話題のグローグーに特別インタビュー 『スター・ウォーズ』最新作 監督&主演が影響を受けた日本文化
『スター・ウォーズ』最新作のジョン・ファヴロー監督、主演のペドロ・パスカルさん、そして人気キャラクターのグローグーにインタビュー。グローグーが日本で食べたいものを教えてくれました。
約7年ぶりとなる劇場最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(公開中)。伝説の賞金稼ぎであるマンダロリアン(ディン・ジャリン)と強大なフォースを秘めたグローグーが帝国の復活を阻止するためのミッションに挑む物語です。
今回、来日したジョン・ファヴロー監督と主演のペドロ・パスカルさんに、シリーズの大ファンである日本テレビの瀧口麻衣アナウンサーがインタビューしました。
■主演ペドロ・パスカル「かつて僕が憧れたように今の子どもたちの良い思い出になれたら」

――約7年ぶりに『スター・ウォーズ』が映画館に帰ってきます。大スクリーンで公開されることへの思いを聞かせてください
ジョン・ファヴロー:スター・ウォーズファンとしても映画を監督させてもらえて光栄でした。8年間手がけてきたドラマシリーズとは違い、本作は制作過程も異なるIMAXで撮影しました。
ペドロ・パスカル:幼いころ『スター・ウォーズ』を映画館に見に行きました。初期3部作を見たのが、子どものころの楽しかった思い出です。今こうして自分がスター・ウォーズの一部になれたこと、しかも8年もジョンと一緒にストーリーとキャラクターの創作に携われて大きな夢がかないました。かつて僕が憧れたように今の子どもたちの良い思い出になれたらいいですね。
――マンダロリアンからは仮面をかぶっているにもかかわらず感情が伝わってきました。演じる上で大切にしてきたことは何ですか?
ペドロ・パスカル:マンダロリアンは伝統的に様々な人が携わって作り上げてきたキャラクターです。俳優のブレンダン・ウェインと映画2作品を一緒にやったラティーフ・クラウダー、この3人で身体表現を作ってきたんです。僕もヘルメットとスーツを着たまま、姿勢や動作で感情表現する方法を研究しました。
そしてジョンは常に声の演技について細かく指示をしてくれました。初期段階から撮影後に至るまでの制作プロセスにずっと関わらせてくれて光栄でした。
歌舞伎の身体表現を意識したこともあります。演劇学校時代に歌舞伎について少しだけ勉強しました。全身を隠すというキャラクターを演じることが決まったとき、演劇学校の授業を思い出してリサーチして動作のヒントを得ていました。
■ジョン・ファヴロー監督「『子連れ狼』は大きなインスピレーションとなりました」

――参考にした日本作品があると聞きました。どの作品のどんなところを参考にしたのでしょうか?
ジョン・ファヴロー:スター・ウォーズの生みの親ジョージ・ルーカスは日本映画を若い世代に伝えた人物でもあります。黒澤明作品は私が若いころでも上の世代の作品でしたが、黒澤作品の影響があまりに大きかったため、私の世代は黒澤映画のファンにもなりました。ルーカス作品の研究のために『隠し砦の三悪人』などを見たからです。
映画制作のパートナーであるデイヴ・フィローニも日本映画の大ファンです。『マンダロリアン』を撮ることになって私たちは改めて『用心棒』を含めた黒澤映画を見直しました。ペドロも巻き込んで映画表現を研究したのです。当初はドラマシリーズだったため黒澤監督が得意としていた1人の人物の足取りをたどる形式をとりました。1人の視点から大冒険を描く方式は『隠し砦の三悪人』からも明らかです。
そしてもちろん(黒澤作品以外にも)『子連れ狼』は大きなインスピレーションとなりました。挿絵付きの本から映画まで参考にしました。戦士と子どもの関係を描写するからです。(ドラマシリーズで)ルーク・スカイウォーカーがグローグーにライトセーバーかアーマーか選択を迫るシーンは『子連れ狼』で子どもに鞠(まり)か刀かの選択を迫るシーンを思い起こさせます。
――今挙げられた中で、特にここが一番参考にしているという部分はありますか?
ジョン・ファヴロー:黒澤監督のストーリーテリング、構成、天候の生かし方、風の使い方、コマ割り全てに影響を受けています。(劇中のセリフで)「我らの道」と言いますが“武士道”こそ戦士の道なのです。脚本、映像、演技あらゆるものからインスピレーションを得ているのです。
ペドロ・パスカル:日本映画に影響を受けた作品の公開を記念して、こうして東京にいることがうれしいです。本作に出演したことで日本映画を見るようになりました。まずジョンに『用心棒』をすすめられました。今まで見たことがなかったんです。
こうして長年一緒に仕事をしてきてハリウッド映画だけではなく世界中の映画を愛するようになりました。映画への愛が本作には込められています。公開記念で世界を回る上で、最終地点の東京を訪れることは光栄です。
■ジョン・ファヴロー「物語の中心は家族や人間関係です」

