社員や嘱託社員の冬のボーナス7割カットが報じられた、東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランド。契約社員には説明会で、勤務の継続を希望する場合の収入は「半年で約22万円」などと厳しい条件を突きつけていたことが、「週刊文春」の取材で分かった。

【画像】ディズニーランドを台車で回るミッキーたち

 オリエンタルランドは、9月7日から1000人におよぶ契約社員を対象とした説明会を行った。集められたのは、パレードやショーで踊る「ダンサー」や、ミッキーなどに入る「キャラクター」を務める「出演者」と呼ばれる、いわゆる契約社員。千葉県浦安市にある本社の会議室で、契約社員が2、30人ずつ集められ、今後の処遇について説明を受けた。


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「週刊文春」はその説明会の音声を入手した。会議室の正面に据えられたスクリーンには次々とスライドが映し出され、音声が30分にわたって流された。

 10月以降の勤務について、次の3つの選択肢が提示された。

「出演者を継続する」

「(窓口業務等を担当する)準社員として再入社する」

「9月末に退職する」

 それぞれの収入イメージについて、出演者を継続する場合は「2021年3月までの半年間で約22万円」、準社員で再入社の場合は「約66万円」、9月末で退職する場合は「80万円となります」と説明をされた。あわせて、9月27日11時までにメールで回答するよう指示があった。

 説明会では撮影や録音が禁じられ、守秘義務を強調されたという。キャラクターの30代女性が語る。

「この収入では死ねと言われているようなもので、退職するしか道はない。私たちはディズニーが大好きで、子供の頃からここで働くのが夢でした。ゲスト(来場者)の笑顔を見ると辛いことも忘れてしまうから、この仕事を続けてきたのに」

 労働問題に詳しい佐々木亮弁護士が指摘する。

「雇用継続を願い出た場合には生活できないレベルの給与しかもらえず、社会保険も外される。退職支援金80万円を前面に押し出しており、事実上の退職勧奨です」

 オリエンタルランドに退職勧奨などについて見解を問うと、こう回答した。

「労働条件について社外には開示しておりません。より多くの従業員に出来る限り残っていただき、一緒にコロナ禍を乗り越えたいと考えておりますが、出演機会を提示できない責任を果たすことも必要と考え、選択肢を提示しました」

 9月24日(木)発売の「週刊文春」では、説明会の模様や“夢の国”の契約社員の厳しい労働実態などを詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月1日号)