こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した超新星残骸「はくちょう座ループ(Cygnus Loop)」のクローズアップ。


満月の見かけの直径の6倍にわたって広がるはくちょう座ループのうち、写っているのは北東部分の狭い範囲です。


一見するとCGアートのようですが、爆発で吹き飛ばされた星の物質が周辺の物質と衝突して生じた衝撃波面、その様子が繊細に描き出されています。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した超新星残骸「はくちょう座ループ」のクローズアップ(Credit: NASA, ESA, Ravi Sankrit (STScI); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI))】

超新星残骸は、太陽の8倍以上の質量を持つ大質量星が超新星爆発を起こした後に観測される天体です。爆発した星の周囲に広がるガスを衝撃波が加熱することで、可視光線、電波、X線といった電磁波が放射されていると考えられています。


地球からはくちょう座ループの中心までの距離は、約2600光年。全体では直径約120光年の泡のような形をしています。私たちが見ているはくちょう座ループは、爆発から約2万年が経った姿だとみられています。


前述の通り、幅およそ満月6個分という見かけ上も広大な天体であるため、明るい特徴的な部分は「網状星雲(Veil Nebula)」などの別名でも呼ばれています。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した超新星残骸「はくちょう座ループ」のクローズアップ、アニメーション画像バージョン。2001年に当時搭載されていた「広視野惑星カメラ2(WFPC2)」で取得したデータと、2020年に「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータを使って作成されたもの(Credit: NASA, ESA, Ravi Sankrit (STScI); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI))】

ハッブル宇宙望遠鏡は、はくちょう座ループのこの部分をたびたび観測しています。NASA=アメリカ航空宇宙局からは、2001年と2020年に取得したデータを使ったアニメーション画像も公開されていて、毎時80万km以上の速度で伝播し続ける衝撃波の様子を見ることができます。


冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータを使って作成されたもので、NASAから2023年9月28日付で公開されました。


本記事は2020年8月27日公開の記事をその後の公開画像をもとに再構成したものです。


関連画像・映像

【▲ 地上の望遠鏡で観測した超新星残骸「はくちょう座ループ」の全体像。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測したのは画像左上のごく狭い範囲(Credit: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage) and WIYN/NOIRLab/NSF/AURA - https://noirlab.edu/public/news/noao1209/)】

 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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