大幅値引きでも売れず、合弁ブランドのガソリン車が変革期に―中国メディア
2026年6月23日、中国メディアの界面新聞は原油価格の高騰や新エネルギー車(NEV)の急速な普及を背景に、中国のガソリン車市場が大きな転換点を迎えていると報じた。
中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、5月のガソリン車の小売販売台数は前年同月比39%減となり、中国乗用車市場全体の販売減少率(22.1%減)を大きく上回った。また、同月の主要な販売ランキングではガソリン車がトップ10から姿を消した。
北京市内の合弁ブランド販売店では、かつて約10車種を展示していたショールームに現在は新エネルギー車2台とガソリン車2台の計4台しか並んでいなかった。トヨタ・レビンのようなかつての主力車種も展示されなくなり、一部車種は受注生産へ移行しているという。
記事は、国際原油価格の上昇による維持費負担の増加が消費者の購入意欲を低下させ、トヨタ・カローラやレビン、日産シルフィなど10万〜15万元(約238万〜358万円)クラスの大衆向けモデルの販売基盤が揺らいでいると指摘した。その結果、自動車メーカーは従来のフルラインアップ戦略から、利益率の高い中型車やSUVを中心とした選択的な供給体制へと転換しつつある。
車種数の削減は、生産効率や在庫管理の改善につながる一方で、販売店にとっては顧客との接点や追加収益の機会を失うリスクも伴う。実際に広汽ホンダ(GACホンダ)は北京市内の販売店数を17店舗から8店舗へ削減するなど、店舗統廃合や人員削減を進めている。
一方で、ショールームに残るガソリン車には大幅な値引きが実施されている。広汽トヨタ・カムリでは5万元(約120万円)、一汽トヨタ・アバロンでは6万元(約143万円)の値引きが行われているものの、販売増加には結び付いていないという。
記事はその背景として、ガソリン車の製品更新サイクルの長さを挙げる。新エネルギー車メーカーが頻繁に改良やモデルチェンジを行うのに対し、合弁ブランドのガソリン車は5年以上同じモデルを販売するケースが多い。また、中国自動車販売協会の統計では、ガソリン車購入者に占める45〜54歳の割合が25.2%と、新エネルギー車購入者(21.0%)を上回っており、購入者層の高齢化も進んでいる。
記事は今後について、ガソリン車市場が中高年層向けのニッチ市場へ縮小していくとの見方と、ブランド自体が全面的な電動化へ転換するとの見方を紹介した。その上で、あるディーラー担当者の「私たちが競争している相手は他のガソリン車ではなく、今という時代そのものだ」という言葉を引用し、中国自動車市場の急速な変化を象徴する発言として伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

