日産「新型エクストレイル」に「スポーツモデル“NISMO”」新設定! 超“精悍”ボディ&俊敏さもアップ! SUVに「レース技術」融合でどんな“科学反応”を起こしたのか?

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マイチェンでライバルのトヨタ「RAV4」&「ハリアー」へ挑むさらなる“意欲作”に!

 日産は2025年8月21日、「エクストレイル」のマイナーチェンジを実施するとともに、新たなラインナップとして「エクストレイル NISMO(ニスモ)」を追加しました。発売は9月24日の予定です。

 電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」を専用チューニングしたほか、独自の内外装などでベース車とは大きく装いも変えています。

【画像】超カッコいい! これが日産「新型X-TRAIL」に追加された“NISMO”です! 画像で見る(30枚以上)

 そんな新型エクストレイル NISMOの特徴について、詳しく解説します。

他とはひと味違う! 新型「エクストレイル NISMO」はどのようなクルマなのか!?

 マイナーチェンジした日産の新型エクストレイルですが、その大きなポイントのひとつが“バリエーションの拡大”。

 ズバリ、ラインナップの方向性が広がっているのです。

 従来のエクストレイルは「標準タイプ」に加えて上級仕様の「AUTECH(オーテック)」とワイルド仕立ての「エクストリーマーX」の3本立てでした。

 それが新型では、標準仕様とAUTECHはそのままに、よりワイルドな雰囲気を強調した「ロッククリーク」が新たに登場。

 さらにスポーティ仕様の「NISMO(ニスモ)」や、AUTECHの上質感はそのままに走行性能を高めた「AUTECH SPORTS SPEC」まで追加されたのです。バリエーションも、キャラの幅も、一気に広がりましたね。

 選択肢が広がるのは、新型エクストレイルを買おうという人にとって嬉しいことです。

 ただ、一見するとそれぞれのキャラクターはわかりにくいかもしれません。

 そんなときは、トヨタのライバルSUVでイメージすると理解しやすいかも。

 エクストレイル標準車が「普通のRAV4」だとすると、タフさを演出したロッククリークRAV4の「アドベンチャー」に相当。

 初登場のNISMOは(現行RAV4にはないけど次期型にはある)「GR SPORT」だと捉えればいいでしょう。

マイナーチェンジした日産の新型「エクストレイル」シリーズ[(左から)NISMO/ROCK CREEK/G e-4ORCE/AUTECH SPORTS SPEC]

 そのうえでAUTECHは、RAV4とはボディが違うけど、兄弟で都会的かつラグジュアリー仕立ての「ハリアー」のポジションだと思えばわかりやすく感じます。

 その走りを磨いた新設定のAUTECH SPORTS SPECは、(現行車にはないけど)ハリアーの「GR SPORT」に相当するというわけです。

 こうして俯瞰して眺めると、新型エクストレイルは点ではなく面でのラインナップが大幅に強化され、スポーティ派からラグジュアリー派まで満たせる「盤石の態勢」に進化したということが分かりますね(もっとも、RAV4+ハリアー連合軍もさすがだけど)。

新設定の「エクストレイル NISMO」はどんなクルマ!?

 さて、今回注目するのは新たに追加された“NISMO”。

 NISMOとは日産のモータースポーツ活動を支えるブランドであると同時に、「ロードカー」として走りを磨いてスポーティかつ上質な仕立てとした市販モデルも用意しています。

モータースポーツのノウハウを生かした空力パーツであるとともに「エクストレイル」の優れた悪路走破性をも犠牲にしない「フロントバンパーロアフィニッシャー」

 実はNISMOロードカーには2つの方向性があり、ひとつは「Z NISMO」と「GT-R NISMO」で展開する本格サーキット仕様。

 もうひとつは「スカイラインNISMO」「オーラNISMO」そして「アリアNISMO」など、“GT-RとZ以外”です。

 スポーティ仕立てながら、乗り心地や快適性など「乗り味の質」を高めてグランドツーリングまで視野に入れた仕様となっています。

 今回エクストレイルに追加されたNISMOは、もちろん後者。

 カスタマイズとしては、まず外観では、ボディ下部を引き締めてレーシーな雰囲気となるエクステリアパーツでカスタマイズ。

 加えて、赤を差し色にカーボンなども組み合わせるインテリア(レカロシートも設定)も独自の仕様に変更しました。

 そしてサスペンションやタイヤ&ホイール、さらにはパワートレインや駆動力制御などにも独自のエッセンスが注がれた“コンプリートカー”というわけです。

本格的な「NISMO専用チューニングRECAROスポーツシート」はパワーリクライニング機能やシートヒーターも装備

 まず興味深いのは、エクステリアの手法。

 これまでNISMOロードカーは例外なく専用デザインのフロントバンパーを装着していましたが、エクストレイルは新展開なのですから。

 バンパー自体はノーマルとしつつ、その下にいわゆる“リップスポイラー”(ニスモの表記だと「フロントバンパーロアフィニッシャー」)を組み合わせてスポーティな表情を引き出しているのが新しいのです。

