トランプ大統領「石油は米から買うか、取りに行け」 “戦費負担”アラブ諸国に要求…専門家「間違いなく本心と」
イラン情勢をめぐり、3月31日夜、新しい情報が入ってきました。アメリカのトランプ大統領がSNSで「石油はアメリカから買うか、海峡に行って自分で取りに行け」などと投稿しました。
■トランプ大統領「大変な部分は終わった」

大きな爆発音とともに数多くの火のかたまりと爆煙があがっています。アメリカ軍がイラン中部・イスファハンを攻撃した映像が公開されました。爆発の規模は大きく、複数の場所で爆発が起きていることが分かります。
3月31日、トランプ大統領がSNSに投稿した「爆発の映像」。文章は添えられていませんが、中東メディアのアルジャジーラは、イラン中部・イスファハンへの攻撃の様子だと報じ、アメリカメディアは、アメリカ軍がこの都市にある弾薬庫を狙って、地下に貫通する「バンカーバスター」を使用したと報じています。
トランプ氏自身が“攻撃の継続を示唆する”投稿をする中、アメリカメディアは対照的ともいえるニュースを報じました。
アメリカメディア(3月30日)「トランプ大統領は、ホルムズ海峡の大部分が封鎖されたままであっても、イランへの軍事作戦を終了させるつもりだと側近に伝えた」
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世界的な原油高をもたらし続けているイランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖。トランプ氏はSNSを更新し…
トランプ氏のSNS「イランの指導部排除に関与することを拒否したイギリスのような国々に私から提案がある。1つ目は、アメリカから燃料を購入すること。2つ目は、遅れたが勇気を振り絞り、海峡へ行きとにかく手に入れること。イランは事実上壊滅状態だ。大変な部分は終わっている。自力で石油を手に入れよう!」
「大変な部分は終わった」という言葉とともに、石油入手のための2つの提案をしました。
■専門家“戦費負担”は「間違いなく本心」

これまでも発言が二転三転してきた中、攻撃開始から1か月以上たち、攻撃は継続するのか、終了へと向かうのか。
アメリカのレビット報道官は、イランとの協議は順調に進んでいて、軍事作戦の期間については「4週間から6週間」とした当初の想定から変わっていないとの認識を示しました。さらに、イランに対する軍事作戦でかかった費用を「トランプ大統領がアラブ諸国に負担するよう求める考えを持っている」と明らかにしました。
専門家は本当に負担してもらおうと考えていると話します。
アメリカ政治に詳しい 明海大学・小谷哲男教授「これはイランとの駆け引きで使っているのではなくて、これはもう間違いなく本心だと思います。アメリカとしてはイランの脅威からアラブ諸国を守っているという立場。アラブ諸国はアメリカに対して、今の軍事作戦を中途半端な形でやめてほしくないと伝えている。アメリカとしては戦費が重なっていますので、アラブ諸国に戦費の負担を求める、そういう考えにつながる」
さらに今後については…
アメリカ政治に詳しい 明海大学・小谷哲男教授「まずはアラブ諸国ということでしょうけれども、ヨーロッパや日本に対して戦費の負担を求めるというのは、この先あり得ると」
■重要物資安定確保へ…タスクフォース設置

一方、日本政府も…
高市首相「中東情勢にともなう重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォースを設置しました。国民の皆さまの命と暮らしを守るため、重要物資の安定供給確保のための具体的な対応方針の検討をお願いします」
赤沢重要物資安定確保担当相をトップとするタスクフォースを設置しました。
高市首相は、原油や石油製品の原料となるナフサなどの安定供給確保に万全を期するように指示した上で…
高市首相「特に国民の皆さまの命に直結するものとして、医療物資の供給にも万が一にも支障があってはなりません」
輸血パックや注射器などの医療物資の供給に「万が一にも支障があってはならない」と強調しました。
日本国内への影響はいつまで続くのでしょうか。
■原油高騰に農家「やるしかない…ただ厳しい」

千葉県のコメ農家、多田さん。頭を悩ませるのはイラン情勢の悪化で高騰する原油価格です。
コメ農家・多田正吾さん「(軽油が)10円上がると、1日200L使うので2000円違う」
田植えに使う重機の燃料に加え…
コメ農家・多田正吾さん「田植えに使う肥料。これから頼むものは値上がりしているらしい。運賃(運送費)が上がっているからと」
コメの生産に必要なさまざまなものが値上がりしているといいます。さらに、4月から追い打ちをかけるのが電気料金の値上がりです。
コメ農家・多田正吾さん「水を吸い上げて一面の田んぼを潤す道具。(動力は)電気ですね。電気代上がろうとしてますから大変だと思います」
イラン情勢による原油価格の急騰の影響も、6月使用分から出てくる可能性があります。
コメ農家・多田正吾さん「夏になると水不足で24時間回りますからね。コメも高いといわれるけれど利益が出なくなる。私たちは田んぼで食べている。上がろうとなにしようとやるしかない。ただ厳しいと思います」
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農家から悲鳴があがる中、国も対策を強化しています。
鈴木農水相「農林水産業、食品産業の皆さまから相談を受け付ける窓口を設置」
3月31日、農林水産省は、燃料や石油製品などの供給に関する相談窓口を設置することを発表しました。
鈴木農水相「国全体では(原油の)供給量自体は不足する事態にはなっていないと認識しているが、ただ、一部の流通で若干偏りがあったり、もしくは目詰まりがあるような状況」
農水省の担当者によると、食品工場や園芸業者などで「局地的に燃料が届いていない事例を把握している」ということです。
■幅広い食品対象に“値上げラッシュ”再燃か

イラン情勢をめぐり、混乱を招いている日本経済。一方で、4月1日からは、原材料の高騰を主な原因として食品や飲料も値上げされます。
帝国データバンクによると、その数2798品目。マヨネーズやドレッシング類を中心とした調味料が最多で、即席麺やカップスープなどの「加工食品」、「酒類・飲料」が続きます。
イラン情勢の影響については今年後半に出てくると予想されていて、原油調達が難しくなっていることや円安の長期化により、幅広い食品を対象に値上げラッシュが再燃する可能性があるとしています。
(3月31日放送『news zero』より)