カートの菌により容態が急変した男児(出典:http://www.heraldsun.com.au)

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小さな子供を連れて買い物に出る人は多い。しかし普段何気なく使用しているスーパーのショッピングカートが、思わぬ悪夢を引き起こすとは誰が想像できるだろうか。そんな恐怖の経験をした豪ゴールドコースト・パシフィックパインズに住む母親が、このほどFacebookで子供を持つ親たちに注意喚起を促した。

5人の子供の母であるヴィヴィアン・ウォードロップさん(35)は今月13日、末っ子の10か月になるローガン君を連れて、ゴールドコーストのへレンズベールに買い物に出かけた。

買い物中、ローガン君はショッピングカートに乗っていた。それから24時間後、ローガン君の体調が悪化した。激しい下痢と嘔吐が起こり39度の高熱が出たため、心配したヴィヴィアンさんはかかりつけのクリニックへ連れて行った。

そこでウイルスと診断されたもののローガン君の容態は良くはならず、血便まで出たという。15日になってもローガン君は一向に回復する様子を見せず、ヴィヴィアンさんはローガン君を連れてゴールドコースト大学病院へ向かった。

血液検査のため針を刺しても泣きもしないほど、ローガン君はぐったりしていたそうだ。乳児の平均心拍数は1分間に100〜140回と言われるが、その時のローガン君の心拍数は220にまで上り、熱も39.5度で脱水症状を起こしていたため、すぐに集中治療室に移された。

検査の結果、ローガン君はアデノウイルス、ロタウイルス、サルモネラ菌に感染していることが判明し、さらに髄膜炎にまでなっていることが分かった。抗生剤の投与を続け集中治療室で8日間の治療を受けたローガン君は、合計10日間も入院しなければならなかった。

ヴィヴィアンさんは『Daily Mail Australia』に「あの時のことを思い出すと今でも涙が出そうになります。息子の体重は3日間で総体重の10%に当たる800グラムも減ってしまいました。5人の子供を育てていますが、あんなに具合が悪くなった子供を見たことはなかったのでとても心配しました」と当時の心境を語っている。

ヴィヴィアンさんによると、ローガン君はショッピングセンターへ連れて行った以外に1週間どこにも外出していないという。そうなると、原因として考えられるのはショッピングセンターでローガン君を乗せたカートの手すりだけだ。医師は、確証はないものの菌が付着していた手すりを触った手をローガン君が口に入れてしまい感染した可能性が高いと話している。

現在、ローガン君は退院しており、少しずつ回復に向かっている。完全に良くなるまでにはあと10日ほどかかるそうだ。ひょんなことから子供の容態が悪化し緊急入院となってしまったことを、ヴィヴィアンさんは自身のFacebookに綴り、同じ子供を持つ親に「こういうことが起こらないとは限らないので、じゅうぶん気を付けてあげて」と注意喚起を促した。

今回の件に関してショッピングセンターのスポークスマンは、ショッピングカートは個々の店の責任であるためにコメントは差し控えたいとしている。ローガン君の病気の原因になったカートを所有していたスーパーでは事実を調査中だということだ。

Facebookでのヴィヴィアンさんの注意喚起には、現在6700超のシェアと2300件を上回るコメントが寄せられている。

出典:http://www.heraldsun.com.au
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)