こうした市場と時代性の変化に対して、PCメーカーはどう対応しているのだろうか?

日本HPは昨年12月にプレミアムノートPCの新製品を発表した。
さて、日本HPと聞いて、どんなPCを想像するだろうか?

一般の人にとって日本HPのPCとは、古くからPCを利用している方なら白いデスクトップPCや、法人向けの黒いPCを思いだすかも知れない。
日本HPに詳しくない方なら、あまりこれと言った色(良い印象・悪い印象)が付いてない、そんなPCメーカーなのではないだろうか。


実際、HP(グローバルブランド)のPCは堅牢性やセキュリティなど、法人仕様に合わせた製品開発が得意なメーカーである。しかし最近では、アジア市場に合わせた薄型・軽量モデルもラインナップするようになり、モバイルノートPC市場でも強みを発揮している。

日本市場における日本HPのプレミアムノートPCは好調で、ますます力を入れていこうとしている製品ブランドである。

これまで各社のノートPCと言えば、閉じた本のような箱形だった。
HPは他社との差別化を図るためデザインと実用性を兼ね備えるべく、角を斜めに切り落としその部分にUSB端子を取り付けて取り回しの自由度をあげ、側面にゴールドのフレームを施して高級感を打ち出したプレミアムノートPC「Spectre」シリーズを発売。法人・個人を問わずデザインでも訴求する新しいモデルも生み出している。


デザインだけではなく、タブレット型に可変するコンバーチブル型でもあり、様々な用途、業務に対応できるほか、タッチ操作やペン操作などユーザーニーズをすべて網羅する形で高い評価を得ている。


今回新たにラインナップに加わったのが「ENVY」シリーズの「ENVY x360 13」と「ENVY x360 15」だ。それぞれディスプレイサイズが13.3型と15.6型のモデルである。

Spectreシリーズのような、ひと目でわかるようなプレミアム感を打ち出した製品ではないものの、持ち運びやすい薄型デザインに2 in 1コンバーチブル、タッチパネル、ペン操作を可能とした実用性を兼ね備えたモデルである。


中でも注目したいのが、キーボード下のパームレスト部分を天然の木材とした「Wood Edition」だ。キーボード入力時の手のひらが当たる部分が、木材なので温かみを感じるのである。

この木材を採用することのメリットは、他にはないインパクトがあるデザインだけではない。最近の高性能ノートPCは製品寿命が長くなっている。長く使用することで、パームレスト部分のテカリや塗装のはがれなど、外観の痛みや消耗が顕著化する。

HPでは、ノートPCの製品寿命が長くなることに対して、本革の外装を用いた製品の開発などで経年変化でも愛着がわく取り組みを行っている。まさに、このWood Editionはまさに木材の経年変化を利用して自分のPCとしての愛着が増す、そんな製品なのである。


本革とメタルのミクスチャーで、新しい価値観を生み出した「HP Spectre Folio 13」


日本HPは新製品発表会で、YouTubeなどの動画クリエイターを目指す若い世代にもノートPCを注目してもらえるように、
・スペックや画面サイズなどで、スマートフォンを超える
・スマートフォンの購入動機と同じ自分を高めてくれるようなデザイン
これらを訴求すると発表している。


いまや、モバイルPCでもデジタルカメラの高画素機の画像編集もらくらくこなすようになり、動画編集においても十分な性能を持つようになった。
低調なPC市場においても売上が好調だという日本HPのプレミアムPCは、買い替え需要に対してしっかりとニーズに応え、ほかにはない自分らしさを実感できるデザインで新しいユーザー獲得に成功しているという証なのである。

日本HPは、薄利多売の時代から、多様化した選択する時代への交代タイミングにおいて、プレミアムPCとしてのブランディングで成功した。いまや日本HPのカラーは、プレミアムPCと言っても良い、そんなPCメーカーなのではないだろうか。
執筆  mi2_303