SNSで「保育料が月額8万円! 第二子無理で~す」の投稿に「働き罰×子育て罰だ」「高収入ほどキツイ」の声も…実際“保育料負担”が高額になる家庭とは? 負担額は全国一律にするべきか

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少子化対策が叫ばれ、数々の対策が打ち出されている日本ですが、実際に子育てをしている親は金銭的な問題に直面しています。   先日もSNSのX(旧Twitter)で、   「保育園の月額が約8万円だった。もし第二子がいる場合、期間がかぶると月12万円にもなる。第二子なんて無理で~す」   という投稿が大きな共感を集め、議論を呼びました。   日本における保育料自己負担額は、どのように決まっているのでしょうか。

「認可保育園」の保育料は、全国一律ではない

一般的な「認可保育園」の保育料は全国一律ではなく、住んでいる自治体によってルールが異なり、基本的には以下の2つの要素で決まります。
1. 子どもの年齢
最も手がかかり、保育士の配置人数が多く必要な「0~2歳児」が一番高く設定されます。3~5歳児は幼児教育・保育の無償化により原則無料です。
2. 世帯の所得(住民税額)
夫婦の「市区町村民税の所得割額」の合計額によって、数十段階の階層に分けられます。世帯年収が高ければ高いほど保育料も上がっていく、いわゆる応能負担の仕組みです。
さらに、きょうだいで同時に保育園に通う場合、「第2子は半額、第3子以降は無料」となる自治体が多いため、第1子が8万円、第2子が半額の4万円で「合計12万円」という計算になるわけです。
また、第3子が保育園に通い出したタイミングで第1子が小学校に通うことになると、「第3子の保育料無料扱いがキャンセルされる」というルールを設けている自治体もあります。
きょうだいの構成によって、また世帯内の収入の変化によって、実際の保育料負担額は複雑に変化します。家計のシミュレーションをする場合は、お住まいの自治体に確認を取るなどして誤解がないように進めましょう。

保育料負担額が高額になりがちな家庭とは

東京都では令和7年9月から、第1子の保育料無償化に踏み切りました。また、認可外保育施設に子どもを預ける場合の補助額も手厚くなりつつあります。
一方で他県の市部では、高所得層(市民税所得割課税額が40万円以上、額面年収でおよそ900万円以上)になると、認可保育園の保育料が最大で子ども1人あたり8万円程度になることも少なくありません。
自治体による子育て支援の姿勢の違い、また財政状況の違いによって、子育て世代の家計に子ども1人あたり最大で年間約100万円の格差が生じているという状態です。
これらをまとめると、保育料負担額が高額になりがちな家庭の条件とは、以下のようになるでしょう。
 

1. 世帯年収が高額である(年収900万円以上程度)。
2. 子どもの年齢が0~2歳で、年齢差が少ない(年子である)。
3. 保育料が高めに設定されている自治体に居住している。

世帯年収が900~1200万円程度の家庭は、社会保険料や所得税・住民税の負担も軽くありません。その上に保育料が子ども1人あたりで年間100万円近くになってしまうのであれば、
「必死に勉強して良い会社に就職し、残業して稼いでも、税金と保育料で全部持っていかれる」というような虚無感に襲われ、第二子を諦めてしまう家庭、また働き方をセーブしてしまう家庭は決して珍しくないでしょう。
「少子化は国難だ」「労働人口の減少は問題だ」と政府が叫びながらも、頑張って働き、多額の納税をしている層ほど「育児は罰ゲームだ」と感じてしまいかねない現在のシステムは、大きく歪んでいるように筆者には思えます。
話題となったXの投稿には「認可保育園の負担額については、全国一律にするべきだ」というような意見も寄せられていました。国民の声を今いちどよく聞き直し、少子化対策の制度設計をやり直していく時期なのではないでしょうか。

まとめ

ある程度の高額所得世帯と思われる人による、Xでの「保育料負担額が高すぎる」という趣旨の投稿が大きな共感を呼びました。
保育料負担額は、住んでいる自治体の制度と家族構成によって大きく変化します。そのため、子育て支援が手厚くない市町村に住んでいる場合は、子ども1人あたり最大で100万円近くの保育料を負担することになります。
年収900万円程度の子育て世代が、「子育ては罰ゲーム」だと感じないような制度設計が求められています。
 

出典

東京都 保育料等の無償化について
令和8年度 横浜市子ども・子育て支援新制度利用料(保育料)
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント