全然動かしていなかったんです。フォロワーは300人ほどいたのですが、全然投稿はしていなくて。

ーーいまはXのほかにも、TikTokやInstagramなどでも発信されているようですが、SNSはいつから動かし始めたのでしょうか?

SAO:コロナ禍のときですね。そのタイミングでSNSを通していろいろ発信するようになって、インフルエンサー活動も始めました。

ーーなるほど。ちなみに、バズったポストの画像はどういう状況で撮影したものなのでしょうか?

SAO:撮影したのは1年前で、企業さんの広告モデルをしているときのオフショットなんです。少しややこしいのですが、私自身のOL姿ではなく、モデルのお仕事の写真なんですよね。

■イーロン・マスクも反応……まるでパラレルワールド?

ーー改めて今回のバズの規模はすごいものですが、率直にどう感じていますか?

SAO:正直、まったく実感がないです。数字はたしかに凄いことになっているのですが、街を歩いていても声をかけられることもないですし、いま働かせていただいている会社の方にも気付かれていないんです(笑)。

ーーそうなんですか!?

SAO:そうなんです(笑)。だから、なんだかパラレルワールドの世界の出来事のように感じていて……。でも、友人からは少しずつ反応が来てますね。スクショとともに「さおりんが流れてきたよ」ってメッセージが来たりして。

ーーそれは不思議な感覚ですね。たくさんの人に知られて、怖いなという気持ちはありますか?

SAO:意外と怖さはそこまでなくて。むしろ嬉しいというか、運が良かったなと思います。もともとアイドルをやっていたのもあって、露出が増えるのはプラスのイメージしかないんです。でもやっぱり数字をリアルに感じることがなかなかできなくて、1万いいねが20万いいねになっても、感覚的にはあまり変わらないんですよね。

ーーなるほど。ちなみに、バズった人が「怖い」と感じる要因のひとつに“アンチコメント”というのがあると思うのですが、佐保里さんのもとに届いているリプライには、そもそも日本語がほぼないですよね……?

SAO:それもあるかもしれません。リプライは翻訳しないと読めないものが多いので、なんとなくポジティブなことを書いているものだけを拾って読んでいます(笑)。こういったバズり方だったことは、メンタル的にすごくラッキーだったなと思いますね。

ーー今回のバズについて詳しく聞いていきたいのですが、画像1枚と「おはよう」というテキストの組み合わせという、至ってシンプルなポストでしたね。

SAO:アイドル時代から、「おはよう」投稿はほぼ毎日していたんです。ファンの方から「おはようbotじゃん」と言われるくらい、毎日投稿していました(笑)。

ーーなぜそのスタイルを続けていたのでしょうか?

SAO:これは私の経験でしかないのですが、一番いいねがつきやすいのは、早朝の投稿なんです。時間帯的に通勤・通学中の方が見てくれやすいので。あと、長い文章は朝から読むのは大変なので、「おはよう」という挨拶だけにしていました。それなら、「おはよう」と見ている人も挨拶を返しやすいかなと。

ーーなるほど。その後、さらに例のポストが拡散したタイミングがあったと思うのですが、そのひとつにハリウッド女優の方との比較画像のポストがありましたよね。

SAO:最初は、ハリウッド女優の方と比べられるなんて……と戸惑っていました。しかも、70%も支持されていることにも驚きました。そういった不安はあったのですが、でも私というよりは、日本人女性を支持してくれる方が多いんだな、というのが発見でしたね。おそらく日本のアニメやドラマの文脈もあるのかなと思うんですけど、日本人OLという存在が、世界でプラスなイメージであることはすごく良かったなと思います。

ーーたしかに、実際に会社の広告モデルをしていたときの写真で、よりフォーマルなOLの格好をしていたというのもあるかもしれませんね。

SAO:いわゆるよくアニメに出てくるような、「ザ・OL」という雰囲気だったのかもしれません。支持してくれたユーザーは、アイコン的に捉えてくれたんだと思っています。

