写真:つのだよしお/アフロ

 3月22日、政府は、物価高対策を話し合う「物価・賃金・生活総合対策本部」の会合を開き、低所得世帯への現金給付など2兆円超の追加策を決定した。2022年度予算の予備費から支出する予定だ。

 およそ2兆円のうち、1兆2000億円を、自治体が裁量で使い道を決められる地方創生臨時交付金とする。うち7000億円をエネルギー高騰への対策枠とし、地方で多いLPガス利用者などを支援する。

 残り5000億円で「低所得世帯支援枠」を新たに設け、住民税非課税世帯を想定して3万円を配る。自治体の判断で、給付額を減らす代わりに支援対象を広げるなど柔軟な対応もできるようにする。

 交付金とは別に2000億円ほどの国費で、児童扶養手当を受けている低所得のひとり親世帯や住民税非課税の子育て世帯を対象に、子ども1人あたり5万円を支給する。

 また、4月の電気代から消費者が負担している賦課金を減額する。5月請求分から、標準家庭で月平均800円程度下がる見通し。このほか、病院や農業分野などへの支援も決まった。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は同日、自身のTwitterにこう書きこんだ。

《政府の追加対策が発表された。国民民主党が2/7に岸田総理に提案した
・「特別高圧」を含む電気代追加値下げ
・プロパンガスの値下げ
・「年収の壁」解消
は実現する見通しとなったが、インフレ手当一律給付が低所得者や低所得の子育て世帯への給付金に限定されたのは残念》

 国民民主党は2022年7月の参院選から、一律10万円の「インフレ手当」給付を訴えている。

「政府は、2021年3月と2022年4月、低所得の1人親世帯および住民税非課税の子育て世帯に、子ども1人あたり一律5万円の支給を決めています。また、2022年9月には、電力・ガスなどの価格高騰に対する支援として、住民税非課税世帯などに1世帯5万円の支給を決めました。

 松野博一官房長官は『物価高から国民生活や事業活動を守り抜く』と語りましたが、今回も対象が低所得世帯ばかりだったことで、支援の “対象外” となる人から、不満の声が相次いでいます」(週刊誌記者)

 実際、SNSには、

《低所得者だけ?!不公平感が出るから消費税下げてくれー。物価高は国民みんな一緒でしょ!》

《選挙前のばらまきと見られてもしょうがないよね。実際そうだろうし。一律給付のほうが良いと思うし、減税なり消費税凍結のほうが効果的だろうに》

《2兆円拠出するなら、2兆円分消費税減らして貰った方が・・・》

《非課税世帯とか低所得世帯とかじゃなく全世帯に10万でいいとおもう》

 といったツイートがあふれている。新型コロナの感染拡大を受け、国民1人一律10万円の「特別定額給付金」が支給されたのは2020年5月のこと。いまの政府に、一律給付金で国民を助けるという発想はないようだ。