今週のテーマは「豊洲住まいと聞いた途端に態度が変わった女。二度目のデートがなかったワケ」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ




あかりと二度のデートを終えたあと、僕はスマホを見ながら考えていた。

可愛かったし、いいかなとも思った。でも二度デートした今、彼女は僕が探している人とは違う気がしている。

「別に、俺が言える立場ではないと思うけど…」

そう思いながらも、何だかモヤっとする。多少可愛くても、僕にはやっぱり無理だ。

そう考え直し、僕は一旦あかりと連絡を取るのをやめた。

東京という街が悪いのか、何なのか…。

あかりを勘違いさせてしまった理由は、どこにあるのだろう。そしてこれは、ある意味婚活女子によく発生する“東京病”かもしれない。


A1:学歴などで判断されているのかな?と思った。


あかりと出会ったのは、同期が開催した食事会だった。

可愛い女子たちが並ぶなか、僕は隣に座ったあかりと話が盛り上がる。

「へ〜お仕事、日系の保険会社なんですね」

あかりのあっさりとした反応も気になったが、この時の僕はあまり気にしていなかった。

「あかりさん、オフィスはどの辺りですか?」
「私は丸の内です。雄大さんは?」
「僕もなんですよ。どこのビルですか?」

しかも話しているうちに、お互いのオフィスがとても近いことがわかった。

「え〜近い!」
「今度、よければ仕事終わりとかに軽く飲みません?」
「ぜひぜひ」

こうして僕たちは連絡先を交換し、ちゃんと僕はあかりをデートに誘った。




丸の内にあるビストロを予約したので、まずは二人でグラスを傾けて乾杯する。

「お疲れさま」

最初は、いいデートだった。お互いの質問のペースもいいし、順調に進んでいく。

「じゃあ雄大さんは、新卒からそのまま?」
「そうそう。あかりさんは?」
「私も同じ。転職したいなーと思いながらも、結局同じ会社にいる感じかな。ちなみに、大学は?」

お互いの出身大学を聞くのは、ごく自然なことだろう。でも、大学名を聞いた途端に少しだけ、あかりの声のトーンが下がったような気がする。

「僕は立教だよ。あかりちゃんは?」
「立教なんだ。私は女子大だよ〜」

― いや、さすがにそれはないな。

そう思い、グラスワインをもう一杯飲みながらデートらしい会話を続ける。




「あかりちゃんは、今フリーなの?」
「そうだよ。雄大さんは?」
「うん、今は彼女いないよ」
「前の彼女は、どういう人だったの?」
「どういうと言われても…実は同じ会社の後輩で」

元カノの話をするのは、若干気まずい。でもあかりは容赦なくグイグイと質問を続けてくる。だから僕も、ちゃんと答えるようにした。

「何歳くらいだったの?」
「三つ下かな」
「え…まさか、年下が好きなの?」
「そういうわけじゃないよ!ただ気が合ったんだよね」

たださすがに、聞かれる一方なのもアレなので、僕もあかりに質問を返してみる。でもあかりの返答で、僕は「おやおや?」と思うことになる。

「あかりちゃんは?」
「私は、いたって普通の人だったよ。大学は早稲田かな?同じ年の商社マンで」
「すごいじゃん」
「そう?全然普通じゃない?」

あかりは、知っているのだろうか。

日本全国で見たときに、慶應や早稲田卒以上、年収1,500万以上のサラリーマンの割合を。

でも、それがあかりにとっての“普通”なのだろう。

― いや、別にこんなこと気にしている方が小さい証拠だしな。一旦気にしないでおこう。

「あかりちゃん、またご飯行こうよ」
「うん、もちろん」

こうして、もう一度僕はあかりと食事をすることにした。


A2:求める“普通”の基準が高すぎる。


しかし二度目のデートは、僕が少し構えて行ってしまったせいか、あかりの発言が最初から気になってしまう。

「雄大さんって、洋服とか普段どこで買っているの?」

きっと、何げない質問だったはず。

でも心のどこかで「何でそんなことを聞くのだろう?」と思ってしまう。

「僕?適当だよ。え…まさか、今日の服装ダメだった?」
「いやいや、そんなことではまったくなくて。普段どういう生活しているのか、気になっちゃって♡」
「そっか、気になるよね」

― これは…生活レベルを、ジャッジされているのか?

そんなことを考えてしまうデートはよくない。そう思って気持ちを切り替えるものの、やはりあかりはどこか僕を値踏みしているような気がする。




それは、家の話をした途端に顕著に現れた。

「雄大さんって、今お家どこだっけ?」
「僕は今豊洲のほうだよ」
「そっか、豊洲か…」

すると、急に何か考え込んだように静かになったあかり。

― …もしかして、港区とか渋谷区じゃないとダメな感じ?

「港区とかの方が好きだった?」
「え?いや、そんなことはないよ」

本心はわからないけれど、複雑そうな顔をするあかりを見て、何となく僕はあかりの性格が見えてきた。

「あかりちゃんは?どこだっけ?」
「私は目黒だよ」
「あかりちゃんは、結婚したらどういう場所に住みたいとか…何かあるの?」
「港区とか憧れるけど、普通に目黒でもいいかな」

ここでも、あかりの“普通”が現れた。

東京23区の中でも、目黒に住めるのは“普通”なのだろうか。

この東京には、稼いでいる人や輝いている人たちがたくさんいる。そんな人たちを見上げ続けていたら、キリがないほどだ。

でも僕は今の生活も好きだし、会社も好きだ。母校も大好きだ。でもあかりからすると、きっと年収1,000万もない僕は“普通”の基準には満たないのだろう。




「目黒、いい場所だもんね」
「雄大さんは?どこかに住みたいとか、ある?」
「僕はどこだろう…今、どこもマンションが高いからな。郊外とかでも全然アリだけど」
「郊外?」

もちろん想像通り、あかりは言わないようにはしているけれど、何か言いたげな表情を浮かべている。

「うん。千葉とかでもいいかな」
「そうなんだ…。たしかに、千葉へ行ったほうが、広い家には住めそう!」
「そうなんだよね。あかりちゃん、実家はどこだっけ?」
「私は埼玉だよ。雄大さんは?」
「僕は神奈川だよ」

こうして、当たり障りのない会話をして、僕はこのデートを切り上げた。

いい子だし、本人にまったく悪気はない。きっと、あかりの周りにはそういう男性陣もたくさんいるだろうから。

でも、僕ではない。

― あかりが求める“普通”の基準を少し下げない限り、今後の婚活は難しいだろうな…。

余計なお世話なことは知っている。でももうすぐ30歳で、いつまでも理想を追い求め続けるあかりに対して、僕はそんなふうに思わずにはいられなかった。

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