丸山和郁(C)共同通信社

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 ヤクルトの丸山和郁外野手(26)が1日、神宮球場で行われたDeNA戦でサイクル安打を達成した。昨年8月の巨人丸佳浩以来、史上73人目、78回目の快挙だ。

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 1打席目は凡退したものの、2打席目の右前打を皮切りに、右中間三塁打、右越え本塁打ときて、5打席目に左中間へ二塁打を放ってコンプリート。6打席目にも右前打を放つおまけつき。計5安打の大当たりで、チームの16得点大勝に花を添えた。

 前橋育英高から明大を経て、2021年ドラフト2位で入団。プロ3年目の24年に96試合に出場し、レギュラーの足がかりを作ったものの、翌25年4月の阪神戦で右手有鈎骨を骨折。一軍復帰まで約3カ月を要するなど、39試合出場に留まった。レギュラー奪取に挑む今季は、開幕から好スタートを切っている。

 そんな丸山は、群馬県北西部の山あいにあった倉渕村(現・高崎市倉渕町)で、2歳ずつ離れた3人兄弟の末っ子として生まれた。村の当時の人口は5000人ほど。榛名山と浅間山に挟まれるように、細長く広がるのどかな田舎町だ。

 4歳の時にはゲームセンターに行きたいからと、3キロもの道のりをトコトコと歩いたという野生児。アマ時代は強肩と足を生かした守備走塁がウリで、前橋育英3年時の夏の甲子園では、投手兼外野手として大会タイ記録の8盗塁をマークした。単純に足が速いだけでなく、相手バッテリーの隙をついて盗塁を決めるなど、走塁技術も高い。明大1年時に右肩を脱臼して手術を受け、以降は外野手に専念した。

 プロ入り後は昨季限りで引退した青木宣親(現GM)に弟子入りするなど、打撃に磨きをかけている。

 コーチ経験のあるヤクルトOBが言う。

「丸山が特異なのは、左投げ左打ちの外野手ながら、強肩であることです。左投げの野手は基本、一塁と外野しか守れない。小学、中学時代に投手を失格になった選手が多く、基本的に投げることは苦手。いまのセ・パを見渡しても、左投げの外野手は総じて肩が強くない。近本光司(阪神)、大島洋平(中日)しかりです。強肩といえば、丸山と藤原恭大(ロッテ)くらい。それだけ身体能力が高くセンスがある。ヤクルトは2000安打をマークした稲葉篤紀(現日本ハム二軍監督)、投手から転向して中軸を担った雄平(現楽天コーチ)という強肩強打の左投げ左打の外野手を輩出している。丸山も彼らのように右翼の定位置を掴むポテンシャルは十分にあります」

 サイクル安打達成をきっかけに、さらなる飛躍を遂げられるか。

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 日刊ゲンダイで毎秋好評「ドラフト家庭の事情」(21年版)では、丸山家をピックアップ。丸山はどのように育ってきたのか。4歳児がなぜ、ゲーセンを目指して3キロも歩こうとしたのか。●関連記事 【もっと読む】ヤクルト2位・丸山和郁の両親を青ざめさせた「4歳の大冒険」 も、プロ野球ファンは要チェックだ。