次期iPhone、ディスプレイ埋込みTouch IDを採用?アップルが特許取得
将来のiPhoneは顔認証のFace IDを採用し続けるのか、それとも指紋認証のTouch IDに戻るのか。ないしは両方を採用するのかもしれないーーそんな様々な予測があるなかで、アップルがディスプレイ下に埋め込む指紋センサーの可能性を含んだ特許を取得したことが明らかとなりました。

アップルの特許情報に詳しいPatently Appleは、同社が「生体画像データおよび関連情報を取得しつつ、光源サブセットの連続動作を含む電子デバイス」なる特許を取得したことを報じています。本特許は2017年9月に申請され、17日にUSPTO(米特許商標庁)により承認されました。

手身近にいえば、本特許は様々なデバイスの画面の下に光学センサーを埋込み、指紋などを読み取るものです。これまでのiPhoneや13インチおよび15インチMacBook Pro、MacBook AirのTouch IDは静電容量式のタッチセンサーでした。が、Patently Appleによれば、11月に発売された16インチMacBook Proには光学センサーが採用されているとのことです。

そちらでは従来の静電容量式が置き換えられただけですが、光学式センサーはディスプレイ下のTouch IDにも使用できるというわけです。

特許文書では用途が限定されているわけではありませんが、下記のようなテキストや添付されたイラストでは「ディスプレイ埋込みTouch ID」のようなものと推測できます。

光学画像センサーは、ディスプレイ下のハウジングに搭載される。光学画像センサーは、例えば指紋パターンなど、ユーザーに関連付けられた生体画像データを検知する。コントローラは取得された生体画像データを、メモリに格納された生体テンプレートデータと照合することで、認証機能を実行することもありうる。コントローラは認証に基づき、電子デバイスの機能を実行または制限できる。いくつかの形態では、2つ以上の光学画像センサーも実装し得る


現行iPhone(の上位モデル)はすべてFace IDに移行していますが、もともとアップルは指紋認証システムの先駆け的な存在でした。そのためか、ディスプレイ埋込みの形でのTouch IDが復活するとの噂はたびたび報じられています。たとえばBloombergは2020年モデルに向けてテスト中と伝え、台湾メディアからも「次世代iPhoneの少なくとも1つに画面内指紋センサーの採用を協議中」との観測が届けられていました。

Face IDもディスプレイ埋込みTouch IDも、それぞれ長所と短所があります。Face IDのほうは、すばやく認証ができる反面、メガネを外すなど「顔の一部の見かけが変わる」ことにはさほど融通が利きません。また顔認識のTrueDepthカメラを置くための場所が必要で、それが画面上部のノッチ(切り欠き)になってしまいます。対してディスプレイ埋込みTouch IDは、指紋認証のために少し時間はかかるものの、マスクを着用したりしても問題なく、画面下に埋め込むためノッチも必要ありません。

もしも主力iPhoneにTouch IDが復活するとしても、今のところクアルコム製の超音波式センサー採用と見られており、今回の「光学式」特許とは関係のない可能性もあります。さらにいえば、特許が申請や取得されたからといって、必ずしも製品化や実用化されるわけではありません。

とはいえ、数々の噂や特許が「アップルが新方式の指紋認証に興味を抱いている」ことを指し示しています。何らかの形でTouch IDが復活する日も、決して遠くはなさそうです。