ダメな自分も「これでいい」と受け止める。自己肯定感が育まれる「心と体の声」を聞く習慣【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】

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心に余裕がないのは「入力( インプット)」が多すぎるから

ちょっとした時間にもスマホを取り出し、SNSをチェックするのが習慣になっていませんか。
「入力(インプット)」の多い生活が続くと、知らず知らずのうちに、心に闇や影を溜めていることも。
その存在に気づき、外に出すことが大切なあなたの心を守ります。

外側ではなく、内側からの声を聞いてみよう

 忙しい日常の中で、私たちは常に「外側の声」に囲まれて生きています。上司の指示や友達の反応、家族の要望、SNS から流れてくる大量の情報や「正解」とされる意見。それらに耳を傾け、うまく対応することに必死になるあまり、私たちは一番身近で、一番大切な自分の「内側の声」を無視し続けてしまっています。それはあなた自身の「心と体の声」です。

 「心と体の声」は、シンプルで本能的で、時にわがままです。「疲れた」「やりたくない」「あの人が嫌い」「本当はこっちがいい」……これらは正直な本音であり、あなたの命そのものの訴えです。一方、外側の基準をもとにつくられた「頭の声」は、論理的で常識的で厳しいのが特徴です。「これくらいできて当たり前」「断ったら迷惑かも」「もっと効率的に」。これらは、あなたが社会で生き抜くために身につけた「建前」なのです。

 私たちはつい、正論である「頭の声」を優先し、幼い子どものような「心と体の声」を、「そんなことを言ってはいけない」と叱りつけて黙らせてしまいます。

 しかし、この無視された「心と体の声」こそが、あなたの生きるためのエネルギーの源泉なのです。

ダメな自分を許すことで、自己肯定感が育まれる

 「心と体の声」を聞くことは、日常のささいな習慣から始めることができます。「本当はこれが好きなんだ」「今、私は本当はこれがしたいんだ」と、本音をキャッチするだけで十分です。自分の内側からわき上がる「好き嫌いの感覚」や「快・不快の感覚」を無視せずに拾い上げ、実行する。それが、自分自身との信頼関係を結び直す第一歩です。

 「心と体の声」には弱音や愚痴、嫉妬や怒りといったマイナス感情もたくさんあります。そんな声を聞くと、「自分は性格が悪い」「ダメな人間だ」と落ち込んでしまうかもしれません。

 しかし、その「ダメな自分を受け入れること」こそが自分らしく生きるゴールです。どんなにネガティブな声でも、「そうなんだ」「仕方ない」「そんな自分でもいいよ」と、すべてに「マル」をつけてあげてください。相手に否定されずに話を聞いてもらえた心は、子どものように安心します。さらに、あなた自身に受け入れてもらうことで、とても安らぎます。「ダメな自分」を許せた瞬間、闇や影を隠していたフタがはずれ、「安心感」というプラスのエネルギーが心の底からわいてくるはずです。

 「心と体の声」を聞き、それに正直に従うことは、「自分軸」と「境界線」を取り戻し、自分らしく人生を歩み始めることです。他人の顔色をうかがい、他人の正解に合わせて生きている限り、あなたの心はいつまでも満たされず、自己肯定感は持てません。

 自分の中にわき上がる感情を、良いものも悪いものも、すべてをひっくるめて、「これでいい」と受け止められたとき、あなたは他人の評価に依存せず、ありのままの姿で人生を歩いていけるようになるでしょう。

POINT

ダメな自分も含めて「これでいい」と受け止めることが自己肯定感の土台。
心と体の声に耳を傾ければ、自分軸も取り戻せるはず。

【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄

【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。