ランキング下位でも良いクルマは存在

 2019年4月までの乗用車販売台数のランキングを見ていると、日産ノート、トヨタ・プリウス、トヨタ・アクアの3強は相変わらずで、日産セレナ、トヨタ・ヴィッツ、トヨタ・カローラ、トヨタ・ルーミー、トヨタ・シエンタ、ホンダ・フィット、トヨタ・ヴォクシー、ホンダ・フリードなどがベスト10でしのぎを削っている。

 だがしかし、ランキング下位でも、つまり販売台数がふるわなくても、じつはいいクルマが存在する。ここではそんな陰に隠れた!?  おすすめモデルを紹介したい。販売台数が少ないということは、街ですれ違う機会も少ない“個性的”な選択にもなりうるわけだ。

1)ホンダ・ジェイド

 2019年4月の乗用車販売台数ランキングで30位にも入っていないホンダ・ジェイド。ここで推すのは、マイナーチェンジを機に追加された2列シートモデル。ホンダ・ジェイドの3列目席は狭く、座りにくく、それが販売低迷の理由にもなっていたはずだが、ホンダ・アコードワゴンの後継? ともいえるニュースタイルワゴンのジェイドRSハイブリッドは文句なく「買い」である。

 2列シートの後席には後席エアコン吹き出し口の装備はもちろん、アームレスト付きベンチシートの中央座席部分を180度回転させ展開すると、カップホルダー&トレーが出現。ベンチシートでもぜいたく感あるキャプテンシート感覚の居心地もなかなかのもの。

 後席ニースペースは身長172cmのドライバー&乗員基準で約270mm。ホンダのフラッグシップセダンのレジェンド+10mm、ライバルと目されるレヴォーグ+140mm(いずれもホンダ調べ)というゆとりある空間を確保。スライド機構を廃したため、シートクッション&背もたれの厚みを増し、振動の少ないソファ感覚の掛け心地を実現している。

 走りもいい。低重心パッケージ、専用サスペンション、18インチタイヤが功を奏す回頭感、安定感抜群の操縦性、フットワークが際立ち、気持ち良く走ることができる。ワゴン化されたことで、アウトドアやペットとの乗車にも最適になっている。

2)ホンダ・シャトル

 2019年4月の乗用車販売台数のランキングで48位に沈んでいるホンダ・シャトルは、フィットベースの5ナンバーのコンパクトワゴン。

 国産ワゴンが少なくなったいま、希少なワゴンモデル。走行性能はホンダ・フィット同等だが、センタータンクレイアウトによる超低床ワゴンパッケージ、ラゲッジの使い勝手、後席格納時にフロアが低くフラットになるシートアレンジ性、ワゴンライフをより充実したものにしてくれるホンダ純正のアクセサリーを用意するなど、じつはワゴンとして本格な機能を装備。5月のマイナーチェンジによってデザインもより洗練され、商品力を増している。

 クルマは安く、コンパクトであってほしい、でも荷物はいっぱいラクに積みたい、ペットを快適に乗せたい……そんなユーザーにぴったりなのが、ホンダ・シャトルである。

売れ筋モデルにも勝る収納や走りを持つクルマも!

3)スバルXV

 スバル・フォレスターやスバル・インプレッサに注目が集まるスバルのラインアップのなかで、じつは「ベスト・オブ・スバル実用車」と断言したいのが、スバルXV。

 スバル・インプレッサスポーツのクロスオーバーモデルだが、とくにスバルの電動技術e-BOXER搭載モデルの走行性能はピカイチ。濃厚極まるエンジンフィール、Xモードによる高い悪路走破性能は感動に値するほど。アイサイトももちろん装備。アウトドア派、雪国のユーザーには絶対におすすめである。

 スバル・インプレッサほど売れていないので、個性的でもある。爽やかなラグーンブルーパールのボディカラーがイチオシだ。

4)VWゴルフトゥーラン

 フォルクスワーゲンのゴルフは昔からほぼ国産車に近い親しみある、世界のコンパクトカーの基準車。日本でももちろん大人気で、2018年にはハッチバック、ワゴンのヴァリアントの合計で17558台を販売している(ハッチバック12993台、ヴァリアント4565台)。

 そのゴルフをベースにした1台が、3列シートミニバンのトゥーラン。2018年の年間販売台数は3691台と、SUVのティグアンの4772台にも及ばない売れ行きだ。しかし、乗ってみるとゴルフより乗り心地が良く、静かで走りは上質そのもの。もちろん、見晴らしも良く、収納も豊富で、じつに使いやすい。

 また、3列目席を床下にフラットに格納すれば、ゴルフヴァリアント真っ青の大容量ワゴンに変身。2列目席までフラットに畳めば車中泊もOKで、小さな引っ越しまで可能なクルマになる。ガソリンターボに加え、ゴルフでは選べないクリーンディーゼルのパワーユニットが選べるのもポイントだ。