メルセデス・ベンツ新型『Aクラス』2028年導入へ 廃止計画は撤回 ハイブリッドとEV展開、ハッチバック形状は維持
Aクラス廃止は撤回 5代目へ
メルセデス・ベンツのコンパクトカー『Aクラス』は2028年にフルモデルチェンジを受けて5代目へと移行し、ハイブリッドおよびフル電動パワートレインを搭載しつつ、ハッチバックのスタイリングを維持する。AUTOCARの取材で明らかになった。
【画像】超パワフルな2.0L直4搭載ホットハッチ【メルセデスAMG A 45 Sを詳しく見る】 全20枚
当初、内燃機関モデルのラインナップを整理し、より高級で利益率の高いモデルに注力するため、現行モデルは2025年に廃止される計画だった。

現行Aクラス(画像)は2028年まで生産継続される。
しかし、EVモデルの需要が予想を下回ったため、メルセデス・ベンツは現行モデルの生産を少なくとも2028年まで延長することになった。そしてAUTOCAR UK編集部が今回確認したところによると、2028年には、最近発売された『CLA』とプラットフォームを共有する、まったく新しい世代のAクラスが登場する予定だ。
新型はハッチバックボディを継承するが、EVモデルの搭載バッテリーによる車高増のため、運転席の位置はやや高くなる。しかし、関係者によれば、これはクロスオーバーではなく、ここ数か月間盛んに噂されていたミニバン(MPV)スタイルへの転換にもあたらないという。
ハッチバックボディは継承
ミニバンになるのではないかという噂は、アウディが新型A2 eトロンを開発中であることから浮上したものだ。新型A2 eトロンは従来のA1とQ2の間接的な後継車となり、初代A2と同じワンボックス形状を採用する予定だ。
メルセデス・ベンツは5代目Aクラスで、2000年代初頭のモデルと同じくワンボックス形状にする計画だとする見方もあった。しかし、この噂は当社の内部関係者によって否定されている。

Aクラスのライバルとなるアウディ新型『A2 eトロン』のシルエット画像 アウディ
関係者はAUTOCARに対し、「当社はGLAというコンパクトクロスオーバーを擁しています。以前にはBクラスでコンパクトミニバン市場にも参入していました。しかし、GLAとGLBの導入により、コンパクトなサイズと高いシートポジションを求めるお客様に対し、はるかに現代的な選択肢を提供できるようになりました」と説明した。
参考までに、初代Aクラスは1997年にミニバンスタイルのBセグメント車として発売されたが、2012年にはBMWの1シリーズに対抗するため、Cセグメント・ハッチバックへと発展を遂げた。
Bクラスのユーザー層にもアピール
新型Aクラスのデザインは、「フォルムは伝統的だが、ディテールはモダン」と評されている。開発事情に詳しい関係者によると、ハッチバックの外観を根本的に変えるのではなく、進化させることを目指しているという。
このデザインは、メルセデス・ベンツの長年のデザイン責任者であるゴードン・ワグナー氏が1月末に退任する前に決定されたものだ。

着座位置は従来よりも少し高くなるようだ。(画像は従来型Aクラス・セダン)
EVの車高の高さを目立たなくするため、今後のすべてのAクラスモデルの最低地上高を引き上げることが検討されている。また、フェンダー部分に控えめなボディクラッディングを採用する案も浮上している。
車高を変更すれば、必然的に前後席のシートポジションにも影響が及ぶ。複数の情報筋はAUTOCARに対し、この点を優先事項の1つとしていると語った。これは、顧客からのフィードバックと、変化する購入者層の予想に基づいているという。
乗り降りのしやすさと視界の改善も、主要な目標として挙げられている。これは、現在の若い購入者層だけでなく、2022年に生産終了したBクラスを以前選んでいた年配の層にもアピールすることを意図したものだ。Bクラスは長年、コンパクトなサイズでありながら、より直立したドライビングポジションを求める層に対応してきた。
ただし、情報筋は新型Aクラスがクロスオーバーにはならないと断言し、車高が上がっても、ハッチバックらしいドライビングポジションを維持するとしている。
CLAと同一ラインで生産 車名変更も?
主なデザイン要素としては、CLAやGLCに見られる「シャークノーズ」型フロントエンドの進化形の採用が予想される。サイドプロファイルにおいては、CLAのようなフレームレスドアではなく、フレーム付きドアを採用し、リアに向かって傾斜したルーフラインを持つことになる。
室内は最大5人乗りとなる見込みだ。スライド式または調整可能なリアベンチシートの採用が検討されている。

新型ではCLA with EQテクノロジー(画像)と同じ系統のフロントデザインを採用する見込みだ。
Aクラスという名称が引き続き採用されるかどうかは依然として不明だ。現行モデルとは十分に差別化されているため、CLA、GLB、GLAといった3文字の名称体系に合わせ、例えば『CSA(Compact Sports A-Class)』といった新たな名称を与えられる可能性もある。
新型は、ハンガリーのケチケメートにあるメルセデス・ベンツの工場で、CLAおよびGLAと並行して生産される見込みだ。
パワートレインはどうなる?
大きな変更点として、新型Aクラスは2011年に遡るモジュラー・フロント・アーキテクチャー(MFA)から、新しいメルセデス・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)へと移行する。
MMAは汎用性が高く、同一の生産ラインで完全電動モデルと内燃機関モデルの両方を生産できる。

高性能なAMGモデルも登場する可能性が高い。(画像は現行A 45 S)
MMAへの移行により、ホイールベースの延長、トレッド拡大、室内空間の拡大が期待される。サスペンションは、フロントにマクファーソンストラットを、リアに新しい5リンク式を採用する見込みだ。現段階では、内燃機関搭載のエントリーモデルが、現行モデルと同様にリアにトーションビームを採用するかどうかは不明だ。
AUTOCARの取材によると、駆動方式はパワートレインに応じて異なるようだ。EVモデルは後輪駆動、内燃機関モデルは前輪駆動となる見込みだ。
EVモデルには800Vの高電圧システムが採用され、58kWhのLFPバッテリーまたは85kWhのNMCバッテリーが搭載される。他のEVモデルと同様に、最高出力224psのシングルモーター仕様や、354psのツインモーター四輪駆動仕様が設定される見込みだ。
ただ、CLAやGLBで採用されている2速トランスミッションを搭載するのか、それともよりシンプルな1速ユニットを採用するのかはまだ明らかになっていない。
内燃機関モデルは全車マイルドハイブリッドとなり、現行のMMAモデルと同様に、すべて1.5L直列4気筒ターボガソリンエンジンを搭載する。最高出力156psから212psまで、少なくとも5つのバリエーションが展開される見込みだ。
