最も印象的なCL決勝、7選
「UEFAチャンピオンズカップ」として創設され、1991年に現在の名称へと変化。欧州では最も価値の高い大会としてその名を知らしめるチャンピオンズリーグの決勝がいよいよこの後行われる。
25年に及ぶその歴史の中で、最も印象的な試合とは何か?『Copa90』のセレクトを紹介する。
7位:バイエルン 1-1(PK 5-4)バレンシア【2001年】
ちょうど15年前。ACミランとインテルが本拠地として使用しているサン・シーロが、最後に決勝をホストしたのがこの時だ。
2年連続の決勝進出を果たしたエクトル・クーペルのバレンシアは、そのリベンジを果たすべくわずか数分でPKを獲得。今大会のイベントでDJを務めるガイスカ・メンディエタが、開始から3分で先制点を決めた。
しかし、バイエルンは後半2度のPKを獲得。最初はカニサレスのセーブに遭って弾かれるも、2度目はエッフェンベルクが見事に成功させる。
勝負はPK戦に持ち込まれたが、ここでも先行するバレンシアをバイエルンが追う。1人目のパウロ・セルジオが失敗するも、その後闘将オリヴァー・カーンがザホヴィッチ、カルボーニを連続ストップ。
最後はペジェグリーノのシュートをカーンが弾き出し、これで勝負あり。バイエルンは1976年以来25年ぶり4回目となる優勝を果たした。バレンシアは2年連続決勝で涙をのむ。
6位:レヴァークーゼン 1-2 レアル・マドリー【2002年】
この年大きな注目を集めていたのがレヴァークーゼンだ。ミヒャエル・バラックやゼ・ロベルトなど有力選手を多数擁した彼らは、国内リーグとカップの両方を準優勝で終えていた。
しかし、彼らに当たっていたスポットライトは一瞬にしてあるスターの輝きに向けられることになった。それはもちろん、レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダンである。
ラウール・ゴンサレスの得点でレアル・マドリーが先行、それをレヴァークーゼンがルシオのゴールでイーブンに戻す展開。
状況を変えたのは45分のプレー。左サイドの裏に飛び出したロベルト・カルロスが「入れただけ」のボールだ。山なりに落ちてくるところを、ジダンはなんとそのままシュート!
伝説的なビューティフルゴールが欧州最大の試合で決まる。劇的な展開でレアル・マドリーはタイトルを獲得した一方、レヴァークーゼンは準優勝3つという珍しい記録を残した。
5位:ボルシア・ドルトムント 3-1 ユヴェントス【1997年】
ミュンヘンで行われた1997年大会決勝。クラブ史上初めてとなるファイナルの舞台へと勝ち上がってきたボルシア・ドルトムントが、劇的な試合を見せた。
29分、34分にカール=ハインツ・リードレのゴールが決まり、2点のリードを奪ったドルトムント。しかしその後猛攻を受け、65分にデル・ピエロにネットを揺らされる。それもクロスからのバックヒールでだ。
勢いを失うかに思われたドルトムントであったが、試合のハイライトとなったのはこの後だった。
立役者となったのは、70分にステファヌ・シャプイサとの交代で入ったばかりのラース・リッケンだ。そのファーストタッチは、なんと長距離のループシュート!
アンジェロ・ペルッツィの頭上を超えたボールはそのままゴールイン。スピード、コースともに完璧だった。
4位:アーセナル 1-2 バルセロナ【2006年】
フランスのサン=ドニが舞台となった2006年の決勝戦は、イングランドのアーセナルと、スペインのバルセロナが顔を合わせた。
アーセン・ヴェンゲル監督はこれが初めてのCLファイナル。高いモチベーションを持って仕掛けたアーセナルであるが、なんとわずか18分でGKイェンス・レーマンが退場。これはCK決勝史上初のレッドカードであった。
苦境に追い込まれたアーセナル。しかし、10人になってからも目の輝きは消えなかった。37分にセットプレーからソル・キャンベルのゴールが決まり、先制する。
ただ、それから力を発揮したのはバルセロナだった。途中出場の「スーパーサブ」ラーションがそれをお膳立て。76分にエトー、81分にベレッチが立て続けにゴールを決め、試合がひっくり返された。
3位:チェルシー 1-1(PK 5-6)マンチェスター・ユナイテッド【2008年】
同じ国のチーム同士が対戦したのは2000年大会以来。そして、イングランドのチーム同士は歴史上初めてのことだった。
ルジニキ・スタジアム(モスクワ)で行われた決勝は、無敗で勢いに乗るマンチェスター・ユナイテッドと、ジョゼ・モウリーニョが解任されたばかりのチェルシーが顔を合わせた。
26分にウェズ・ブラウンのクロスからクリスティアーノ・ロナウドがヘディングを決め、マンチェスター・ユナイテッドが先制。そして前半終了間際にフランク・ランパードが同点に追いつくゴールを決め、スコアをイーブンに戻した。
延長戦に入ってからはチェルシーにとって厳しい展開となる。ディディエ・ドログバが退場し、PK戦ではジョン・テリーが激しい雨に足を滑らせてシュートを外してしまう。
逆にマンチェスター・ユナイテッドは7人中6名が成功。サドンデスに入ってアネルカがシュートを外したとき、勝負は決した。
しかし、その中で一人シュートを外していたクリスティアーノ・ロナウドは、大会得点王に輝きながらも悔しさに涙を流していたという。
2位:アヤックス 1-1(PK 2-4)ユヴェントス【1996年】
1995年大会で連覇を狙っていたACミランを破ったのは、若きタレントを多く擁したアヤックス。ファン・デル・サールやフランク・デ・ブール、クラレンス・セードルフ、ヤリ・リトマネン、パトリック・クライファートなど豊かな戦力があった。
チャンピオンズリーグに名前を変えた後、大会連覇したチームはまだなかった。それを阻止したアヤックスも、この年あと一歩で涙をのむ。
ファブリツィオ・ラヴァネッリのゴールでユヴェントスが先制。追いすがるアヤックスは41分にリトマネンがシュートを決め、スコアをイーブンに戻す。
勝負はPK戦に持ち込まれ、ユヴェントスが4人連続成功させる一方で、アヤックスは1人目のエドガー・ダーヴィッツが失敗。勢いを失った彼らは4人目のシローイも止められ、連覇の夢は露と消えた。
しかし、ユヴェントスもこの次の年に決勝へ進出しながら、ボルシア・ドルトムントに敗れているわけであるからして、ジンクスというのは恐ろしいものである。
1位:ミラン 3-3(PK 2-3)リヴァプール【2005年】
1位を選ばせれば、この試合以外をピックアップする人はあまりいないだろう。どこかのクラブのファンであれば別だが…
「イスタンブールの奇跡」と呼ばれたこの試合は、ミランが3点を先行してハーフタイムに突入していた。通常ならば、もう結果は決まったようなものだ。
しかしリヴァプールは違った。後半に入り、突然3バックに変貌を遂げた彼らは立て続けに3得点を決め、絶体絶命の状況を一変させた。
そして迎えたPK戦。その雰囲気を全て持って行ったのが、リヴァプールのGKイェルジー・デュデク。かつての名GKトーマス・グロベラーからインスパイアされたという奇妙なダンスで3本を阻止した。
この試合はスティーヴン・ジェラードの映画でもクライマックスになる予定で、チャンピオンズリーグだけでなくサッカーの歴史でも屈指のエピソードだ。
