管理栄養士が教える、60歳からの新・料理のコツ「炊飯器ひとつで栄養満点炊き込みご飯」「食欲がなくても、ある《調味料》で手軽にエネルギー補給」【2026年編集部セレクション】
2025年上半期(1月〜6月)に配信したものから、改めて読み返してほしい「ベスト記事」を選びました。(初公開日:2025年6月11日)*****60歳を超えると「昔ほど食欲が湧かない」「食べる量がガクンと減った」「料理をするのが億劫になった」という声が多く聞かれるようになります。自身もそのひとりだという、管理栄養士の森由香子さんが編み出した、「がんばらず」に作れて「少量」でも栄養バランスが整い、健康管理がきちんとできる食べ方とは――。『60歳からの「少食」でも病気にならない食べ方』より一部を抜粋して紹介します。
【書影】管理栄養士の森由香子さんが提案する《栄養バランスが整う食べ方》とは?『60歳からの「少食」でも病気にならない食べ方』
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年配の人ほどオーブンを!作る手間が格段に減る
60歳前後になってくると、毎日毎日食事を作るのはどうしても億劫になってくるものです。
だからといって、しょっちゅうコンビニやスーパーで弁当や惣菜を買ってきて食べるのは、栄養が偏りがちですし、味つけも濃いめ。「できれば手作りの料理が食べたい……」と悩んでいませんか。
そんな中高年の方にぜひともおすすめしたいのが、オーブンの活用です。
たとえば、肉や魚にオリーブ油を塗り、塩、こしょう、お好みのハーブを散らしてオーブンで焼くだけで、おいしい本格的な主菜が完成します。
その際、にんじん、ブロッコリー、きのこ類などの野菜も食べやすい大きさに切って、同様にオリーブ油、塩、こしょう、お好みのハーブで和えて一緒に焼けば、野菜の副菜も同時に作れ、栄養のバランスも整います。
鶏肉や豚肉にはローズマリー、さけやたらにはタイム、野菜にはオレガノなどがよく合います。同じ材料でもハーブや調味料を変えれば、味の変化もついて、アレンジも楽しめます。
温度と時間設定を間違えなければ失敗しない
オーブン料理は油を使うものが多いので、比較的少量でもエネルギーを補給できます。しかも、温度と時間設定さえ間違えなければ、失敗することはほぼありません。
スイッチを押して調理がはじまったら、フライパン料理のように火元に居続ける必要もなく、その間にテーブルの用意など別のことに時間を有効に使えます。
オーブン使用可の鍋などを使えば、煮込み料理も可能です。ほったらかしでも噴きこぼれる心配もありません。
中高年になると、「やっぱり和食が体に良いのではないか」と、無理して煮物や和え物などを作ろうとする方もいらっしゃいますが、それが重荷になって食事が面倒になってしまう人が少なくありません。
和食にこだわらず、オーブンをどんどん活用して、手軽においしく栄養を摂りましょう。
「ぜんぶ炊飯器にお任せ」具だくさんの炊き込みごはんで栄養バッチリ
いわゆる「一汁三菜」は、主食のごはん、主菜・副菜・汁物で肉・魚・野菜がいろいろ摂れます。
当然、栄養バランスも整いやすいのですが、これらを全部自分で調理するのはなかなか大変です。
だったら、主食とおかずを1品で兼ねるメニューを作って、手軽に栄養バランスを整えてしまいましょう。
そこで活躍してくれるのが、炊飯器です。具だくさんの炊き込みごはんを作れば、それだけでさまざまな栄養を一度に摂ることができます。
たとえば、パエリア。水加減をしたお米に、市販のシーフードミックス、カットしたトマトと玉ねぎを入れ、コンソメ顆粒、酒、塩、こしょうを加えて炊飯器で調理します。
ごはんはもちろん、魚介類と野菜が入っているので、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンB群、ビタミンD、鉄、カルシウム、亜鉛、食物繊維などが、このメニューだけで一度に摂れます。
同様に、ジャンバラヤもおすすめ。食べやすい大きさにカットした鶏もも肉、玉ねぎ、ピーマンを入れ、おろしにんにく、トマトケチャップ、カレー粉で味つけして炊飯器で炊き上げます。
大変そうなごはんも簡単に作れる!
アクアパッツア風ごはんも簡単に作れます。
缶詰のアサリ、小房に分けたブロッコリーなど好みの野菜を入れ、一番上にたらやたいなど魚の切り身を乗せて、塩、こしょう、コンソメ顆粒、おろしにんにくで味つけして炊きます。
炊き上がったら、魚だけ器に移しておかずにしても、全体に混ぜて洋風混ぜごはんにしても。
もちろん、鶏もも肉、にんじん、ごぼう、油揚げなどを入れた、昔ながらの五目ごはんも栄養のバランスが整った一品です。
詳しい作り方や調味料の分量などは、インターネット上のレシピなどを参考にしてみてください。
炊飯器によっては炊き込みごはんに適応していない商品もあるので、取扱説明書を確認してから作りましょう。

マヨネーズを使ってエネルギー補給(写真提供:Photo AC)
食欲がないときはマヨネーズを料理に使ってエネルギー補給
少食な方や、あまり食が進まない日が続いている方は、気づかないうちにエネルギー不足に陥ってしまいます。
疲れやすくなって、仕事や家事もはかどらなくなり、ますます食欲が落ちてしまうでしょう。肌も荒れてきますし、内臓の働きにも支障が出かねません。
そんなときは、普通のご家庭にたいがい常備されているポピュラーな調味料を活用して、エネルギー不足を手軽に解消しましょう。
卵、植物油、酢などで調合された、マヨネーズを積極的に利用するのです。
マヨネーズには卵が入っているので、調味料でありながらたんぱく質も補給できるのがポイントです。もちろん、油も入っているのでエネルギー補給にもなります。
実際、マヨネーズはカロリーが高めです。大さじ軽く1杯で80カロリー程度あり、大きめの角砂糖1個が20カロリーですから、4個分に相当します。
ダイエット中の人や病気で脂質やエネルギー制限が必要な人にはおすすめできませんが、エネルギー不足に陥りがちな少食の方には、むしろ積極的に使ってほしい調味料といえます。
マヨネーズは、サラダやゆで卵、シーフード系のおかずにかけるだけでなく、実はいろいろな料理に使えます。
炒め油の代わりに使えば、普通の植物油にはないたんぱく質をプラスできます。味もまとまりやすく、軽い酸味が食欲をそそります。
チャーハンやピラフを作るときは、植物油の代わりにマヨネーズを使うと、たんぱく質がプラスできる上に、ごはんがパラパラに仕上がります。
卵焼きやオムレツを作るときに混ぜると、焦げつきにくく、冷めてもふんわりした食感に仕上がります。料理が上手くいくと調理も楽しくなりますし、食欲も上がると思います。
※本稿は『60歳からの「少食」でも病気にならない食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
