『キャプテン翼』ゆかりの地、葛飾区の挑戦? リアル“南葛SC”が目指すのは葛飾からのJ参入!〜南葛SC〜
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転機は2013年に訪れる。キャプテン翼の原作者で、現在はクラブの後援会会長でもある高橋陽一先生は、次のように語っている。
「地元にJを目指すチーム、応援できるチームが欲しいなあとは、ずっと漠然と思っていて、この話(南葛SCの前身チームからの応援要請)が来た時には自分から南葛SCにしませんか? と提案しました。漫画の中のあの少年チームが発展して、TOPチーム(女子含み)を持つようになったイメージです」
『キャプテン翼』は静岡県にある架空の「南葛市」が舞台となったマンガだ。実際にそのような地名はないものの、高橋先生自身が住んでいた葛飾区にある地名や固有名詞を引用してその舞台を作り上げたことから、「キャプテン翼ゆかりの地、葛飾区」というキャッチフレーズも生まれてきた。そんな葛飾区のサッカークラブなら、「南葛SC」のクラブ名も当然のネーミングだ。
高橋先生からの願ってもない申し出もあり、もちろんクラブ関係者の努力や出版社の協力もあり、2013年、クラブは南葛SCとして再スタートを切った。同時に区内のサッカー強豪校・修紱高校の監督、向笠実氏を総監督に迎え、その陣容を整えた。それでも、東京都3部リーグから1年では抜け出せず、結局2シーズンを費やしてしまった。
「2020年のJリーグ参入という目標までに、もう1つも足踏みできない。葛飾区は、区の観光資源としてキャプテン翼と南葛SCをフルにバックアップしてくれていますから、そこに向けて、自分たちもしっかりステップアップしていかなければならない」と、及川理事長。「Jリーグに入ったら、その時にはスタジアムもという区長との約束がありますからね」
高橋先生も地元のスタジアムを熱望する1人だ。
「(南葛SCに必要なものは)一番はやはり地元にサッカー専用スタジアムができることですね。それができれば自然と選手やスタッフ、サッカーにおける素晴らしい人材も集まってくるのではと思っています」
具体的なスタジアムの計画自体は、区としてまだ明言するまでには至っていない。しかし、2020年のJ参入という目標を達成するためにはスタジアムが必要になってくることを、クラブ後援会名誉会長でもある、青木克紱葛飾区長も十分に理解しているはずだ。ただし、そのためにはクラブの頑張りだけでなく、区民やサポーターの後押しも必要になってくるが……。
自身も区内で会社を経営する及川理事長はこう語る。
「区長も言っていることですが、葛飾区は人情味あふれる人の多い土地です。しかも、オリジナル葛飾の方がたくさんいる。葛飾で生まれて、葛飾で育って、子供も孫も近所の学校に行っているというような。商店街を見てもらえればわかると思うのですが、葛飾区は1つ1つの商店街が生きている。そんな街ですから、葛飾区に対して熱いハートを持っていれば、きっと区民の方たちは応援してくれます。ただ、もう少し知名度が上がらないと。もっと上のカテゴリーに上がっていけば、皆が応援してくれる時期が来ると思っています」
地元住民である高橋先生も続ける。「Jに近づくにつれ盛り上がると信じています。それだけ熱のある地域だと思っています」。
葛飾区にJクラブが誕生すれば、下町のJクラブとして話題を呼ぶことは間違いなく、しかもそれが翼くんの南葛SCだとしたら、ついにマンガが現実化したとして、「キャプテン翼」の知名度もあいまって、世界中で話題になることだろう。その時こそ、「葛飾から世界へ!」が現実になる時だ。その物語は現在進行形で着々と歩みを進めている。
「地元の皆さん、東東京の皆さんに、しいては全国の皆さん、世界の皆さんに愛されるチーム、愛してもらえるようなチームになってほしい」と、高橋先生は語る。「大空翼」という強力なキャラクターを味方に、この先南葛SCがどんな成長を見せてくれるのか。あるいは葛飾区がどんなサッカータウンへと変貌を遂げるのか。興味は尽きない。
◆南葛SC http://www.nankatsu-sc.com/
◆キャプテン翼CUPかつしか2016
