最大7万人が居住できたとみられる約2000年前の地下遺跡が、トルコ南東部のマルディン県ミドヤトで発掘されました。地下に広がる広大な空間には、ローマ帝国によって迫害された初期のキリスト教徒らが住んでいた可能性があるとのことです。

Huge Underground City Discovered in southeastern Turkey

https://ftnnews.com/news-from-turkey/43832-excavations-in-cave-reveal-huge-underground-city-in-turkiye

Excavations reveal huge underground city in Turkey’s Mardin | Daily Sabah

https://www.dailysabah.com/life/history/excavations-reveal-huge-underground-city-in-turkeys-mardin

Underground city unearthed in Turkey may have been refuge for early Christians | Live Science

https://www.livescience.com/christians-hid-from-romans-in-underground-city

ミドヤト市長のVeysi Sahin氏によると、地下遺跡は2年前に行われた歴史的な通りや家屋を清掃・保存するプロジェクトの際に発見されたとのこと。最初はただの洞窟とみられていましたが、実はその洞窟がさらに広大な地下空間につながる通路だったことが判明したため、地下遺跡の全貌を明らかにするために大規模な発掘作業が開始されました。

「Matiate(マティアテ)」と名付けられた地下都市の様子は、以下の動画を見るとわかります。

Mardin Midyat'ta mağarada başlayan kazı, devasa bir yer altı şehrine doğru ilerliyor - YouTube

ミドヤトは北メソポタミアに居住していたフルリ人によって建設された町であり、古代から現代に至るまで住人の多くがキリスト教徒でした。現代でも古いキリスト教の教会や家屋が保存されているとのこと。



そんなミドヤトの地下で発見された地下遺跡の発掘作業が、マルディン博物館やトルコ文化観光省、文化財・博物館総局などの協力で進められています。



地上に近い場所でもさまざまな構造物が見つかっています。



広大な地下遺跡につながる入り口がこれ。



アーチ状になった入り口をくぐると……



発掘作業用の明かりに照らされた広大な空間が広がっていました。ミドヤトの住人の中には、以前から地下洞窟があることを知っていた人もいたようですが、これほど広大な地下都市があるとは思われていなかったとのこと。



石灰岩の通路はアリの巣のように張り巡らされ、至る所で発掘作業が行われています。



先が見通せないほど長い通路も。



内部には、ユダヤ教を象徴するダビデの星が描かれたシナゴーグと思われる空間も。ローマ時代の硬貨やオイルランプなどの遺物も発見されていることから、地下遺跡は2世紀〜3世紀頃にフルリ人によって作られたとみられています。



これまでの発掘調査により、キリスト教の教会やシナゴーグ、貯蔵庫、井戸、住居などを含む49の部屋が発見されていますが、依然として地下遺跡全体のわずか5%未満しか発掘できていないとのこと。マルディン博物館の館長で発掘責任者でもあるGani Tarkan氏は、地下遺跡全体の面積は40万平方メートルを超えると見積もっており、最大6万人〜7万人を収容できる規模だったと考えています。



地下遺跡はキリスト教徒の隠れ家または避難場所として建設されたと推測しており、Tarkan氏は「2世紀の時点ではキリスト教はローマ帝国の公式の宗教ではなく、キリスト教徒の家族や集団は迫害から逃れるために地下都市に避難するのが一般的でした。おそらくミドヤトの地下都市もこの目的のために建設された生活空間の1つだったのでしょう」と述べています。



Tarkan氏は、「これほど広大なエリアに広がる地下都市は他にありません」と述べ、ミドヤトの地下都市は世界で唯一のものだとアピールしました。