【川崎 さちえ】フランスやシンガポールで日本の「SEIKO」が”越境”人気沸騰…「大谷効果」だけではないその理由
日本のフリマ市場には、海外からも熱い視線が注がれているようです。楽天ラクマと越境ECサイト「FROM JAPAN」が2026年4月に発表した「国・地域別で取引数が多いファッションブランドのランキング」では、特に取引数が多い10の国・地域ごとに人気のブランドが掲載されていました。海外のラグジュアリーブランドに混じって、日本のブランドもランクインしています。今回注目するのはSEIKOです。10カ国中、5カ国でトップ5に入っているのです。なぜSEIKOが人気なのか、楽天ラクマとFROM JAPANにお聞きしました。
高級腕時計がこぞって値上げに
今回のデータの中では、オーストラリア、オランダ、カナダ、フランス、シンガポールでSEIKOがランクインしています。他のブランドを見ると、ルイ・ヴィトンやグッチ、シャネルなどの高級ブランドが名を連ねていて、これらはバッグや財布などの取引がメインになってきます。SEIKOの場合は腕時計です。
なぜSEIKOの腕時計の越境取引が増えているのかというと、2025年前半の他ブランドの値上げが関係しています。この時期、ロレックスやパテック フィリップなどの高級ブランドの値上げが相次ぎました。一次流通での値上げではありますが、主要ブランドが値上げをしたことが、二次流通の中古品市場にも影響を与えています。一方SEIKOに関しては、既存モデルの値上げは見られませんでした(グランドセイコーでは値上げあり)。
もともとSEIKOの腕時計は、ロレックスなどの高級ブランドと比較しても手に入れやすい価格帯です。それに加えて、中古であればさらに安く買えるため、海外からも注目されています。
2026年より大谷翔平選手がセイコーブランドのグローバルアンバサダーになっていますから(国内では2016年より起用)、海外でも知名度がアップしています。それに付随するようにしてSEIKOも知られるようになっているのでしょう。
価格もお手頃なSEIKOは、日常使いのために
SEIKOの腕時計の楽天ラクマでの取引価格は、1万円以下のものも少なくないですし、1〜3万円台という比較的お手頃価格になっています。腕時計を資産にするという考えで高級ブランドのものを、投資目的を含めて買うこともありますが、SEIKOの腕時計はそのようなスタンスではなさそう。あくまでファッションの一部として日常使いのために購入することが多いのでは? というのが楽天ラクマやFROM JAPANの見解です。
現在はスマートウォッチを使う人も少なくありません。その方が便利ですし、時代に合っているのでしょう。しかし、SEIKOの腕時計の取引が増えているということは、スマートウォッチにはない独特のデザインや針が時間を刻んでいく趣があるアナログに原点回帰しているのかもしれません。
カスタムの需要
SEIKOの腕時計では、カスタムをして楽しむ人もいるそう。ベルトを替えるなどの簡単なカスタムもあれば、腕時計内部の文字盤をアレンジするような人もいます。そのため腕時計本体の他にも、パーツも取引されています。
とはいえ、パーツを取り出して楽天ラクマで売るのが難しい出品者もいると思います。筆者もそうですが、分解していいものかわからないからです。このような場合、例えば動かなくなった腕時計をジャンク品として出品すると、パーツを求める人が購入することもあるのでしょう。いわゆる「部品取り」です。
今後注目したいサンリオキャラやポケモン
越境取引で今後注目したいブランドや商品についてお聞きしたところ、アニメやマンガ、キャラクターなどのIPコンテンツが挙げられました。日本のアニマやマンガが海外でも高く評価されているのは周知の事実でしょうが、特に周年など記念の年を迎えるようなキャラは要チェック。例えばサンリオのポムポムプリンは2026年に30周年を迎えます。
これにともない、さまざまなブランドがコラボ商品を販売しています。例えば、フェイラーのギフトコンセプトショップLOVERARY BY FEILER(ラブラリー バイ フェイラー)と「ポムポムプリン」とのコラボレーション商品が抽選販売になりました。
商品は数量限定、そして日本限定となれば海外のファンは楽天ラクマなどのフリマアプリを通して買うことも少なくありません。
また、ポケモンは今年ポケモンカードゲーム発売から30年を迎えます。それにともなって特別なポケモンカードや関連グッズが販売される予定です。ポケモンカードは世界的にも人気のアイテムになっていますが、今年はさらに熱いカテゴリになるかもしれません。ブランドそのものというよりも、IPコンテンツのようなカテゴリで注目していくのも面白そうです。
また、このような周年でキャラクターが注目されると、昔懐かしのグッズの需要も上がる可能性が。皆さんの家の中に子どもの頃に使っていたグッズが眠っていたならば、出品してみると思わぬ買い手が現れるかもしれません。
少々余談になるかもしれませんが、海外のファンが楽天ラクマのようなフリマアプリに注目するのには、「早く手に入れられる」というメリットもあるからなのだそう。海外で販売される商品もあるでしょうが、実際に店舗に並ぶまでには時間がかかってしまいます。日本で発売になってからのタイムラグが大きいので、ファンにとってはこの時間がじれったいのでしょう。楽天ラクマで買えば、自国での販売を待つよりも早い段階で手に入れることが可能になります。そのため海外のファンからも、楽天ラクマなどのフリマアプリが注目されているというわけです。
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