今や「美のカリスマ」元天才子役・安達祐実の奇跡はこうして成された 神童と呼ばれる重み

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一昔前と違う子役事情

芸能ビジネスの世界では、長らく「子役は大成しない」と言われてきた。「子役で大成したのは故・美空ひばりさんくらい」という言葉もあった。だが、今やそんなジンクスは完全に消えた。

子役としてデビューし、現在も第一線で活躍する俳優、女優はというと、池松壮亮(29)、神木隆之介(26)、染谷将太(27)、中川大志(21)、濱田岳(31)、柳楽優弥(29)、井上真央(32)、杉咲花(22)、志田未来(26)、松岡茉優(24)、宮崎あおい(33)と、枚挙に暇がない。

池松壮亮はハリウッド映画『ラストサムライ』(2003)の撮影当時12歳だった(photo by gettyimages)

なぜ、昔は子役が大成しにくかったのか? 第一に、子供のころからスター扱いを受けることで、感覚が麻痺する者がいたためらしい。スタッフに対して居丈高に振り回ったり、浪費を繰り返したりする子役がいたという。売れなくなった後も浪費癖が直らず、犯罪に走ってしまった者もいた。市井の人と感覚がズレてしまったら、いい俳優、女優になるのは難しいだろう。

「今の子役出身者は違いますよ。元子役だからダメなんてことはありません」。そう語るのは芸能ジャーナリストの渡邉裕二氏だ。そうなった理由の一つは、芸能プロダクションが子役時代から一貫してマネージメントするようになったから。子役の面倒を一生みる覚悟で育成や仕事選びをしている。

以前の子役は多くが児童劇団や子役専門プロダクションに所属していたので、思春期以降のマネージメント能力面が弱かったようだ。また、売れっ子の子役を甘やかしてしまうこともあったらしい。今は有望な子役を児童劇団や子役専門プロダクションからスカウトする芸能プロダクションも多い。

再生回数365万超

「社会も変わりました」(渡邉氏)。昭和期には、子役として働く子供の稼ぎをあてにする親もいた。その収入を巡って両親が不仲になるケースもあった。だが、最近の親は、大半が子役を稽古事の一つと考えていたり、俳優や女優になりたい子供の夢を実現させる手段に過ぎないと考えていたりするという。

子役が大成しても不思議ではない時代になったわけだが、そのパイオニアは安達祐実(38)に違いない。子役時代から現在までほぼ切れ目なくドラマや映画に出演し続けている上、近年は、女性の間で「美のカリスマ」として支持されている。ビューティマガジン『VOCE』(講談社)の企画で9月20日に公開した安達のセルフメイク動画は、再生回数が365万回以上にも達しているのだ。

週刊プレイボーイ2019年10月7日号(2019年09月14日発売)より

男性からの人気もまた高い。『週刊プレイボーイ』9月14日発売号の表紙とグラビアに安達が登場すると、その美貌や清潔感ある色気などが評判となり、スポーツ紙などがニュースとして扱ったほどだ。

とはいえ、ここまでの安達の道程は決して平坦ではなかった。子役として「超」が付くほど売れっ子だったことが、足枷となった時期があった。

どの役をやっても…

安達がモデルとしてデビューしたのは2歳の時。その後、天才子役と呼ばれるようになり、12歳だった1994年には主演ドラマ『家なき子』(日本テレビ)が大当たり。最終回の視聴率は37.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に達し、翌1995年には続編も作られた。これにより、あの時代に生きていたすべての人の頭の中に、安達の名前と姿が焼き付けられたと言っても過言ではない。

その後も順調にドラマ、映画へ出演するが、困ったことが起こる。「どの役をやっても『家なき子』にしか見えない」という状態が続いたのだ(2019年3月23日付、スポーツ報知の本人インタビューより)。生身の安達は成長し続けているのに、見る側の頭の中には子役の安達が存在し続けた。あまりにも『家なき子』が当たってしまったツケだった。

長く安達の取材を続けてきた前出の渡邉裕二氏が語る。
「子役のイメージを払拭するため、水着写真集を出したり、映画でヌードになったりした。脱・子役のための努力でした」

高校3年生の時に水着写真集『Yumi Adachi 17歳』を出し、2014年の主演映画『花宵道中』でヌードを披露したことだ。本人なりに熟慮した末のことだったようだ。子役出身の女優の場合、声が変わらないこともネックになる。声変わりしないので、大人になった後も、見る側は子役時代のことを想起してしまいがちなのだ。

スキャンダルがない

子役のころから活躍していると、見る側の親近感が強くなりすぎて、一人前の俳優、女優として見られにくくなってしまうという弊害もある。子役が、まるで幼い頃から見てきた隣家の子供のように思えてしまうのだ。そんなこともあり、子役から俳優、女優になる間、受験などに合わせて休養期間を設ける者も少なくない。井上真央らがそうだ。

話を安達祐実に戻そう。安達は大きなブランクもスランプもなく、安定した人気を得ている。なぜだろう?

photo by gettyaimages

「まず、子役のころに『天才』と言われたくらいで、演技の土台がしっかりしている。なにより大きいのが、本人が何事に対しても真面目であるところでしょう。離婚と再婚こそあったものの、スキャンダルというものが一切ない」(前出・渡邉氏)

確かにそうだ。芸歴は36年にもなるが、スキャンダルはなかったし、「態度が悪い」といったネガティブな報道も皆無。2005年にお笑いコンビ、スピードワゴンの井戸田潤と結婚し、1女をもうけ、2009年に離婚したが、その際も安達側の非を指摘する報道はなかった。2014年にはカメラマンの桑島智輝氏(41)と再婚。2016年に男児を出産した。女性として、母親として、非難されるところがないのも人気につながっているようだ。

ずっと同じ時代を生きてきた

2018年6月には人気シンガーソングライター、吉澤嘉代子(29)のシングルCD「ミューズ」のジャケット写真にセミヌードで登場した。露出度は高いのに、決して卑猥ではなく、透明感のある美しさが話題になった。吉澤は女性にも人気のあるアーチスト。女性ウケも狙ったのだろう。

「安達さんの強みは女性にも人気のあるところなんです。特に30代から40代の女性に支持されている。これは子役出身ならではですが、ずっと同じ時代を生きてきたことで、共感されているのでしょう」(同・渡邉氏)

ずっと一緒の時代を歩んできた子役出身の俳優、女優に共鳴する・・・。芸能人と見る側の新しい関係なのかも知れない。

安達の場合、40歳を2年後に控えながら、若々しいのも魅力の一つだろう。それについて本人は『VOCE』の9月23日付デジタル版でこう語っている。

――年齢を重ねて老けるどころか、進化し続けている秘訣は?

「う〜ん。『こうでなければいけない』的な意識がないからかな。求められることをやる、という職業を36年も続けてきたからか、自分自身のキャラをそんなに強く押し出すタイプではなくて。だから、どんな風にも変わっていけるのかなと思います。『こういうのが新しいよ』と言われればそうなれるし、何の未練もなく次に行ける。『わたしはこうだから!』を貫くと、だんだんそれが古くなってしまうような気がします」

飾らない言葉だ。これもまた安達の人気の一因なのだろう。