ーーほかにも、少し前にネットでバズった“可愛すぎるカフェ店員”の方との画像もポストされて反響を呼んでいましたね。

SAO:そうですね、これは私の予想でしかないのですが、ミーム化された代表同士という感じで取り上げられたのかなと思っています(笑)。

ーーそしてポストから6日後、ついにイーロン・マスク氏にも取り上げられました。

SAO:これは本当に驚きました……! 触れ方としては私に直接というよりも、私の画像を使ったGrokの機能に言及したという流れですが、それでもイーロン・マスクさんは2億人以上のフォロワーがいらっしゃるので、そんな方に拡散されたことが嬉しかったですし、「イーロン・マスクさんが私の顔を見た」という事実が、もうなんか異世界の話みたいで(笑)。本当に嬉しかったです。

■世界でバズったあとの景色とは

ーーコメントを見る限り英語圏のユーザーからの反応が多いのかな、と思うのですが、実際はどうなのでしょうか?

SAO:圧倒的にアメリカのユーザーが多い、というわけでもないんですよね。アメリカのユーザーが15~6%と少なくないのですが、次いでメキシコ、東南アジアのユーザーからも反応をいただいています。60か国で約1%ずつのユーザーに反応してもらっています。

ーー世界各国満遍なく、バズっているという感じなのですね。ちなみに、バズってからは、どんな方にフォローされるようになりましたか?

SAO:一番驚いたのは、やっぱりヒカキンさんからフォローいただいたことですね。あと友人が、何十万人もフォロワーがいる方にフォローされていることを教えてくれたのですが、もうバズりすぎてなかなか気づけなくて……。教えていただかないと、どんな著名な方がフォローしてくださっているのかわからないんです。

ーーほかのSNSにも、反響はありましたか?

SAO:Xでバズった翌日にインスタグラムでも同じ画像を投稿したのですが、1000万ビュー、フォロワーも20万人ほど増えました。

 TikTokも再生数は増えたのですが、実はなりすましのアカウントがいくつかできてしまって……。しかも、私よりバズらせるのが上手なんです(笑)。最初は私よりもフォロワーが多くて、「ヤバい!」と思って、負けてられないなと。それから1日3回以上投稿するようにして、かなり力を入れるようになりました。

ーーバズるとそういったことも起こるんですね(笑)。ちなみになぜ、なりすましアカウントはバズらせるのが上手いと感じたのですか?

SAO:私のXがピークでバズっている2日目~5日目のあいだに、20件以上動画を投稿していて。それを見て「あー私もそのタイミングで上げたら良かった!」と思いました。上手く使われてしまいましたね。

ーー改めて一連の流れについてお伺いさせていただきましたが、バズったあとは、SNSに何を投稿したらいいのか悩んだりしませんでしたか?

SAO:バズった次の投稿は一番悩みました。Xにもポストしたのですが、次に投稿したものがもうバズらなかったら怖いなと思って、写真選びに30分くらいかけて投稿しました(笑)。でも次の日も意外とちゃんとバズってくれたので、「もう何を投稿しても大丈夫かも」と思い、そこからは何も怖くなくなりましたね。いまはとにかく盛れてる写真をどんどん投稿しています(笑)。

ーーバズった日以降も、ほとんどの投稿が万バズを超えていますよね。

SAO:写真を投稿して1万いいねにいかなかったら、「ちょっとヤバいかも」と思うようになってしまいました(笑)。今回のバズを機に、SNSの精度は上げ続けていかないとな、と思っています。

ーー今後の活動スタイルについては、どのように考えていますか?

SAO:いま働かせていただいている会社が、芸能活動との両立をすごく考えてくれてる会社なので、これからも変わらずOLをしながら芸能活動を続けていこうと思っています。ただ、以前アメリカに半年間留学していたこともあり、もともと海外には興味があるんです。海外の取材も少しずつ増え始めているので、いつかは海外のお仕事もできたらいいなと思っています。可能性があれば、いろんなことにチャレンジしていきたいです!

(文=はるまきもえ)