職場の同僚はボーナスを全額NISAに回しているそうです。一方で私は銀行預金派…。今の時代、どちらが一般的なのでしょうか?
ボーナス全額NISAは積極的だが万人向けではない
金融庁のNISA口座の利用状況調査によれば、2024年の新制度開始以来、NISA口座数は700万口座以上増えています。
2023年12月末時点では2125万口座、2025年12月末には2826万口座となっており、NISAでの買付額は累計71兆円(2025年12月末)となっています。
図1
出典:金融庁 NISA口座の利用状況調査(令和7年12月末時点(速報値)) NISAの利用状況の推移(グラフ)
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。通常、投資信託や株式の売却益、配当などには約20%の税金がかかりますが、NISA口座で得た利益は非課税になります。2024年からは制度が拡充され、非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠も広がりました。
そのため、資産形成を考える人にとってNISAは使いやすい制度です。ボーナスを全額NISAに回す同僚は、将来の資産形成をかなり意識している人といえるでしょう。
生活防衛資金がすでにあり、住宅費や教育費の見通しも立っているなら、ボーナスを投資に回す選択は合理的です。
ただし、全額をNISAに入れる方法は、すべての人に向いているわけではありません。投資信託や株式は価格が上下します。ボーナスを入れた直後に相場が下がり、元本割れすることもあります。数年以内に使う予定があるお金まで投資すると、必要な時期に損をして売ることになりかねません。
つまり、ボーナス全額NISAは「余裕資金がある人向け」の方法です。生活費の補填や近い将来の支払いに使う予定があるなら、無理にまねる必要はありません。
銀行預金は増えにくいが家計を守る役割がある
銀行預金は、NISAのように大きく増える可能性は低いです。低金利の時期が長かったため、預けていても利息はわずかという印象を持つ人も多いでしょう。そのため、若い世代を中心に「預金だけではもったいない」と考える人が増えています。
しかし、銀行預金には大切な役割があります。それは、必要なときにすぐ使えることです。急な病気、家電の故障、失業、冠婚葬祭、帰省、車検など、生活には予定外の出費があります。こうしたお金まで投資に回してしまうと、いざという時に困ります。
目安として、生活費の3~6ヶ月分程度は、普通預金などで確保しておくと安心です。住宅ローンがある家庭、子どもがいる家庭、自営業や収入変動がある家庭なら、さらに多めに持つ考え方もあります。
定期預金を活用する手もあります。定期預金は、普通預金より一定期間引き出しにくい分、普通預金より高い金利が設定されることがあります。ただし、投資信託や株式のように大きく増える商品ではありません。
預金派だから古い、NISA派だから正しい、という話ではありません。預金は守りのお金、NISAは増やすためのお金です。どちらか一方に決めるより、役割を分けるほうが家計は安定します。
迷うならボーナスを3つに分ける
ボーナスの使い道に迷ったら、全額を預金またはNISAにするのではなく、3つに分ける方法があります。まず、生活防衛資金や近い将来の支払いに使う分。次に、NISAなど将来のために運用する分。最後に、旅行や家電、家族へのご褒美など、今の生活を豊かにする分です。
たとえば、ボーナスが60万円なら、20万円を預金、20万円をNISA、20万円を自由に使う、といった分け方もできます。すでに十分な貯金があるならNISAの割合を増やし、逆に貯金が少ないなら預金を優先します。
NISAを始める場合も、一括で大きく入れる必要はありません。ボーナスの一部を使って毎月の積立額を増やす方法もあります。価格が高い時期にまとめて買う不安を減らしたいなら、数ヶ月に分けて投資するのも一つです。
大切なのは、同僚のやり方をそのまま真似ないことです。家族構成、貯金額、住宅ローン、教育費、年齢、リスクへの考え方は人によって違います。自分の家計に合う割合を決めましょう。
まとめ
ボーナスを全額NISAに回す人もいれば、銀行預金に置いておく人もいます。今の時代はNISAを活用する人が増えていますが、全額投資が一般的で正しいとは限りません。
NISAは長期で資産形成を目指すお金に向いています。一方、銀行預金は急な出費や近い将来の支払いに備えるために必要です。すぐ使うお金まで投資に回すと、相場が下がった時に困る可能性があります。
迷うなら、ボーナスを預金、NISA、自由に使うお金に分けましょう。生活防衛資金が足りない人は預金を優先し、余裕資金がある人はNISAを増やすと安心です。どちらが一般的かより、自分の家計に合っているかで判断することが大切です。
出典
金融庁 NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点(速報値))の公表について
金融庁 NISAを利用する皆さまへ(令和7年9月改訂)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

