鹿児島読売テレビ

写真拡大

 日本の宇宙産業を20年以上にわたり支えてきたH2Aロケット。その最後の機体となる50号機がきのう種子島から打ち上げられました。50号機は搭載していた地球観測衛星「いぶきGW」を所定の軌道で切り離し、打ち上げは成功。有終の美を飾りH3ロケットにバトンを託しました。

(磯脇琢磨アナウンサー)
「今リフトオフしました。H2Aロケット最後の機体、50号機がゆっくり上昇していきます。空一面が一瞬にして明るく輝きました。轟音と思に、暗闇を切り裂いていくようです」

6月29日午前1時33分、H2Aロケット最後の機体、50号機が種子島宇宙センターから打ち上げられました。順調に飛行は進み約16分後…

 搭載していた地球観測衛星「GOSAT‐GW」愛称「いぶきGW」を所定の軌道で切り離し、打ち上げは無事、成功しました。

(JAXA・山川宏理事長)
「いろんな方の努力あるいは期待というものに積み重ねて今がある」

(三菱重工業H2Aロケット打上執行責任者・鈴木啓司さん)
「成功したというのがちょっとまだ夢を見ているみたいという気持ち。喜び爆発というところまでいかなくてドキドキが続いている」

H2Aロケットの1号機が打ち上げられたのは2001年の8月。日本の新たな主力ロケットは5機連続で成功し、その歩みは順風満帆かと思われました…しかし。

(場内アナウンス)
「破壊指令を送信しました。状況分かり次第お知らせします」

(記者)
「ミッションを達成できないため破壊指令信号を送るとのアナウンスです」

 2003年6号機。2本ある固体ロケットブースターのうち1本の切り離しができず、衛星を予定の軌道に投入できないと判断。地上からの指令で爆破され、打ち上げは失敗しました。

 関係者は信頼回復のため原因究明や改良試験に奔走。6号機の失敗から1年3ヶ月後に7号機は打ち上げられ、技術者たちの情熱の光が夜空を黄金色に焦がし、種子島に希望の光が戻ってきました。

 それから20年あまり。H2Aロケットは44機連続で成功、成功率98%という世界最高水準の信頼性を築き上げました。

(三菱重工業防衛・宇宙セグメント宇宙事業部・五十嵐巖部長)
「今までの信頼というものをH3に引き継いでしっかりと打ち上げというものを進めていきたいと三菱重工として全力で取り組んでいきたい」

 H2Aロケット最後の輝きは県本土にも届いていました。南九州市では「薩摩富士」開聞岳と一緒に。水面に力強い光が映し出されました。

 こちらは鹿屋市の荒平天神。学問の神様・菅原道真公が祀られる神社で科学者・技術者たちの知の結集ロケットの打ち上げが見守られました。

 この感動を発射場から最も近い場所で目に焼き付けた観客たちは…

(名古屋か)
「初めて見たが感動した。音の響きがすごかった」

(見学したこども)
「ここの周りが火みたいにぶわってなってすごくおもしろかったです」

(兵庫県から)
「さみしいと思うことはあるが、次のH3ロケットやイプシロンロケット、次世代のロケットに期待していきたい」

 24年にわたり日本の宇宙技術の歴史を積み重ねてきたH2Aロケット。人々の思いを宇宙へと運び続けたロケットは有終の美を飾り引退です。新たな基幹ロケットH3ロケットにバトンを託しました。