G20、廃プラ問題が重要論点!世界的に高まる関心のワケ
潮目の変化
「『バイオPBS』への問い合わせが多く、一つ二つ受注すると次の増設が必要になる」。三菱ケミカルの和賀昌之社長は、三菱ケミカルホールディングス(HD)の株主総会で株主からの質問に答え、こう説明した。バイオPBSは植物と石油由来の原料からできる生分解性樹脂だ。
他の化学メーカーの株主総会でも廃プラ対策について質問が相次ぎ、一般消費者からの関心も非常に高い。
“目に見えない”プラスチックの問題に対し、解決策を打ち出す企業も出てきた。洗顔料や歯磨き粉などに含まれるプラスチック製マイクロビーズは排水溝から簡単に流出し、回収できない。微細なため小型生物が体内に取り込む恐れがある。
そこで、積水化成品工業は生分解性樹脂を原料にマイクロビーズ「テクポリマー」EFシリーズを開発した。EF―Aグレードは水中で50日間で80%以上が分解され、EF―Bは土中で半年で60%以上、1年で100%分解することを実験で確認した。
引き合い活発
同製品は従来製品に比べなめらかな感触と光反射性も実現し、化粧品の機能向上が期待できる。同社は化粧品メーカーを中心に提案し、テクポリマー全体の売上高を3年後に約2割引き上げる。
カネカは海洋を含めた生分解性が認定されている生分解性ポリマー「PHBH」の引き合いが活発だ。セブン&アイ・ホールディングス(HD)や資生堂と共同で用途開発を進めており、19年内に年産5000トンの増設プラントが完成する。
求められる機能
長い目で見ると、廃プラ問題はプラスチックに求められる機能を大きく変えそうだ。自然界に流出した場合セーフティーネットとなる生分解性だけでなく、リサイクルしやすさや使用量削減への貢献、持続可能な原料への切り替えなどが求められる。ここには、三井化学など多くの企業が取り組む。自動車やエレクトロニクス製品の進化を支えてきた“化学”の力が試される。
(文=梶原洵子)