 そしてこのリップスポイラーは、SUVとして重要なアプローチアングルへの配慮として、前方へ伸ばしていないのがポイント。

 しかしながら車体側面下に追加した「ドアロアフィニッシャー」などの働きもあり「空気抵抗は増やすことなくダウンフォースは29%向上」という実力はさすがニスモですね。

テストコース試乗でわかった「エクストレイル“NISMO”」の狙いとは

 今回はテストコース内での軽い試乗だったものの、実際に新型エクストレイル NISMOを運転してみると、「より速く」「より気持ちよく」「より安心して」という開発の狙いはしっかり伝わってきました。

 ステアリング操作に対してリニアに反応するスムーズな身のこなしに加え、旋回への移行はスススッとノーズが気持ちよくイン側へ向かっていくのが好印象。

 S字コーナーのように右から左へ、もしくは左から右へ切り返すときも嫌なロールの揺り返しがないから安心感が高いのもいいですね。

新型「エクストレイル NISMO」の開発陣は「より速く、気持ちよく、安心して走れるクルマ」を目指し、「NISMO tuned e-4ORCE」をはじめ日産初採用のカヤバ製Swing Valveなどを採用しました

 面白いのは、選んだ走行モードによってコーナーのハンドルを切る量が異なること。

 これは前後駆動力配分も変化させ、「ECO」よりも「AUTO」、そして「SPORT」ではさらに後輪へのトルク配分を増やしていることなどに起因するのですが、後者になればなるほど旋回中のハンドルを切る量が減るのです。

 そのうえで、深く曲がりこんだコーナーでは、後半にハンドルを切った状態を保持したままアクセルをグッ踏み込むとそのままのコーナリングラインを保ちつつ(ハンドルを切っている方向へ向かいつつ)グイグイ加速していく感覚が爽快。

 まるで気持ちいい後輪駆動車のような走りを味わえるのですから。

 そんな加速しながら曲がる感覚は、開発者によると「『アテーサE-TS』の曲がる感覚を求めた」とのこと。

 アテーサE-TSとは、1980年代末期に登場したBNR32型「スカイラインGT-R」などに使われた4WDシステムですが、確かに言わんとしていることは理解できます。

 新型エクストレイルNISMOはそこまで気持ちよく曲がりつつ、しっかりと前へ出ていくのですよね。それが走りの真骨頂だと筆者は感じました。

 開発者によると「SPORTモードだと、雪道ではアクセルの踏み方次第で自在に車体の向きを変えられる」というから、雪道の走りも楽しみです。

こっちも気になる! 「AUTECH SPORTS SPEC」との相違点を探る

 ところで、NISMO同様に今回追加されたAUTECH SPORTS SPECは、NISMOと同様のサスペンション(バネ&ダンパー)を組み込みつつ、内外装はAUTECH同等のラグジュアリーな仕立てとした「ドレッシー&スポーティ仕様」。

 見た目以外の面で、両者の違いはどういった点にあるのでしょうか。

マイナーチェンジで新設定された「エクストレイル NISMO」(左)と「エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」(右)の違いとは

 まずタイヤ銘柄が違います。

 どちらもミシュラン製ですが、NISMOは「パイロットスポーツEV」で、AUTECH SPORTS SPECだとプレミアム系の「プライマシー」がチョイスされます。

 またホイールのデザイン&リム幅(NISMOは8.5Jで、AUTECH SPORTS SPECだと8J)も違います。

 そして走行制御が一部異なる(AUTECH SPORTS SPECのみ前輪内側のタイヤのブレーキをつまんでアンダーステアを軽減する制御が入る)ほか、AUTECH SPORTS SPECだけにパフォーマンスダンパーも装着するなどの差があります。

 AUTECH SPORTS SPECは、スポーティな心を持ちつつも、NISMOに比べると快適性を重視した仕立てとなっているのです。

※ ※ ※

 さて、もし筆者(工藤貴宏)が新型エクストレイルを買うなら、NISMOとAUTECH SPORTS SPECのどちらを選ぶか。

 NISMOのスポーティ感みなぎる雰囲気も嫌いではありませんし、若い頃なら迷わずNISMOを選んでいたことでしょう。

 しかし歳を重ねた今なら、上質路線かつ走りの質を高めたAUTECH SPORTS SPECを選びます。あくまで好みの話でしかありませんが。

 ちなみにNISMOは、スタイリングの変更によりダウンフォースが増していることをお伝えしましたが、AUTECH SPORTS SPECはダウンフォースの向上は施されていません。なので、高速域の安定感はNISMOが勝ります。