エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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投手に復帰すれば「もう1人多く投手を入れることができる」

 メジャー2年目のシーズンを終えたエンゼルス大谷翔平投手。右肘の側副靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)の影響で打者専念となった今季について、MLB公式サイトが総括。収穫、課題、そして来季への展望を期待を込めてリポートしている。

 記事では「ショウヘイ・オオタニにとって2019年シーズンはユニークなものだった」と指摘。「2018年10月1日にトミー・ジョン手術を受けたため二刀流としてプレーできず、指名打者での出場に限られたとし、それでも106試合で打率.286、出塁率343、長打率.505、18本塁打、62打点をマークして強打者であること証明した。しかし、左膝の手術を受け、9月11日にシーズンが終了した」と、今季の大谷の成績を総括した。

 次に今季の収穫を挙げた。「『スタットキャスト(データ解析ソフト)』によると、オオタニの平均打球速度92.8マイル(約149.3キロ)はメジャー11位、全選手の上位3%に入る数字であり、ハードコンタクトという点ではエリートだった。全方向に素晴らしいパワーを見せ、前半戦53試合でOPS.924だったと伝えた。また、膝に問題を抱えていたにも関わらず、平均スプリント速度は昨年と同じ28.2フィート/秒(約8.6メートル/秒)で、スピードは落ちなかった」と分析し、大谷の打撃・走塁での優秀な数字を紹介している。

 昨オフの右肘手術の影響で打者専念になった点についても、「オオタニはDHとして安定した出場機会を得て、週1度登板していた場合以上に打席に立つことができた。そのためメジャーリーグの投手にも更に慣れることができ今後に役立つだろう」と伝えている。

課題・問題点としてシーズン後半に調子が上がらなかった点を指摘

 課題、問題点としては、「右肘の手術を受けたため5月7日までプレーできず、膝の手術を受けてシーズン最後の3週間もプレーできなかった」と昨オフの手術の影響でシーズン序盤に欠場せざるを得なかった状況を挙げた。また「オールスターブレーク後は打率.269、出塁率.332、長打率.435とし、本人も後半戦の成績が下降したことを感じていた」とし、シーズン後半戦で調子が上がらず平凡な成績に終わった点を指摘している。

 そして、2020年について「二刀流復活に向かっている」とした。「今オフに膝と肘のリハビリを終わらせなければならないが、12月に投球プログラムが完了する見込みであり、シーズン開幕までに準備する十分な時間が確保できることが望まれる」と来季の二刀流復活に向けての期待が伺える。

 最後に、「オオタニは投げることを楽しみにしており、2019年もローテーションが弱点だったため、エンゼルスも彼を心底必要としている。2020年は新しい二刀流ルール(投手として20イニング以上を投げ、野手として20試合に先発出場する=それぞれの試合で少なくとも3打席以上立つ)が導入され、まず投手としてロースター入りするが、DHとして20試合に出場すれば二刀流となる。そうなれば、エンゼルスには柔軟性が増し、ロースターにもう1人多く投手を入れることができる」と来季の大谷の投打にわたる活躍に期待を寄せている。(Full-Count編集部)