エムバペの決断を糾弾したのがマドリー寄りメディアだ。(C)Getty Images

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 注目されていたビッグネームの去就に決着がついた。 5月21日、移籍市場に詳しいジャンルカ・ディ・マルツィオ記者のサイトなど、欧州の主要メディアが、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWキリアン・エムバペが契約を延長して残留することを決断したと報じた。 23歳の怪物ストライカーはこれまで、今年6月末までとなっている契約の延長を拒否。今夏に契約満了でパリSGを退団し、かねてより相思相愛だったレアル・マドリーへ移籍することが濃厚視されていた。 スペイン紙『MARCA』によれば、高額年俸を保証し、最後まで引き止めに必至なパリSGに対し、マドリーは先週、契約金1億3000万ユーロ(約170億円)の支払いと高額サラリー、さらに選手側に肖像権を100%認めるというとびきりの条件を提示し、合意に達していたという。 それだけに、突然の翻意にマドリー寄りのメディアは怒りを隠しきれないようだ。『Defensa Central』は「許せない」として、こう皮肉っている。「エムバペはPSGのオーナー兼支配者になり、世界で最も高給のアスリートになる。引き換えに、彼は夢を諦めたのだ。このフランス人はいつも白いシャツを着たいと思い、何度も電車に乗り遅れた。最初はモナコでプレーしていた2017年、昨年の夏、そして2022年だ」 【動画】「皆さんとともにタイトルを獲得していきたい」パリSG残留を発表するエムバペ


 同メディアは「最後の日(21日)、マドリーの事務所では悲観論が出ていた。エムバペは電話に出るのをやめ、立場を変えた。彼はすべての圧力に耐えることができなかったのだ」と綴り、こう糾弾している。 「PSG、彼の家族、フランス大統領、そしてカタールの首長でさえ、ここ数か月の間、エムバペを誘導してきた。マドリーは選手の言葉を信じていたが、彼はそれを守らなかった。もはや何の価値もない。他のサッカーのレジェンドとは異なり、エムバペはカネと権力のために望みを諦めることを選んだ。話は終わりだ」 マドリー側からすると、エムバペが来るのは既定路線と見られていただけに、この決断は波紋を広げそうだ。構成●サッカーダイジェストWeb編集部