最低賃金1026円も全国で下から4番目…人件費増すなか倒産企業はリーマンショック後最多の見通し
全国の最低賃金の改定額が出揃い、全ての都道府県で初めて1000円を超える結果になりました。県内も過去最大の上げ幅となりましたが、全国で見ると4番目に低くなっています。一方、県内では企業の倒産件数がリーマンショック後、最も多くなる見通しで人件費の増加が厳しい経営に追い打ちをかけそうです。
(山下香織アナウンサー)
「改定により全ての都道府県の最低賃金が1000円を超えました。鹿児島も1026円となりますが全国で見ると4番目に低い金額です。街の皆さんはどう受け止めているのでしょうか」
「(時給聞いてもいいですか?)990円だったと思う(鹿児島は1026円になります)え!高!1000円超えてくれたらうれしい」
県内の最低賃金は現在の953円から73円引き上げられ11月から1026円になります。過去最大の上げ幅ですが、こんな声も。
(7月にパートから社員に)
「(この金額どう思う?)安いですよね。九州で見ると1100円超えるところないですもんね。1200円ぐらいはほしい」
(コンビニアルバイト)
「(全国の最低賃金はこんな感じですけど)神奈川とか高!1225円。(200円ぐらい違います)おかしいですね」
地域間格差が気になるという声も。最低賃金が比較的低い地域では80円前後の引き上げを決めた県もあります。
(看護補助アルバイト)
「おかしとかスイーツとか好きだけどすごく高くなっているので買いたくても個数減らしたりとか(時給が上がったらお菓子買いやすい?)ですね」
物価高が続くなか最低賃金の引き上げに歓迎の声が聞かれる一方、経営者側からは苦渋の声も。
30年以上天文館で営業するとんかつ店。2024年10人ほどいるアルバイト従業員の時給を上げたといいます。
(味の六白・植村信代表)
「天文館って最低賃金じゃ募集掛けても来ない感じ応募が(例えば1000円切ると)天文館の飲食店は来ないと思う」
食材や光熱費の値上げも続くものの、大幅な価格転嫁は難しいと言います。
(味の六白・植村信代表)
「4月に上げさせてもらったけどやっぱり大幅には上げられないので、まさか人件費まで上がるとは思ってもないし。でも働く人がいないとお店回らないのでそこは仕方ない」
東京商工リサーチは9日、8月の県内企業の倒産状況を発表しました。8月倒産したのは印刷業や塗料の卸売業など8件。
2025年の倒産件数は60件となり、すでに2024年1年間の件数と並んでいます。破産申請の準備に入っている企業も4社あり、今後も倒産の件数は増える見通しです。
こちらはリーマンショックが起きた2008年以降の県内の企業の倒産件数の推移を示しています。2009年以降80件未満で推移してきましたが、2025年は高い水準で倒産が相次いでいてリーマンショック後、最も多くなる見通しです。
主な原因は販売の不振で、新型コロナウイルスの影響も尾を引いています。
厳しい状況が続く中での最低賃金の引き上げ。
年収の壁を意識するパートやアルバイトなどが労働時間を減らすことによる人手不足も懸念されます。
(東京商工リサーチ鹿児島支店情報部・谷口大将さん)
「時給が上がると働ける時間が少なくなる。企業としても労働時間の確保ができなくなると、人を入れないといけない。最低賃金で勝負していても人が来ないよねとなると、企業はまた時給を上乗せしないといけない。こうなると何重もの意味で人件費負担が重なってくる」
しかし、地方の中小企業が人件費の引き上げ競争に応じる体力には限界があります。一方でより高い給料を求める人材の県外への流出も深刻です。
国は9月5日から一定額以上の賃上げを行い、生産性の向上につながる設備投資などを行った中小企業に費用の一部を支援する「業務改善助成金」について対象を拡大しました。
最低賃金の引き上げが県民の豊かな生活につながるよう、政府や自治体による迅速な環境の整備が必要です。