――実は私、『なぎなた』という武道をやっておりまして“武士道”というものにひかれていました。スター・ウォーズ作品の中で“武士道”はどのような存在ですか?
ジョン・ファヴロー:ジョージ・ルーカスが作ったスター・ウォーズの世界観は世界中のあらゆる文化にインスピレーションを得ています。初期作品でもダース・ベイダーは日本の侍のよろいや武器から影響を受けているのが明らかです。(『荒野の用心棒』などの)セルジオ・レオーネ監督も黒澤監督や三船敏郎の映画に影響を受けていると思います。私たちの世代が影響を受けた西部劇も日本映画の影響を受けているのです。
マンダロリアンたちにも武士道のような信念があり厳格な掟(おきて)と信念にのっとって生きています。彼らの着ているアーマーだけではなく生き方そのものが物語なんです。アーマーは騎士道精神や揺るぎない戦士の掟を象徴します。そういった点にインスピレーションを得ています。
――マンダロリアン(ディン・ジャリン)とグローグーは疑似的な親子関係でもありますが、2人の関係性について監督はどう考えていますか?
ジョン・ファヴロー:2人の関係は本作のメインストーリーです。ブラスターや宇宙船が飛び交う大冒険ですが、物語の中心は家族や人間関係です。成長していく息子に戦うすべを教える父という親子の物語ですから。グローグーは何百年も生きますが、マンダロリアンは100歳も生きません。だから自分がいなくなっても大丈夫なようにグローグーに身の守り方やマンダロリアンの掟を教えているのです。
■グローグーがインタビューに登場 日本で食べたいものは…

そのインタビューの途中でジョン・ファヴロー監督が「もう1人キャストを紹介させてください」と席を立つと連れてきたのはグローグー。お辞儀をするなど日本ならではの挨拶をしてくれました。
――グローグー、日本に来て楽しみにしていることは何ですか?
グローグー:(手を広げてアピール)
ペドロ・パスカル:食べ物だよ
――どんな食べ物が気になってますか?
グローグー:(何かをパクパクする様子)
ジョン・ファヴロー:彼はしゃべれないけど、私は彼の好きなものを知っているよ。何が食べたい?
グローグー:(ジョン・ファヴロー監督に何かを伝える)
ジョン・ファヴロー:たい焼きが好きみたいだ!
■ジョン・ファヴロー&ペドロ・パスカルが楽しみなこと

――お2人は日本で楽しみなことはありますか?
ジョン・ファヴロー:旅行して観光することも大好きですが、一番の楽しみは食べることと買い物です。日本に来ること自体が大好きです。とても落ち着きます。
プロモーションツアーの最終地点が東京なのがうれしいです。いつも歓迎してくれますから。みなさんが丁寧で親切で温かくて、東京でゴールできるなんて最高です。世界中を何週間も旅してきて、最後にここ東京で公開を迎えるのを楽しみにしていました。
ペドロ・パスカル:食べること(が一番楽しみです)。おすしも大好きですが、食べたことがないものにも挑戦したいです。北米じゃ食べられないものがいいですね。ジョンと同じく日本に来て、日本人のみなさんとお会いして、見て回るだけで楽しいです。家に帰る前に羽を伸ばそうと思います。本当に素晴らしい都市です。