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今回はモンテディオ山形を中心としたWEBマガジン「Dio-maga」からPR活動に関する記事になります。


【嶋コラム:ピッチの片隅で魂を叫ぶ】日常からモンテディオへと繋ぐ「等身大パネル」(3603文字)(Dio-maga)
2015年04月15日更新

4月11日午後2時のイオンモール天童センターコート。モンテディオの日郄慶太、高木利弥、中村隼、摂津颯登の4選手がホームゲーム集客のPR活動を行い、試合告知のチラシを配りながら写真撮影に応じていた。
選手がいる背後のパネルには、ほぼ同じ大きさの選手が腕組みをして立っている。パネルと人間とはいえ、同じような顔が2つ並ぶ光景はなかなか見られるものではなく、それがプロのサッカー選手なのだから、インパクトもさぞ強いことだろう。

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当日のイオンモール天童。大勢の買い物が選手と写真を撮って触れ合っていた。

現場の反応はと言うと、現在ネット上で話題を呼んでいる、イケメンルーキーの摂津颯登がやはり大きい。
新宿でモデルにスカウトされたことがあるという実話を持つ摂津は、誰もが羨むような端正な顔立ちだ。若い女子はおろか年配の女性まで黄色い声を挙げてしまうのだから、納得せざるを得ないだろう。
そんな摂津効果もあってか、センターコート周辺は、通り過ぎる買い物客と写真撮影に並ぶ列で大きく賑わっていた。


等身大パネルと摂津颯登。実物もイケメンで、女性客がとても喜んでいたのが印象的だった。

そんな活動の様子を取材していると、会場に居合わせた顔見知りの女性サポーターに話しかけられた。
「今、『この選手は誰?』って聞かれたのよ〜」
相手は二十歳前後と思われる男性。高木利弥の名前は知らなくても、せめて元日本代表の高木琢也の息子と聞いて「へ〜」と頷いて欲しかったそうだが、それも知らなかったという。
世代の違いを感じながらも、すぐ近くにいた彼を見てみると、高木利弥と一緒に仲間内で楽しそうに写真を撮っていた。
ふと周りをみて、そういえばとようやく雰囲気の違いに気付く。この日の写真撮影の列に並んでいた、あるいはその脇を通り過ぎた客層を見る限り、モンテディオをほとんど知らない人たちが少なくとも半分以上はいたのではないだろうか。

大型商業施設「イオンモール天童」は、2014年3月21日オープンし、先月1周年を迎えている。AEONと130の専門店からなる79,000?の敷地面積は山形県内陸地方では最大で、15年3月15日には、徒歩3分の距離に天童南駅も開業したばかりだ。

こういった話題の大型商業施設にサッカーと関わりが薄い人たちが大勢訪れているのは、別に珍しくもなんともない。ただ、そういった新鮮な反応が得やすい客層が大勢いる前でPR活動ができるという、その露出効果に少し驚いた。


子供と写真を撮る日郄慶太(奥)と中村隼(手前)。選手とパネルの前で一緒に写真を撮れるのは貴重な機会だ。

モンテディオ山形の広報に話を聞いたところ「モンテディオ山形に初めて触れる方が非常に多かったです。モンテディオ山形を知ってもらう良いきっかけになるのでは」とのこと。やはり反応は新鮮だったようだ。

イオンモール天童には、現在も週末の土日となれば25,000〜30,000人の買い物客が訪れるという。PR活動が行われた土曜日午後2時頃も3,000〜4,000人もいたそうで、そういった大勢の客の中でPR活動ができるのは、モンテディオにとってもありがたいことだろう。

この日は用意したチラシ1,000枚全てを1時間で配りきった。この露出度の大きさはクラブ側も把握しており、すでに4月19日には次のサイン会実施も決定し、選手2人が稼働する予定となっている。今後も継続的に活動を続けていく方針なのだそうだ。

では、こういった買い物が大勢集まる会場を提供したイオンモール天童側は、モンテディオとの関わりについてどう考えているのだろうか。イオンモール天童営業担当の植本佳祐さんに話を伺った。

「モンテディオ山形さんとは、以前からお付き合いをさせて頂いておりましたが、J1昇格を機に、イオンモール天童としても、モンテディオ山形さんと共に街を盛り上げていこうという考えが強くなってきており、色々な取り組みをさせて頂いております」

モンテディオとの関わりが今年になってより強くなっているのは間違いない。

例えば、ホームゲームで貰ったマッチデープログラムをイオンモール天童に持って行くと各種割引が受けられる、モンテディオとのコラボ企画「サポトク」が今年からスタートしている。

