安倍晋三首相(2019年9月撮影)

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新型コロナウイルスの感染拡大で、安倍晋三首相が全国の小中高校に休校するよう急な要請をしたことに対し、国民世論が割れる事態になっている。

自民党内でも異論が多かったとの報道も出ているが、首相を後押ししたものは何だったのだろうか。

自民党内では、否定的意見が多かったというが...

安倍首相の休校呼びかけについてどう思うか、ヤフーニュースが2020年2月28日から「みんなの意見」コーナーで始めたアンケート調査では、意見がくっきりと分かれた。

同日19時現在で投票があった約10万人のうち、「妥当」と答えた人が56%、「妥当ではない」と答えた人が41%になっている。妥当がやや多いものの、賛否が拮抗している形だ。

安倍首相は、27日にあった政府対策本部の会合で、すでに休校要請を行った北海道などの取り組みを示し、「多くの子供たちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクに備える」と同様な休校要請を表明した。

この日は、日本医師会の会長が安倍首相に直接会って、地域の感染状況などに応じて各学校の休校を求めるよう要望書を手渡していた。各メディアの報道では、このことも決断の背景にあったとしている。

とはいえ、報道によると、自民党内では、一部幹部を含めて否定的な意見も多かったという。休校にした場合の補習はどうするのか、共働き家庭をどう支援するのか、など「見切り発車」による混乱の懸念があったためだ。

自民党や公明党に休校要請などの知らせがあったのは、安倍首相の表明直前だったといい、「首相の政治判断」で官邸が党内などの異論を押し切った形だと報じられている。

「補償」打ち出せなかったスケジューリング欠如

政府の休校要請について、ニュースサイトのコメント欄やネット掲示板などでは、「いい判断だと思います」「それほど切羽詰まった状況になってしまった」「ここから、会社も対応し始め、波及していけば良い」などと評価する声はある。

一方で、要請はあまりに唐突だとして、「決断が遅すぎる。木曜日の夕方発表して次の月曜からなんて...」「低学年の子どもがいる親御さんどうするの...?」「場当たりの思い付きで、社会を混乱させている」といった疑問や批判も相次いでいる。

ネット上では、なぜ安倍首相自身が国民の前で説明しないのかと疑問も多かったが、安倍首相は、29日にも会見して、休校を決断した経緯や感染への対応方針について国民に説明する予定だと報じられた。

今回の急な休校要請について、事情に詳しい関係者は、その背景をこうみる。

「北海道の鈴木直道知事は、すべて自分が責任を取ると明言して、政治はこうじゃなきゃと称賛を浴びました。安倍さんは、対応が後手に回ったと批判されて焦っていた様子でしたから、指導力をアピールしようと知事のやり方をマネしたのではないかと思っています」

この関係者によると、これまで政府内だけで対応を話し合っていたため、検査で感染者数が増えると東京五輪や経済に影響してしまうとの懸念ばかりが大きかったという。

「専門家会議の意見を重く見ていれば、少なくとも10日早く休校要請などを決断できたのではないかと思います。また、省庁の担当者を呼んで、共働き家庭への支援策などを話し合っていれば、表明と同時に、休業補償などの対策も打ち出せたでしょう。感染の拡大を防ぐために、今回の休校要請は一定の評価に値するとは思いますが、スケジューリングの意識は欠けていたと言わざるをえません」

今後、安倍首相の党内での立場がどうなるかについては、こう言う。

「普通は、党内で議論になりますが、安倍さんが突然言い出したので、止めようがないです。ご自身の判断で、準備もなく、見切り発車されたのだと思いますね。しかし、自民党も評価を落としていますので、このままでは選挙ができないはずですよ。当面は、政局に発展せず、世論の火消しに追われることになると思います。安倍さんの会見も、騒ぎになったため、国民に対応策を示しておこうというものでしょう」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)