以前のiTunes Storeでは全ての曲がデジタル著作権管理(DRM)で保護されており、iPod以外のデバイスで再生できないようになっていました。2014年現在、制限は撤廃され、iTunes Storeの曲はDRMフリーで販売されていますが、DRMによるコピープロテクションによって2006年当時のiPod市場を違法に操作したとして、2006年〜2009年にiPodを購入した消費者に与えたとされる3億5000万ドル(約417億3000万円)の被害補償を求める訴訟がフリーソフトウェア財団の訴えによって始まりました。

Was Apple’s iPod DRM illegal? Starting today, a jury decides | Ars Technica

http://arstechnica.com/tech-policy/2014/12/apple-now-facing-a-jury-over-claims-it-competed-unfairly-with-drm/



Apple will face $350M trial over iPod DRM | Ars Technica

http://arstechnica.com/tech-policy/2014/10/apple-will-face-350m-trial-over-ipod-drm/

Star Witness in Apple Lawsuit Is Still Steve Jobs - NYTimes.com

http://www.nytimes.com/2014/12/01/technology/star-witness-in-apple-suit-is-steve-jobs.html

フリーソフトウェア運動を推し進めるフリーソフトウェア財団は、2006年から「Defective by Design」というDRMに反対するキャンペーンを行っています。財団は約10年前にAppleのiPodに対する訴訟を起こしており、2014年12月2日(現地時間)に、Appleとの法廷が開かれました。

原告のフリーソフトウェア財団は、AppleがFairPlayシステムによるDRMによって顧客を囲い込み、違法的に市場操作を行ったことや、当時の競合となるReal Networksなどが、iTunesで購入した楽曲を再生するために高額な技術開発費用などをかけざるを得なかったことを訴えています。

これに対してAppleは、2006年当時のReal Networksがオンライン音楽市場において占めていた割合は3%であったため、楽曲の価格操作には該当しない、と主張しています。ただし、原告側は生前のスティーブ・ジョブズがDRMに対して反対意見を述べているメールを法廷証拠として提示しており、「消費者にとって不利益な策だったことを認める証拠である」と原告側の弁護士は話しています。