「年収を上げる転職って?」|お金の教科書Vol.90
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは、「年収を上げる転職って?<前編>」です。
今回の先生

「労働人口が減る今、転職市場は売り手市場ですよ」
転職コンサルタント・森本千賀子もりもとちかこ morich代表。転職エージェント事業の支援ほか、各地で講演を行う。『リミットレス時代の転職術「選ばれる人」の新常識』(新星出版社)など著書多数。
生徒代表

「求められているのはどんな人ですか?」
貯蓄未知子ちょちく・みちこ 34歳・会社員。都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形3万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。一昨年からNISAをスタート。
自己実現から逆算して働く場所を考える
未知子
物価高は止まらないし、でも給料は上がらないし。最近、頭に転職がよぎります。去年辞めた元同期が「転職して年収が上がった」と話していたこともあって。でも、今の転職市場って、どんな状況ですか。
森本
労働人口が減る今、売り手市場ではあります。新卒も中途採用も、常に求人はある状態ですね。
未知子
転職する人って、実際に多いんでしょうか。
森本
多いですよ。この4月入社の社会人1年目の人たちですら、“転職が前提”で入社している人は多いと思います。
未知子
そうなんですか?
森本
“一枚の名刺で人生を全うする”といわれていた時代はもう遠い過去。今は自己実現を叶えるためにはどういった企業で働くのがベターなのか、どの選択肢が最適なのか、逆算して働く場所を考えるのが当たり前になりつつあります。“ビジネス人生50年時代”ですからね。
未知子
50年! ぼんやり、同じ会社で働いている場合じゃなかったか…。
森本
もちろん、今の会社に満足しているならいいんですよ。でも多くの企業はもう、年功序列や終身雇用を前提に採用はしていません。会社にいるだけで給料が上がっていく、というのは幻想だと考えた方がいいと思います。もし、今の会社で年収を上げたいと思うなら、職位を上げるための本気と覚悟があるか。一度考えてみることをお勧めします。
未知子
なるほど。でも今の会社でのキャリアに停滞を感じているのも事実だし、年収を上げる転職なら、興味があります。左下のデータを見ると上がっている人が多いようだし。
森本
ただ転職も残念ながら全ての方にチャンスがあるわけではなくて、求められる人材の二極化は進んでいますね。
未知子
というと?
森本
即戦力になる経験と実績があり、スキルがある人はどの業界でも、どの職種でも複数オファーがあり、年収アップしていきますが、一方でAIで代替できるような仕事だと、年収アップには繋がりにくいです。
未知子
年齢は? 歳を重ねるほど、難しくなりませんか?
森本
今は全く関係ないですね。その年収に見合った経験をしているかどうか、判断基準はそこなので30代後半でも40代でも、経験値が高ければ就職に困ることはありません。
未知子
では、年収を上げる転職、どうしたら成功しますか?
森本
それは次回お話ししますね。

2025年 正社員の転職理由は!?
正社員の転職率は7.6%で過去最高水準※

※ 国勢調査における正規雇用者全体の構成比に合わせたスクリーニング全回収数(2万名)のうち、該当期間(各1年間)に転職したサンプルの割合
20代は「働く環境に不満があった」「仕事内容に不満があった」、30代は「今後の昇進や昇給が見込めないと思った」という転職理由を挙げる人が前年より増加。歳を重ねるほど、昇進や昇給の見通しといった、中長期的なキャリア展望を起点とした転職理由が強まる傾向に。
2025年 年代別 転職後の年収変化

出典:「マイナビ 転職動向調査2026年版(2025年実績) 調査対象者:正社員として働いている20代〜50代の男女のうち、2025年に転職した人 有効回答数:1446名
転職後の平均年収額は533.7万円。特に転職後の増加額が大きいのが30代。職場環境に慣れるのは大変でも、背に腹は代えられない!?
★次回は、2494号(5月1日発売)掲載予定です!
イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝
anan 2492号(2026年4月15日発売)より