ホームゲームの帰りにイオンモール天童に立ち寄れば効果的に使うことができるし、持ち歩けばそれ以外の日でも使える。有効期限こそあるものの、ホームゲーム毎に新しく更新されるため、毎試合スタジアムに通っていれば、何度も割引が受けられる仕組みだ。

他にも、試合の日には事務員とインフォメーションスタッフと荷物の配送スタッフが、モンテディオのユニフォームを着て仕事をしており、インフォメーションセンター付近にグッズと展示したブースを設け、館内に試合日程を告知する大型バナーを設置するなど、開業以来、日頃からモンテディオの後押しを積極的に行ってくれているのがイオンモール天童だ。

そして最も目立つ取り組みが、冒頭にも挙げたモンテディオの選手達の等身大パネルの設置だろう。今年3月22日から一階センターコートに設置されている三角の柱10本のそれぞれの面には、28名の選手とモンテスとディーオがパネルになって立っている。


選手の等身大パネル。他にも今年のオフィシャルポスターのパネルや試合結果を掲示するパネルも設置されている。

パネルを見ると、右側には身長の目安となる目盛りもついているため、実際の選手の大きさがひと目で分かる工夫もされていた。
「サッカー選手は、実際にはこれくらいの大きさなんだとよく伝わると思います。スタンドから見ていても、実際の選手の大きさは伝わりづらいものもありますので」と植本さんは話す。

パネルを設置したことについて聞いてみると、植本さんはこう続ける。
「聖地になって欲しいですね。試合の前に寄っていただいて、『写真を撮って試合を見たら勝った』なんて言われるようになれば嬉しいです。写真をSNSにアップしてもらうだけでも、それが色々な方に伝わって盛り上がるのではないでしょうか」

ネットの口コミは決して馬鹿にできない。それどころか、現在の宣伝活動の中心はSNSをはじめとしたネット上にシフトしてきている。
「アジアの大砲の息子とイモ天で写真を撮った!」という文句ともに、写真がツイッターやLINEなどに流れれば、それだけでもモンテディオが広く発信されていく。
等身大パネルや選手との撮影会は、そういった口コミを広げる「話のネタ」になるものだ。

植本さんによれば、この等身大パネルは反響が大きければ今後も継続した設置を検討したいとのこと。4月に新加入した高木純平のパネルの追加も検討しているそうだ。

ぜひとも今後も継続して設置していただいて、モンテディオとの関わりもより深めて欲しいと願っている。

そういえば以前、買い物でイオンモール天童に足を運んだ際に、このパネルの前で子供がパネルの選手と背比べをしている姿を見かけたことがあった。別の機会には学生がパネルの写真を撮ったり、「○○選手だ!」と話しながら通り過ぎて行く家族連れも見かけた。

選手の等身大パネルでは生の選手に会うことは出来ないが、逆に言えば、より手軽に、時間を合わせる必要もなく、いつでも選手と触れあえるというメリットが生まれてくる。そしてそこに選手本人が訪れれば、イベントをさらに盛り上げる雰囲気作りに一役買うことになるはずだ。

個人的には、こういった選手のパネルは、ぜひスタジアムに設置して欲しいと常々考えていた。スタジアムで写真を撮らせてネット上にアップさせれば盛り上がるだろうという考え方は一緒だ。もちろんそれは今からやっても面白い施策だろう。

しかし、こういった大勢の人が訪れる場所に設置することで、日頃の会話や隣を通り過ぎた時など、何気ない日常の一場面からモンテディオを気軽に感じさせることも、大事なアプローチ方法のひとつだと感心させられた。

モンテディオ山形を広めるためには、スタジアムの中だけではなく、日常から触れさせることも必要なのだと。

「日常からモンテディオへと繋ぐ良い仕掛けだな」
そう勉強させていただいたと思う。


「Dio-maga」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。

【5/4練習後の石崎信弘監督コメント】ポカが無くなればなんぼでも失点は減らせるよ。この前もハラハラじゃったからな(2788文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/05/04/post553/

【5/4練習後の選手コメント】西河翔吾選手「勝てば順位も上がるだろうし、早く下の順位から上がりたい」アルセウ選手「コンディション的にはすごいいいい。しっかり準備しているので、問題はないです」(1007文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/05/04/post550/

【5/4練習レポート】身体だけでなく頭も休めましょう。(1884文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/05/04/post535/