『マルス-ゼロの革命-』©︎テレビ朝日

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「今から死ぬんでしょ? ラストメッセージをどうぞ」

 参考:【写真】道枝駿佑(なにわ男子)率いる「マルス」メンバー

 これが『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系/以下『マルス』)の主人公、“ゼロ”こと美島零(道枝駿佑)の最初のセリフなのだから驚きである。零には大人社会に挑む“カリスマダークヒーロー”というキャッチコピーがついているが、スラリとした長身に「地毛」と言い張る金髪、そしてこの口の悪さ。もう“ダークさ”が漂っている。

 ゼロは、学校でいじめに遭っている“アイコン”こと逢沢渾一(板垣李光人)の前に突如現れた謎の青年。彼はいじめを苦に死のうとしていたアイコンを不意の言葉で救ったのち、同じ学校に19歳の謎の転校生としてやってきた。そして「君が抱えている問題を解決できたら俺の言うことを何でも聞く。できなかったら君の言うことを何でも聞こう」と交換条件を提示してきたかと思えば「俺がお前をこの腐った世界から救ってやる」と力強い言葉を放ち、たちまちアイコンや学校の落ちこぼれたちを魅了していくのだった。

 そんなゼロを演じているのは、なにわ男子の道枝駿佑。道枝は2023年12月に最終回を迎えた『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系/以下『マイハル』)に続いてのドラマ出演で、2クール連続で大役を担っている。

 『マイハル』では、佐弥子(広瀬アリス)に不意にキスをし、いい大人をときめかせたと思いきや「あの夜からずっと佐弥子さんのことが好きだよ」というストレートな言葉とともに胸キュンどころかハートを撃ち抜く年下男子・拓を演じていた道枝。『マルス』のゼロが放った「俺と一緒にこの世界をぶっ壊すぞ」という言葉は、佐弥子が30歳にして大学に入るか悩んでいた時に、その時はまだ見知らぬ失礼な青年だった拓がかけた「なればいいじゃん、大学生」という言葉のぶっきらぼうさに少し似ている。だが、基本的な性格やその後の行動を考えると全く似ても似つかない2人であることは確実だ。

 もしかしたら『マイハル』の好青年ぶりに惹かれ、同じ道枝が演じるということで本作を観始めた人もいるかもしれない。そんな人は、この2人の違いっぷりに驚いていることだろう。だがこの正反対ともいえる、演技の振り幅の広さが観られるのは、道枝が俳優として着実にステップアップしている証でもある。

 特にゼロに関して道枝は、「心の奥底には内に秘めた熱さなどもある人物」と分析しながらも「僕は遠慮しがちな性格」、「(自分にカリスマ性を)そんなに感じたことはない」と共感できるところが少ない様子を明かしている(※)。それはこの役のために初めてブリーチをして金髪にしたところにも表れている。そんな人物を演じるからこそ、俳優として開けてくる道もあることだろう。

 まだまだ謎が多い零。でもそれはその分、これからの見どころがたくさんあるということだ。零と新生“マルス”たちの戦いは始まったばかり。彼らの成長はもちろんだが、その中での俳優・道枝駿佑の進化にも注目していきたい。

参照

※ https://realsound.jp/movie/2023/11/post-1497459.html

(文=久保田ひかる)